営業が分からない小規模菓子製造業へ。地元依存を抜け出し首都圏販路を開拓した支援事例


販路開拓専門家の伊藤です。
支援実績をご紹介します。

地元の売上が減り続ける。従業員5名の菓子工房が感じていた、逃げ場のない焦り

北海道。そこに、従業員わずか5名の小さな菓子工房があります。
素材にはこだわり抜き、手間を惜しまず、5人の職人が肩を並べて仕込みに励む。
そんな、どこにでもあるけれど、どこにも代えがたい大切な場所です。

現実は残酷でした。地元の人口は減り続け、店を開けて待っていても客足は遠のくばかり。
じわじわと削られていく売上。銀行の支店長からは、はやく営業しないとせかされる。
通帳の数字を見るたびに、社長の胸には冷たい塊のような不安が広がっていました。

「このままでは、5人の生活を守れない」

その切実な、悲鳴に近い相談をいただきました。

営業経験ゼロ。展示会に出ても、何も残らない虚しさ

社長は決して、何もしなかったわけではありません。危機感に突き動かされ、札幌や東京で開催される
食の展示会にも出展しました。ブースを飾り、試食を配り、「美味しいですね」という言葉をたくさんもらいました。
名刺も何十枚と交換しました。

けれど、それだけでした。 展示会が終わって地元に戻れば、交換した名刺は机の隅で埃をかぶっていく。
後日メールを送っても返信はなく、たまに電話がきても「もう少し安くなりませんか?」という価格交渉ばかり。

「自分たちには、営業の才能がないんだ」 そんな諦めと、でも諦めきれない執念の間で、社長の心はすり減っていました。
営業とは何をすることなのか。どこから手をつければ、この「待ち」の商売から抜け出せるのか。
その答えが、どうしても見つかりませんでした。

戦略とは「捨てること」。社長の頭の中を解体する

支援を始めて最初に取り組んだのは、新しいお菓子の開発ではありません。社長の頭の中にある「迷い」をすべて吐き出し、
徹底的に解体・再構築することでした。
長年の経験で社長の思考は固まっていました。

「いいものを作っていれば、誰かがいつか見つけてくれる」 その淡い期待を、まずは捨ててもらいました。
そして、実行したのは極めてシビアな「選択」です。

営業とは、売り込むことではありません。
相手を選び、準備し、対等に会いに行くことです。

  • 商品ラインナップを3割削減
    「売れないから増やす」という悪循環を断ち切りました。5人のリソースを分散させず、
    最も強みが出る主力3品に全神経を集中させる決断です。
  • 価格帯の評価基準を一本化
    「地元価格」に引きずられるのをやめ、首都圏のセレクトショップが適正に利益を出せ、
    かつ消費者が納得する「価値相応の価格」へと再定義しました。
  • アプローチ先を厳選した10社に限定
    「下手な鉄砲」はやめました。自分たちの菓子のストーリーを理解できる、
    特定の10社のみを狙い撃ちにする戦略です。
  • 営業資料を「A4 1枚」に圧縮
    厚いパンフレットはバイヤーに読まれません。
    「なぜ今、この店にこの菓子が必要なのか」という根拠と数字を、一目で伝わる1枚の資料に凝縮しました。

「北海道ブランド」という、便利だけれど実体のない言葉に逃げるのもやめました。
私たちが言語化したのは、現場の事実です。 「5人がかりで、この温度で、この時間、ひたすら練り続けるからこそ生まれる、
独特の食感」 「代々守り続けてきた、機械では再現できない絶妙な配合」 大企業には絶対に真似できない、
この泥臭い事実だけを武器にしたのです。

結実した「対等な取引」。そして売上20%増の真実

ターゲットを「首都圏セレクトショップ」一点に絞り、戦略的に動いた結果、ついにその時が来ました。
念願だった有力セレクトショップとの取引が開始。それは「置いてもらう」といった甘いものではなく、
プロ同士の「ビジネス」としてのスタートでした。

「こういう、作り手の顔が見える本物を探していたんだ」

バイヤーからのその一言は、これまで暗闇を歩んできた社長にとって、何よりの救いとなりました。
一件の取引が実績となり、次の信頼を呼び、口コミで評判が広がっていったのです。

結果として、売上は前年比20%増を達成(取引継続中)。

数字が出たことはもちろんですが、何より変わったのは社長の「表情」でした。
「以前は、営業に行くのが怖くて仕方がなかった。何を言われるか、どう断られるか、不安で足がすくんでいたんです。
でも今は、自信を持って会いに行けます。自分たちの価値を分かってくれる相手が、どこにいるか知っているから」

最後に:本気で変える覚悟のある社長へ

従業員5名の、北海道の小さな工房。彼らが成し遂げたことは、決して奇跡ではありません。
自分たちの足元を見つめ直し、強みを絞り込み、正しい相手に、正しい道具を持って会いに行った。
その「当たり前の準備」を、逃げずにやり遂げた結果です。

「いいものを作っている自負はある。でも、売り方が分からない」 「地元の市場だけでは、もう限界を感じている」
「従業員の生活を守るために、何としても新しい販路を切り拓きたい」

もし、あなたが同じような焦りを抱えているのなら。 結論を急ぐ必要はありません。
現状を打破するには、今までのやり方を捨てる勇気が必要です。

本気で変える覚悟のある社長のみ、ご連絡ください。
共に、あなたの大切な場所を守るための、一歩を踏み出しましょう。


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