食品会社の販路開拓を支援していると、最近は「マッチングに参加したい」「商談のチャンスを作りたい」という相談が本当に多くなりました。
バイヤーとの出会い、異業種との連携、展示会や行政マッチング会の活用。
今の時代、マッチングは販路拡大の最短ルートです。
ところが、実際にマッチング会に参加しても、成果につながらない企業が多いのも現実です。
名刺交換で終わってしまう、メールを送っても返事がない、次につながらない。
「良い出会いだったのに、なぜ取引まで進まないのか?」という声を何度も聞きます。
マッチングで成果を出す社長には、共通する考え方と行動があります。
それはたった2つです。
① マッチングの場では自社PRを短く、相手の話をよく聞く
② マッチング後は、相手が動きやすいように丁寧にフォローする
当たり前のように見えますが、実際にこの2つを徹底できている会社は少数です。
この2つを意識するだけで、商談成立率は一気に上がります。
● マッチングは「売り込む場」ではなく「聞く場」
多くの社長が勘違いしているのが、マッチング=売り込みだと思っている点です。
会場で一生懸命に自社商品の説明をしても、相手は疲れてしまいます。
商談の場ではなく、「相手を知る場」と割り切ることが大切です。
たとえば、ある調味料メーカーの社長は、マッチング会でほとんど自社の説明をしませんでした。
代わりに、「どんな商品を探されていますか?」「最近どんなジャンルが売れていますか?」と質問ばかり。
結果、相手の課題を引き出し、「それならうちの〇〇が役立つかもしれません」と自然につなげることができました。
この社長は、その一度の出会いから大手スーパーとの継続取引につなげています。
マッチングの成功は「話す量」ではなく、「聞く深さ」で決まります。
相手の話を丁寧に聞けば、次のアクションが見えてきます。
● 名刺交換だけで終わらせないフォローの力
もう一つの大切な鉄則は、「翌日のフォロー」です。
マッチング会や展示会の翌日に、きちんとお礼と提案をメールで送っている会社は意外と少ないのです。
早く動くほど、相手の印象に残ります。
その日のうちに送れなくても、翌日の午前中にはメールを送りましょう。
内容は簡潔で十分です。
「昨日はお時間をいただきありがとうございました。
御社の〇〇の方針を伺い、当社の□□商品が貢献できそうだと感じました。
カタログを添付いたしますので、ご検討のうえご意見をいただければ幸いです。」
この一通だけで「誠実な会社だ」と思われます。
相手が返事を出しやすいように、資料やリンクも添えると効果的です。
● マッチング後のフォローで“信頼”が生まれる
取引は、信頼から始まります。
その信頼を生むのが、丁寧なフォローです。
営業はスピードよりも「心のタイミング」をつかむことが大切。
相手が会場で会話した内容を覚えているうちに、行動を起こす。
数日たつと、せっかくの印象も薄れてしまいます。
だからこそ「早く・簡潔に・具体的に」伝えるのです。
● マッチングを成功に導く社長の姿勢
成果を出す社長に共通しているのは、マッチングを「自分の営業現場」として捉えていることです。
社員任せにせず、自ら現場に足を運び、自分の言葉で話します。
それだけで相手の反応が変わります。
ある水産加工会社の社長は、マッチング会で自ら試食を配り、現場の苦労を語りました。
「現場を知っている人の言葉だから伝わる」と評価され、その場で取引が成立しました。
社長が前に出ることは、会社の信頼を高める最大の手段です。
● マッチングの失敗は「準備不足」から始まる
成果が出ない会社の多くは、準備が甘いのです。
相手がどんな会社なのか、どんな商品を扱っているのかを調べていない。
資料も整理されていない。
これではチャンスを逃します。
マッチングの前に、相手企業の情報を最低限調べましょう。
特に、バイヤー名・担当部署・販売チャネル・主力商品などを把握しておくと会話がスムーズです。
準備をしていない会社ほど「話が合わない」「手応えがなかった」と言います。
それは相手の情報を知らないまま話しているからです。
準備の精度が、成果の確率を決めます。
● 取引はマッチングの“後”に始まる
マッチングでの出会いはスタートラインです。
本当の勝負は、出会った後の行動にあります。
お礼の連絡、提案書、サンプル送付、訪問の約束。
この一連の流れをどれだけ早く、誠実に進められるかが成否を分けます。
食品業界では信頼の積み重ねが命です。
一度のマッチングで終わらせず、次の機会につなげましょう。
「継続して連絡をくれる会社」は、それだけで印象に残ります。
● マッチングは“準備・行動・継続”がすべて
社長、マッチングは営業活動の一部です。
魔法のように取引が決まる場ではありません。
会って話し、反応を見て、次に進めるためのきっかけづくりです。
焦らず、1社ずつ丁寧に信頼を積み重ねること。
その姿勢こそ、長く続く取引を生む基礎になります。
マッチングは運ではなく「準備と行動の技術」です。
今日からこの2つの鉄則を意識してみてください。
・自社の話は短く、相手の声を聞く
・マッチング後は、すぐフォローする
この2つを徹底するだけで、御社の販路開拓は確実に前進します。
動けば、出会いは結果に変わります。
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