「効率の良い営業」を追い求めていませんか?
「もっと多くのバイヤーに会って商品を売り込まなければ」そう考えて、日々飛び込み営業や展示会に
精を出しているかもしれません。でも、ちょっと待ってください。
その「効率」は誰のためのものですか?実は、多くの社長が考える「効率の良い営業」は、
本当に成果につながるものとはかけ離れている場合があります。
本当の「効率」とは、単に多くの件数をこなすことではありません。
それは、バイヤーの「購入確度」を見極めることにこそあるのです。
「効率よく」は御社の都合でしかない
多くの食品会社が「効率の良い営業」と聞いて思い浮かべるのは、
おそらく「より多くのバイヤーにより短い時間で会うこと」でしょう。
たとえば、1日に何件もアポを入れ、移動時間も無駄にしないようにスケジュールをパンパンに詰める。
これは一見、とても効率的に見えます。これはあくまであなたの会社側の都合でしかありません。
バイヤーとっては、「効率よく」訪問されることは何のメリットもないのです。
バイヤーは日々、多くのメーカーや卸業者から売り込みを受けています。そこに、あなたの都合の良いスケジュールで
訪問されても「また来たか」「忙しいのに…」と思われてしまうかもしれません。
バイヤーが本当に求めているのは、自分の売場や顧客の課題を解決してくれる「価値ある提案」です。
御社の都合で用意された一方的な提案ではありません。
効率の良い営業は「購入確度」を見極めること
本当の「効率の良い営業」とは、バイヤーの「購入確度」を見極めることから始まります。「購入確度」とは、
そのバイヤーさんがあなたの会社の商品をどれだけ求めているか、どれだけ購入意欲があるか、
そしてその商品を取り扱うための予算や売場の空きがあるかなど、総合的な判断基準のことです。
たとえ1日に1件しか商談がなくても、その1件のバイヤーがあなたの会社の商品を「ぜひ扱いたい!」と
強く思ってくれていて、予算も確保できる状態ならそれは最高の効率と言えます。逆に、1日に10件の商談をこなしても、
購入確度が低いバイヤーばかりでは時間の無駄になってしまいます。
買わない担当者に時間を費やすのは無駄
「購入確度」の低い担当者とはどのような人でしょうか。たとえば、「話は聞きますが、正直予算がありません」
「すでに同じような商品があるので導入は難しいです」 「決定権は私にないので上司に相談するだけになります」
このような担当者です。彼らにどれだけ熱意を込めて自社商品の良さを語っても、
残念ながら、成約につながる可能性は非常に低いでしょう。もちろん、情報提供として訪問すること自体に意味がないわけではありません。
限られた時間や労力を有効に使うためには、こうした担当者への訪問は見直す必要があります。あなたの貴重な時間を購入意欲がなく、予算もない担当者に費やしてしまうのは、非効率なだけでなくあなたのモチベーションを下げてしまうことにもつながります。
本当に時間をかけるべき相手とは
では、どのようなバイヤーに時間をかけるべきなのでしょうか。それは、購入確度が高いバイヤーです。
具体的には、
・自社の売場や顧客の課題を真剣に話してくれる ・あなたの提案に前のめりで質問をしてくれる
・「この商品をどうすればうちの売場で売れるだろうか」と一緒に考えてくれる
・決定権を持っている、もしくは決定権を持つ人に直接つないでくれるこのようなバイヤーです。
彼らとの商談は、商品の売り込みというよりも「どうすれば一緒に成功できるか」を話し合う時間になります。あなたの会社の商品の価値を正しく理解し、それをどう活かすかを真剣に考えてくれます。こうしたバイヤーとの商談こそ、御社にとって最も「効率の良い営業」なのです。
購入確度を見極めるためのヒント
では、どうすれば訪問する前にバイヤーの購入確度を見極めることができるのでしょうか。いくつかのヒントをご紹介します。
1. 事前リサーチの徹底
訪問する前に、そのバイヤーが担当している店舗や会社の情報を徹底的にリサーチしましょう。
・どんな商品を扱っているか?
・どんな層の顧客をターゲットにしているか?
・最近、どのような新商品を導入しているか?
・SNSや会社のブログでどんな情報を発信しているか?こうした情報を得ることで、御社の商品がそのバイヤーの
ニーズに合っているかを事前にある程度判断することができます。
2. 最初のアプローチ方法を工夫する
電話やメールでの最初のアプローチでいきなりアポイントを取ろうとするのではなく、
「まずは情報交換させてほしい」というスタンスで連絡してみましょう。その際の相手の反応から購入確度を推測することができます。
「今は忙しいから」と断られる場合もあれば、「〇〇に興味があるのでもう少し詳しく聞きたい」と言ってくれる場合も
あります。
3. 質問力で探る
商談ができたとしても、最初から商品の説明ばかりをするのはやめましょう。
まずは相手に質問をして課題やニーズを探ることに集中します。「御社の顧客層で最近、特に求められている食品の
トレンドはありますか?」 「売場づくりの上で何か課題に感じていることはありますか?」こうした質問を
投げかけることで、相手の関心度や購入確度を測ることができます。
まとめ
「効率の良い営業」とは、決して件数をこなすことではありません。
御社の未来を創る真のパートナーとなりうるバイヤーを見極めることにこそあります。購入意欲のない担当者に
貴重な時間と労力を費やすのは今日で終わりにしましょう。
これからは、事前準備と質問力を駆使し、購入確度の高いバイヤーとだけ深く、濃い商談を重ねていくのです。
それが、御社の販路を本当に拡大させ、事業を成長させるための最も効率的な道です。
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