営業経験30年でわかった「どぶ板営業」の真価|食品会社社長が成果を上げる実践法

食品会社の社長にとって、新しい販路をどう切り拓くかは常に大きな課題です。
展示会やオンライン商談といった手段も普及していますが、
実際のところ「直接足を運び、取引先と顔を合わせる営業=どぶ板営業」が、
信頼を得る近道であることを忘れてはいけません。

論理的な戦略や最新のデジタルツールも有効ですが、食品ビジネスの現場で成果を出している社長は例外なく、
この泥臭い営業スタイルを大切にしています。効率の良さよりも、顧客との関係性を深めることを優先しているのです。

食品メーカーの販路拡大をサポートしてきました。その中で何度も実感したのが「どぶ板営業の力」です。
この記事では、社長自身が営業の先頭に立つときにこそ役立つ、どぶ板営業の真価と実践法を解説します。

どぶ板営業とは何か

どぶ板営業とは、靴底をすり減らし、汗をかきながら顧客を訪問し続ける営業スタイルのことです。
かつては当たり前のように行われていましたが、今では「古い営業手法」「効率が悪い」として敬遠されることもあります。

けれど食品業界においては、どぶ板営業の価値はむしろ高まっています。
なぜなら、食品は「安心」「信頼」「人とのつながり」で売れる商品だからです。
顧客は、ただ資料を送られても心を動かされません。社長自らが訪問し、顔を合わせ、想いを伝えることで
初めて本当の信頼関係が築かれます。

どぶ板営業のメリット

顧客との距離が縮まる

社長自ら訪問すると、バイヤーは「この会社は本気で取引したいのだ」と感じます。
食品の取引では、商品の魅力だけでなく「誰から仕入れるか」が大きな判断基準になります。
どぶ板営業を通じて築かれる信頼感は、他のどの手法にも代えがたい強みです。

生きた情報が得られる

訪問すると、顧客の店頭の様子や現場の空気感から多くの情報が得られます。売れている商品の動向、
競合メーカーの仕掛け、季節ごとの消費者の変化。こうした「現場の空気」はオンラインでは決してわかりません。
社長自らが現場に出ることで、会社の戦略に生きた情報を取り込めます。

即断即決ができる

営業マンではなく社長が直接訪問するからこそ、その場で決断ができます。「来月のフェアに出す」
「数量を増やす」といった即答ができるのは、社長営業ならではの強みです。バイヤーも「決定権者が来ている」と
安心し、具体的な話に進みやすくなります。

人脈が広がる

訪問の回数が増えることで、バイヤー本人だけでなく、その周囲の担当者や経営層ともつながりができます。
食品業界では人脈が新しい取引を呼び込みます。どぶ板営業は、信頼を軸とした人脈形成の近道です。

成果を出すために必要なポイント

どぶ板営業は「数をこなすだけ」では成果につながりません。目的を明確にし、数値目標を設定して実行することが
必要です。

明確な目的を持つ

訪問には必ず目的を設定しましょう。

  • 顧客と距離を縮める
  • 新商品のパンフレットを配布する
  • 競合の動きを探る
  • 顧客の業績や予算を把握する

目的が明確であれば、訪問のたびに収穫があります。逆に目的がないと「ただ回っただけ」で終わってしまいます。

数値目標を設定する

  • 1日で訪問する件数
  • 1週間で会うべきキーマンの人数
  • 1か月で新規にアポイントを取る数

数値で目標を決めることで、自分を律することができます。社長自身がやるからこそ、
より計画的に進める必要があります。

どぶ板営業のデメリットと回避策

デメリットの一つは、効率の低さです。移動に時間がかかり、体力も必要です。
また、目的を持たずに回れば「やった感」だけが残り、成果は出ません。

この弱点を克服するには、訪問とデジタルを組み合わせることが有効です。訪問で得た情報をすぐに社内で共有し、
次の商談や提案に活かす。データベースに蓄積し、社内の誰もが使える資産に変える。
こうした工夫を取り入れることで、どぶ板営業は効率的な営業スタイルへと進化します。

食品会社の社長が実践すべき活用法

展示会と組み合わせる

展示会で出会ったバイヤーを、どぶ板営業でフォローする。顔を合わせた関係をさらに深めることで、
契約の確率が大きく高まります。

地域密着の販路開拓に使う

地域スーパーや飲食店に社長自ら訪問することで、地元ブランドを確立できます。地元を大切にする姿勢は、
地域のバイヤーに強く響きます。

競合との差別化に使う

オンラインだけの営業活動が主流になる中で、現場に足を運ぶこと自体が差別化ポイントになります。
バイヤーは「この社長はわざわざ来てくれる」と評価し、競合より優位に立てます。

商品改善に役立てる

現場で聞いた顧客の声を商品開発に活かせます。味、パッケージ、価格設定など、バイヤーの言葉は改良のヒントです。
社長が直接聞けば、そのまま迅速に社内へ反映できます。

成功する社長のどぶ板営業習慣

成果を出している食品会社の社長は、どぶ板営業を単発ではなく習慣化しています。

  • 毎週1日は必ず現場に出る
  • 1日5件以上は訪問する
  • 訪問後は必ず社内にフィードバックをする
  • 定期的に同じバイヤーを訪ね、関係を深める

この積み重ねが会社の売上を押し上げ、ブランド力を高めます。

まとめ

どぶ板営業は一見すると古い手法に見えますが、食品会社の社長にとっては今も最強の営業手段です。
顧客との距離を縮め、信頼を築き、生きた情報を得る。これらはすべて売上や新規販路につながります。

  • 顧客との関係づくりに最適
  • 即断即決で信頼を勝ち取れる
  • 人脈拡大の基盤になる
  • 商品改善や戦略立案にも役立つ

目的と数値目標を明確にして取り組めば、どぶ板営業は単なる泥臭さではなく、
社長にしかできない強力な営業スタイルとなります。

食品会社の社長の皆さん、自らの足で顧客に会いに行き、信頼を勝ち取ってください。
その積み重ねこそが販路開拓の原点であり、会社の未来を切り拓く力になるのです。


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