売れ続ける理由を解き明かす ロイズの成功から学ぶ中小食品会社の販路開拓戦略

多くの食品会社の社長が、商品の品質には自信があるものの
「どうすればもっと多くの人に商品を届けられるだろうか」
「販路を広げたいけれど、どこから手をつければ良いか分からない」といった
お悩みを抱えていらっしゃることでしょう。

競争が激化する現代において、優れた商品を持つ中小食品会社が、
さらに成長するためのヒントはどこにあるのでしょうか。

今回注目するのは、北海道を代表するチョコレートブランド ロイズの成功事例です。

ロイズは、単に美味しいチョコレートを作るだけでなく、その 売り方 に独自の手腕を発揮し、
全国的なブランドへと成長しました。

このロイズの成功には、中小食品会社の皆様が販路開拓やブランド力向上に活かせる
貴重なポイントが隠されています。本記事では、ロイズが実践してきた6つの視点から、
売れ続けるための具体的な戦略を読み解き、皆様のビジネスに応用できるヒントをお届けします。

1. 北海道の魅力を最大限に活かしたブランド戦略

ロイズが、なぜ多くの人に愛され続けるブランドになったのか。
その大きな理由のひとつは、北海道という地域の持つ魅力を最大限に活用したことにあります。

北海道は、雄大な自然に恵まれ、豊かな食材の宝庫として広く知られていますよね。
ロイズは、この 北海道 という特別なイメージを、自社の商品と見事に結びつけました。

たとえば、ロイズは創業当初、 北海道限定 の商品としてチョコレートを売り出しました。
「北海道でしか手に入らない」という限定性は、観光で訪れる方々の
「せっかく北海道に来たのだから、ここでしか買えない特別なものを手に入れたい」
という気持ちを強く刺激しました。これは、消費者に特別な商品であると感じさせる、
見事な戦略と言えるでしょう。

また、ロイズは商品に使う素材にも徹底的にこだわっています。
北海道産の新鮮な牛乳やバターなどを惜しみなく使うことで、
他にはない濃厚でまろやかな美味しさを生み出しています。

これにより、消費者は「ロイズの商品は北海道の自然の恵みが詰まっていて、
心から美味しい」と感じ、一度食べたら忘れられない体験となり、何度も購入したくなるのです。

【中小食品会社が応用するヒント】 商品には、どのような ストーリー が隠されているでしょうか。
それは、商品が生まれる土地の風土かもしれませんし、受け継がれてきた伝統的な製法、
あるいは特定の素材への並々ならぬこだわりかもしれません。

  • 地域ブランドの深掘り: 自社の商品が作られる地域の歴史、文化、自然の豊かさ、
    あるいは地域の特産品との関連性を見つめ直し、それを商品の魅力として発信してみませんか。
    例えば、山間部の清らかな水を使った製法、〇〇年続く老舗の技、特定の土壌で育った希少な農産物など、
    御社ならではの「こだわり」を明確に打ち出すことで、商品は唯一無二の存在となります。
  • 限定性の演出: 物理的な地域限定が難しい場合でも、
    「季節限定」「数量限定」「オンラインストア限定」といった形で、
    希少性を演出することは可能です。これにより、顧客の「今買わなくては」という
    購買意欲を高めることができます。
  • 物語を語る発信: 商品の背景にある物語や生産者の情熱を、ブログやSNS、
    パッケージなどで丁寧に語ることで、消費者は単なるモノとしてではなく、
    感情的な価値を感じ取るようになります。地域への愛着が、
    そのままブランドへの信頼へと繋がっていくはずです。

2. インターネット販売で全国に広げる戦略

ロイズがさらに大きく成長を遂げた理由のひとつは、
インターネットを使った販売を早くから積極的に取り入れたことです。
かつては北海道に行かないと買えなかったロイズのチョコレートを、
オンラインストアを通じて全国の消費者へ届けることを可能にしました。

「北海道にはなかなか行けないけれど、あのロイズのチョコレートが食べたい」という方々にとって、
インターネット販売は非常に便利な購買手段となりました。

ロイズの公式サイトは、商品の魅力を最大限に伝える美しい写真や、分かりやすい説明で彩られています。
また、季節ごとの特別商品や、ギフトセットなども豊富に揃えられており、
いつ訪れても新しい発見がある工夫が凝らされています。

このように、ネットで手軽に買えるようになったことで、北海道を訪れたことのない方々にもファンが広がり、
多くの人々がリピーターとなっていったのです。

さらに、ロイズはInstagramやX(旧Twitter)といったSNS(ソーシャルメディア)も巧みに活用しています。
魅力的なチョコレートの写真や、新商品の情報をタイムリーに紹介することで、
特に若い世代を中心に大きな人気を集め、インターネットを通じてロイズのブランドは
全国的にその名を有名にしました。

【中小食品会社が応用するヒント】 インターネットを通じて全国、世界中の顧客に届ける大きな可能性を秘めています。

  • ECサイトの活用: 大手ECモール(楽天やAmazonなど)への出店は、
    集客力が高く、初期の販路拡大には有効です。
    同時に、独自のブランドイメージを表現できる自社ECサイトを持つことも重要です。
    自社ECサイトでは、商品のストーリーを深く伝えたり、限定商品を販売したりと、
    より濃い顧客体験を提供できます。
  • SNSマーケティングの強化: 各SNSの特性を理解し、
    御社の商品と相性の良いプラットフォームを選んで積極的に情報発信してみましょう。
    商品の美味しそうな写真や動画、製造現場の様子、お客様の声などを定期的に発信することで、
    親近感が湧き、潜在顧客の興味を引きつけます。社長様ご自身が日々の想いを綴ることで、
    より人間味あふれるブランドとして認識されることもあります。
  • 顧客とのコミュニケーション: ECサイトやSNSを通じて、お客様からの質問に丁寧に答えたり、
    レビューに感謝のメッセージを送ったりと、積極的にコミュニケーションを取ることで、
    顧客ロイヤルティを高め、リピーターへと繋げることができます。

3. ギフト需要をうまく取り込む戦略

ロイズのチョコレートは、贈り物としても非常に高い人気を誇っています。
バレンタインデーやクリスマス、母の日といった特別な日に、
大切な方へのプレゼントとして選ばれる商品となっているのは、
ロイズがギフト需要をしっかりと捉え、それに応える工夫をしているからです。

たとえば、ロイズの 生チョコレート は、
シンプルながらも高級感のある洗練されたパッケージに包まれています。
このパッケージデザインが、商品自体の価値を高め、贈り物としての魅力を一層引き立てています。

プレゼントを受け取った方が、箱を見ただけで「これは特別なものだ」と感じるような、
視覚的な訴求力も計算されているのです。

また、ロイズは季節ごとのイベントに合わせた限定商品を積極的に販売しています。
バレンタインデーやホワイトデー、クリスマスのような特別な時期には、
その時期ならではの限定フレーバーや特別なアソートが登場します。

消費者は「今だけしか手に入らない特別な商品」と感じ、購買意欲が自然と高まります。

【中小食品会社が応用するヒント】 御社の商品も、単に日常使いの食品としてだけでなく、
「贈答品」としての価値を高めることで、新たな市場を開拓できる可能性があります。

  • パッケージの再考: まずは、貴社商品のパッケージデザインを見直してみましょう。
    贈答用としてふさわしい、上品さや特別感を演出できていますか。
    リボンや掛け紙、熨斗(のし)の対応、手提げ袋など、ギフトに必要な要素を準備することで、
    贈り手も安心して選べるようになります。
  • 贈るシーンの提案: 貴社の商品が、どのようなギフトシーンに最適かを明確に示し、提案してみましょう。
    例えば、誕生日プレゼント、結婚祝い、出産祝い、お中元やお歳暮、引越し祝い、手土産など、
    具体的なシーンを想起させるビジュアルや説明を用意することで、
    お客様は「こんな時にこの商品を贈ろう」とイメージしやすくなります。
  • 法人ギフト市場へのアプローチ: BtoB(法人向け)のギフト市場も大きな可能性を秘めています。
    取引先へのご挨拶、社員への福利厚生、イベントの景品など、
    法人向けの贈答品としてのニーズを掘り起こし、
    それに応じた提案(例:大量注文割引、企業ロゴ入りパッケージなど)を検討してみるのも良いでしょう。

4. 多角的な販売チャネル展開戦略

ロイズは、直営店だけでなく、様々な場所で商品を販売することで、
より多くの方々にチョコレートを届けることに成功しています。
特に北海道の観光地にある店舗や空港内のショップでの販売は、大成功を収めました。

北海道を訪れた観光客が、旅行の思い出として、あるいは大切な方へのお土産として、
空港でロイズのチョコレートを購入することは定番となっています。
空港は、まさに ロイズ にとって絶好の販売場所と言えるでしょう。

また、ロイズは百貨店やデパートで開催される催事にも積極的に出展しています。
これにより、北海道以外にお住まいの方々も、期間限定でロイズのチョコレートに触れる機会が増えています。
催事は会期が限られているため、消費者は「今しか手に入らないチャンス」と感じ、購入意欲が自然と高まります。

このように、ロイズは自社の商品をより多くの人に知ってもらい、
手にとってもらうために、単一の販売方法にこだわらず、多様な場所や方法で販売する工夫をこらしているのです。

【中小食品会社が応用するヒント】 御社の商品も、既存の販路に加えて、
新たな販売チャネルを開拓することで、より多くの方々に届けることができます。

  • オフライン販売の可能性を探る: 小さな規模からでも始められる販売方法として、
    地域のイベントやマルシェへの出展、道の駅、アンテナショップ、
    こだわりのセレクトショップなどへの納入を検討してみましょう。
    これらの場所では、生産者と消費者が直接コミュニケーションを取れる機会が多く、
    商品の魅力をより深く伝えることができます。
  • 百貨店・スーパーマーケットへの提案力強化: 大手小売店への販路開拓は簡単ではありませんが、
    貴社の商品が持つ独自の強みや、ターゲット層への訴求力を明確にすることで、
    バイヤーの目に留まる可能性は高まります。
    試食販売会の企画提案や、季節ごとの特集企画への参加など、具体的なアプローチ方法を検討しましょう。
  • 新しい販路の模索: 飲食店のメニューへの採用、ホテルや旅館のアメニティ、
    企業のノベルティなど、食品業界以外のチャネルにも目を向けてみませんか。
    意外な場所で、商品の新たな需要が生まれることもあります。

5. 他ブランドとのコラボレーション戦略

ロイズは、他の企業やブランドとのコラボレーションにも非常に積極的です。
例えば、航空会社と協力して、飛行機の機内でロイズのチョコレートを提供したり、
人気の有名ブランドと共同で限定商品を発売したりしています。

このようなコラボレーションを行うことで、これまでロイズのことを知らなかった方々にも商品が届き、
新しい顧客層を獲得することが可能になります。コラボレーションは、
参加する双方のブランドにとって相乗効果を生み出し、お互いのファン層を共有し、
拡大していくことができる、非常に有効な戦略と言えるでしょう。

【中小食品会社が応用するヒント】 御社の商品も、異業種や他社との連携によって、
新たな市場や顧客層を開拓できる可能性を秘めています。

  • コラボレーションのメリット理解: 新規顧客層の獲得、ブランドイメージの向上、話題性の創出、
    そして共同でプロモーションを行うことによるコスト削減効果など、
    コラボレーションには多くのメリットがあります。
  • 中小企業が取り組めるコラボの形:
    • 地域内の異業種連携: 例えば、地元の有名カフェとの共同開発メニュー、
      地域の酒蔵と組んだコラボ商品、地元の工芸品メーカーと組み合わせたギフトセットなど。
      身近なところからアイデアを探してみましょう。
    • 他食品メーカーとの連携: 互いの強みを活かして、例えば加工品と他社の調味料を組み合わせたセット商品、
      共同で開発した新フレーバーの限定品などを販売することも考えられます。
    • 地域活性化イベントへの参加: 地元の自治体や観光協会が主催するイベントに、
      他の企業と共同で出展することで、地域全体の魅力を高めながら
      自社商品をアピールする機会を得られます。
  • コラボ相手選びの基準: コラボレーションの成功には、相手選びが非常に重要です。
    商品やブランドイメージと親和性があるか、ターゲット顧客層に共通点があるか、
    そして互いにメリットのある Win-Win の関係を築けるかを慎重に検討しましょう。

6. 高品質とリピーター育成戦略

ロイズが、これほどまでに多くの人に支持され、売れ続けている一番の根幹にあるのは、
何と言っても「高品質なチョコレートを作り続けること」への揺るぎないこだわりです。

ロイズのチョコレートは、厳選されたカカオ豆と北海道産の新鮮な乳製品を使い、
熟練した職人の手によって一つひとつ丁寧に作られています。

これにより、一度食べたら忘れられない、深みのある味わいと繊細な口どけを提供し続けています。
特に人気の 生チョコレート は、そのなめらかでとろけるような独特の食感が、多くの人々を魅了しています。

この揺るぎない「美味しさ」こそが、お客様が「またロイズのチョコレートを買おう」と自然に思える、
最も大きな理由であり、リピーターを増やし続けている秘訣なのです。

さらに、ロイズは常に新しいフレーバーや商品を開発する努力を怠りません。
これにより、すでにロイズのファンであるお客様も「次はどんな新商品が出るのかな?」と
楽しみにするようになり、飽きることなく、新鮮な気持ちで何度も購入してくれるサイクルを生み出しています。

【中小食品会社が応用するヒント】 商品が持つ「品質」と「美味しさ」は、何よりも大切な財産です。
これを最大限に活かし、お客様との長く深い関係を築くための戦略を考えてみましょう。

  • 品質へのこだわりを具体的に伝える: 商品がなぜ美味しいのか、その理由を具体的に言語化し、発信していますか。
    単に「美味しい」と伝えるだけでなく、「〇〇産の特別栽培米を使用」
    「〇〇時間かけてじっくり煮込んだ秘伝の出汁」「職人が手作業で一つずつ仕上げる」など、
    品質を支える具体的な工程や素材へのこだわりを伝えることで、お客様は商品に一層の価値を見出すでしょう。
  • 顧客ロイヤルティの構築: 一度購入してくださったお客様を、いかにリピーターにするかが重要です。
    メールマガジンやLINE公式アカウントなどを活用して、新商品情報や限定クーポン、
    季節ごとのレシピ提案などを定期的に発信し、お客様との接点を持ち続けましょう。
    SNSでのコメントへの丁寧な返信や、お客様からのレビューを大切にする姿勢も、
    顧客ロイヤルティを高めます。
  • 継続的な商品開発と改善: 既存の商品ラインナップを大切にしつつも、
    市場のトレンドやお客様からの声に耳を傾け、新しいフレーバーや商品の開発、
    あるいは既存商品の小さな改善を継続的に行うことで、お客様を飽きさせず、
    常に新鮮な驚きを提供することができます。お客様の期待を上回る体験を提供し続けることが、
    揺るぎない信頼関係へと繋がります。

まとめ

ロイズが売れ続ける理由は、単に美味しいチョコレートを作っているだけでなく、
北海道という地域の魅力を最大限に活かしたブランド戦略、インターネットを駆使した販売、
ギフト需要への丁寧な対応、多様な販売チャネルの開拓、他ブランドとの協業、
そして何よりも高品質へのこだわりとリピーターを大切にする姿勢にあります。

これらのロイズの成功から学べる視点は、皆様が販路開拓を進め、
売上を向上させ、そして持続的に成長していくための大きなヒントとなるはずです。

御社が持つ素晴らしい商品の魅力を最大限に引き出し、新たな販路を開拓するためのお手伝いをしています。
ロイズの成功事例から学んだ戦略を、貴社のビジネスに合わせて具体的に落とし込むことで、
必ずや売上向上、そして持続的な成長へと繋がるでしょう。

もし、販路開拓でお悩みでしたら、どうぞお気軽にご相談ください。
課題に真摯に向き合い、最適な解決策を一緒に見つけ出してまいります。


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