食品会社の社長が売上を伸ばすFacebook活用三つのコツ

「社長の発信で会社が変わる」

この言葉は、いま多くのバイヤーが感じている実感です。
取引を決める前に、まず相手の会社のFacebookをのぞく。
投稿に温かさや誠実さがあると、「一度会ってみたい」と思われます。

食品会社の販路開拓でFacebookを活かすには、難しいテクニックは要りません。
社長自らの言葉で伝える。
それが何よりの信頼になります。

ここでは、社長がすぐ始められる三つのコツを紹介します。

第一のコツ 自分の顔を出す

食品の販路は「人」で決まります。
どんなに味が良くても、相手は「どんな人が作っているか」を知りたがります。
そのため、投稿には必ず人の姿を入れること。
たとえば、社長が展示会で笑顔で立つ写真。
社員と試食をしている場面。
そうした一枚が、文章よりも強く印象を残します。

東京都の老舗和菓子店では、社長自らがFacebookで毎朝「今日の和菓子」と題して投稿しています。
新作のどら焼きや季節の上生菓子の写真を載せ、材料へのこだわりを短く添える。
投稿の最後に「今日は築地のバイヤーさんが来店予定です」と一言入れると、地元の卸業者や飲食店関係者が反応します。
「うちでも扱いたい」「取引先に紹介したい」とコメントが届く。
その積み重ねが新しい販路につながりました。

最近では、投稿を見た東京駅構内の土産専門店の担当者が直接連絡をくれ、常設コーナーへの採用が決まったそうです。
「広告を出したわけでもないのに、Facebookで信頼が育った」と社長は話します。

社長が表に出ることで、商品に「顔」が生まれる。
それが信頼をつくる第一歩です。

第二のコツ 発信を日常にする

販路開拓というと、大きなイベントや商談会を思い浮かべる人が多いでしょう。
けれど、取引が決まるのは日々の積み重ねです。
バイヤーは意外に細かく見ています。
「最近どんな活動をしているか」
「社員の雰囲気はどうか」
「季節商品はあるのか」
こうした情報が投稿から伝わると、距離がぐっと近づきます。

Facebook発信を「広告」ではなく「近況報告」と考えると気が楽になります。
展示会準備の写真、試作品の失敗談、仕入れ先訪問の様子。
どれも立派な発信です。

大分県の総菜メーカーでは、社長が毎週月曜に「今週の工場便り」を投稿しています。
「今週は大葉入りメンチの製造がピーク」「地元高校生が工場見学に来ました」など、現場の声をそのまま発信。
投稿を見た百貨店バイヤーが、「地域密着の姿勢がいい」と商談を申し込んできました。
その後、都内高級スーパーで常設販売が始まり、販路が大きく広がりました。

この会社ではFacebook発信を続けるうちに、社員の意識も変わりました。
「社長が自分たちの頑張りを発信してくれる」と感じた若手が、自発的に製造風景の写真を提供してくれるようになったのです。
結果として社内の雰囲気も明るくなり、採用希望者も増えたそうです。
発信が販路だけでなく、組織全体のモチベーションにもつながった好例です。

ポイントは続けること。
頻度よりも「継続している」ことが信頼につながります。
社長が動いている会社は元気だと感じられるからです。

投稿の時間帯は、バイヤーや取引先がスマホを見る午前八時前後、または夜九時頃が効果的です。
写真は暗い工場照明ではなく、自然光や明るい窓際で撮ると印象が良くなります。
専門的な機材は不要。
スマートフォン一台で十分です。

第三のコツ 反応を営業に変える

Facebookの良さは「反応が見えること」です。
コメントやいいねは、営業のヒントになります。
投稿に反応してくれた人は、すでにあなたに関心を持っています。

たとえば、「おいしそう」「買ってみたい」と書き込んだ人。
その人のプロフィールをのぞくと、飲食店関係者や取引先候補ということもあります。
すぐに営業をかける必要はありません。
まずは「ありがとうございます」と返信するだけで十分です。
人は自分に関心を持ってくれた相手を信頼します。

やり取りを重ねるうちに、「次の展示会で伺います」「資料を送ってください」という話につながることがあります。
Facebook上での丁寧な対応が、実際の商談に発展する。
それが現代の営業スタイルです。

さらに、反応データを見直すと意外な傾向も見つかります。
「社員紹介」投稿のほうが「新商品紹介」より反応が多い。
「社長の日常」投稿が最も閲覧数を集める。
こうした数字から、読者が求めている情報が分かります。
営業戦略を立てるときも、Facebookの反応データは立派な市場調査になります。

もう一つのポイントは「社員の投稿を活かす」こと。
若い社員がイベントの写真を上げてくれたら、社長が一言コメントをつける。
「がんばってくれてありがとう」「お客様に喜ばれたようでうれしい」
それだけで社内の士気も上がり、外部への印象も良くなります。

まとめ

Facebookは無料の営業ツールです。
広告費をかけなくても、社長の言葉が信頼を生みます。
発信を通して、人の心に残る会社になる。
その積み重ねが販路拡大の原動力になります。

ポイントは三つ。
一、自分の顔を出す
二、発信を日常にする
三、反応を営業に変える

東京都の和菓子店のように、日々の投稿が新しい出会いを生む。
大分県の総菜メーカーのように、地道な発信が百貨店バイヤーの心を動かす。
さらに、発信が社員教育や採用にもつながる。
Facebookは「販路開拓」だけでなく、「会社の姿勢」を映す鏡でもあります。

社長が語る言葉には、重みがあります。
誰かに頼んで書いた広告文より、社長の一言のほうが人を動かす。
それを実感しているバイヤーは多いのです。

売れる社長とは、信頼を育てる社長。
今日の一言が、明日の商談を引き寄せます。
Facebookはその最初の一歩になります。


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