展示会は食品会社にとって販路開拓の舞台
幕張メッセで毎年開催されるスーパーマーケットトレードショーは、食品会社にとって最大規模の展示会です。
大手スーパーや百貨店のバイヤー、外食産業の仕入れ担当者、専門商社や卸業者、さらには海外バイヤーまで多彩な
来場者が集まります。
食品会社にとって、普段は接点のない新しい相手と直接話せる貴重な機会といえるでしょう。
展示会に出展するには出展料や装飾費、人件費、旅費といった費用が必要です。
補助金を活用しても中小企業にとっては数十万円規模の投資になります。その投資を無駄にしないためには、
展示会を販路開拓の重要な戦略の一部と捉え、計画的に準備を進めることが欠かせません。
成果を出す食品会社の共通点
会場で成果を上げている食品会社に共通する点は明確です。
1. 出展目的を定めている
新規取引先を探すのか、既存の顧客と関係を深めるのか、新商品の反応を確かめるのか。
目的をはっきりさせている会社は、ブースでの対応や会話の内容が具体的で、成果につながりやすいのです。
2. 商品の魅力を短時間で伝える準備
バイヤーは短時間で多くのブースを見て回ります。成功している会社は、商品の強みを数十秒で
説明できるトークを準備しています。さらに、商品の背景や産地のストーリーを伝えられるようにしており、
記憶に残る印象を与えています。
3. 装飾に頼らない姿勢
派手なブースやコンパニオンを用意しなくても、シンプルな展示で十分に成果を上げている会社があります。
重要なのは「どれだけ商品が際立っているか」であり、見た目の華やかさではありません。
4. 展示会後のフォローを徹底
展示会は出会いの場にすぎません。成果を出している会社は、名刺交換をした翌日にはお礼メールを送り、
1週間以内に資料送付や商談打診を行っています。スピードと丁寧さが信頼につながり、契約への第一歩になります。
5. 継続出展で信頼を築く
成果を出している会社の多くは毎年出展を続けています。継続していることで経験値が増し、
来場者からの認知度も上がります。バイヤーに「毎年出展している会社」と認識されることが信頼の証になり、
商談につながりやすくなります。
成果を出せない食品会社の共通点
成果につながらない会社には共通点があります。
- 出展目的があいまい
- ブース装飾に費用をかけすぎ、中身が弱い
- 名刺交換だけで満足し、展示会後のフォローがほとんどない
- 一度出展して結果が出ないと諦める
このような会社は「展示会に出ること自体」が目的となり、販路開拓の本来の効果を得られません。
投資に見合う成果を得るためには、展示会を販路開拓のプロセスの一環と位置づけ、
事前準備から展示後の行動までを一貫して計画する必要があります。
成功事例に学ぶ
ある地方食品会社は、最小限の装飾で出展しました。商品を整然と並べただけのシンプルなブースでしたが、
来場者に分かりやすい商品説明資料を配布し、社長自らが熱心に対応しました。
その結果、複数の大手スーパーと商談が進み、新しい販路を獲得しました。
別の会社では、毎年同じ展示会に出展し続けることで「常連」として認識され、バイヤーからの信頼を得ました。
最初の数年は成果が限定的でしたが、5年目に大手流通との取引が実現しました。
このように継続は力となり、経験と信頼が積み重なることで成果につながります。
展示会を販路開拓に活かす三つの視点
食品会社の社長が展示会を販路開拓につなげるためには、次の三つの視点が欠かせません。
- 目的を定める
出展の狙いを具体的に決めることで、展示内容や来場者への対応がぶれなくなります。 - 行動計画を作る
名刺交換後のメール送付、訪問スケジュール、オンライン商談への誘導などを事前に準備しておくと、
展示会後の行動がスムーズになります。 - 継続的に改善する
一度の出展で結果を求めず、毎年参加して改善を繰り返すことで成果が積み重なります。
販路開拓に近道はない
食品会社にとって販路開拓は最も大きな経営課題の一つです。展示会はその課題を解決するための有効な手段ですが、
魔法のように一瞬で成果が出るわけではありません。
成果を出している会社は、目的を明確にし、行動を計画し、地道に継続する姿勢を持っています。
展示会に出展することはゴールではなくスタートです。その後の営業活動や信頼構築こそが
成果を決定づける要素になります。
まとめ
スーパーマーケットトレードショーで成果を出す食品会社と出せない会社の違いは明確です。
成果を出す会社は目的を持ち、準備を怠らず、展示会後のフォローを徹底し、継続して挑戦しています。
成果を出せない会社は、目的があいまいで見た目にこだわりすぎ、フォローや継続を軽視しています。
展示会は販路開拓の通過点にすぎません。食品会社の社長に求められるのは、
展示会を販路拡大のプロセスの一部と捉え、継続的に取り組む姿勢です。
その積み重ねが新しい取引先との出会いを生み、会社の未来を切り開く力となります。
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