「商品には自信があるのに、売れない…」 「展示会に出ても名刺交換ばかりで、ぜんぜん取引につながらない」
「新しい販路を開拓したいけど、どこから手をつけていいかわからない」
こうした声を、私は日々たくさんの食品会社の社長から聞いています。
販路開拓がうまくいかない理由は、決して「やる気が足りない」とか「商品力が弱い」からではありません。
むしろ多くの会社さんが、一生懸命に商品を磨き、展示会に出たり、営業に回ったりと努力されています。
でも、成果が出ない。その理由はとてもシンプルで、
「自社の実力に合っていない販路開拓」をしているケースが非常に多いからです。
そして、やるべきことを少し絞るだけで、大きく道がひらけることも珍しくありません。
この記事では、なぜ販路開拓がうまくいかないのか、ありがちな失敗パターン、
いますぐ実践できる3つの対策をわかりやすくまとめました。
なぜ販路開拓がうまくいかないのか?
中小の食品会社が販路を広げようとするとき、まずぶつかるのが「リソース不足」です。
大手と違って、営業担当が何人もいるわけではなく、社長自らがすべて動いているケースも多い。
広告費や試食用のサンプル、営業にかけられる時間も限られます。
この状態で、「全国のスーパーに売り込みたい」「SNSを頑張ってバズらせたい」
「東京ビッグサイトの展示会に出展して販路拡大!」というように、力以上のことをやろうとすると、
どうしても疲弊してしまいます。
私も現場で見てきましたが、展示会でブースを出しても、目的がはっきりせず名刺を集めるだけになってしまったり、
バイヤーとの商談が「検討します」で終わってしまうケースは少なくありません。そうならないためには、
まず「自社の実力を冷静に見つめること」が大切です。
実力を見きわめたら、「徹底的に絞る」
販路開拓で成果を出している会社の多くは、「あれこれやらない」ことを徹底しています。
たとえば、
・商品を1つに絞る
・エリアを1県だけに絞る
・ターゲットを特定の業態に絞る(例:百貨店の食品催事だけ、都内の高級スーパーだけ)
・営業手法を1つに絞る(例:FAX+電話、紹介営業のみ、SNSではなくリアル訪問のみ)
絞ることで、社長の時間や人手、お金の負担もぐっと減りますし、「誰に」「何を」「どう売るか」が
明確になることで、販路開拓の動きが具体的になります。
ある東北の漬物メーカーは、「東京の自然派スーパー」に販路を絞ったことで、大きな取引先を得ることができました。
最初から全国展開を目指すのではなく、「この1社、この1地域」と絞ったことで、営業の動き方がガラリと変わったのです。
ありがちな失敗パターン3つ
販路開拓で成果が出ない会社には、実は共通の失敗パターンがあります。ここでは3つ、代表的なものをご紹介します。
パターン①:商品の良さをわかってもらえれば売れると思っている
「うちの商品は本当においしい」「こだわって作っているから伝わるはず」
この気持ちはとてもよくわかります。でも、バイヤーは「売れるかどうか」で判断しています。
味や製法の話を一生懸命しても、「この商品はうちのお客さんに売れるのか?」「利益が出るのか?」が明確でないと、
導入されません。
だからこそ、商品そのものの良さよりも、「どの市場で、どんなニーズがあって、どう売れるか」という売る視点を
伝えることが必要なのです。
パターン②:SNSやネットで一発逆転を狙ってしまう
SNSやネット広告で話題になれば…という期待は大きいですが、残念ながら多くの食品会社にとっては
「時間とお金ばかりかかる割に成果が出にくい」方法です。
もちろん、ブランディングや認知拡大には意味があります。販路拡大を目的とするなら、
むしろ電話やFAX、紹介などの地道だけど確実な手法のほうが効果が出やすいのです。
パターン③:動けば成果が出ると思い、とにかく数をこなしてしまう
「営業件数を増やそう!」「飛び込みでもいいから回ろう!」
これもよくあるケースですが、戦略がないまま動いても、結果にはつながりません。
大事なのは「どこを狙うか」「なぜそこに売れるか」の仮説を立ててから動くこと。
そうしないと、毎回ゼロから説明して終わる“消耗戦”になってしまいます。
いますぐ実践すべき3つの対策
では、限られたリソースの中で販路開拓を進めていくには、どんな行動が効果的なのでしょうか?
現場で成果が出た、具体的なアクションを3つご紹介します。
①「自社の販路開拓力」を自己診断する
まず、自社の現状を客観的に整理するところから始めましょう。
・新規の問い合わせは年に何件あるか
・自分で営業して、受注につながった件数はどれくらいか
・成功した商談に共通している点はあるか(業種、エリア、商品)
ここを見直すことで、「自社が何を強みにしているのか」「どこでつまずいているのか」が見えてきます。
②「販路開拓マップ」を書いてみる
紙やホワイトボードで大丈夫です。以下の4項目を書き出してください。
・誰に(ターゲットの業種やエリア)
・どこで(営業対象の地域・販路)
・何を(販売する商品)
・どうやって(営業手法)
この販路開拓マップがあるだけで、営業やPRの方向性が一気に明確になります。
③「小さな成功事例」をつくる
最初から大口の取引を狙わなくて大丈夫です。まずは1社、1店舗に「売れた」という事例をつくることが重要です。
その実績があるだけで、次の営業先で「実績があります」と伝えられるようになりますし、
相手の反応も変わります。一つ成功すれば、それが型として繰り返すことで、少しずつ販路が広がっていきます。
最後に|販路開拓は「自社の実力」を知ることから始まる
販路開拓に魔法の方法はありません。やり方を見直すだけで、大きく変わることがあります。
「できる範囲で」「絞って」「やれることをやる」この3つを意識するだけで、販路開拓は確実に進みます。
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