怒りたくなる気持ちはわかります
「なんで営業がもっと動かないんだ」
「展示会のあと、なぜすぐにバイヤーに連絡しない?」
「せっかくのチャンスを逃しているじゃないか」
社長として、そう感じたことはありませんか。
やるべきことをやらない社員を見ると、イライラするのは当然のことです。
しかし、そこで怒っても営業の動きが加速することはほとんどありません。
むしろ現場の空気が重くなり、社員がますます報告を避け、計画が遅れるという悪循環に陥ることもあります。
なぜ動かないのか?
なぜ優先順位を間違えてしまうのか?
その背景を深掘りすることこそ、社長の役割です。
怒りより「現実把握」が大事
営業が動かないとき、まず確認すべきことがあります。
・営業担当者にどんな障害があるのか
・判断を遅らせている要因は何か
・営業の目的や目標が共有されているか
たとえば、こういったケースは現場でよくあります。
・展示会のフォローアップを営業1人に任せており、優先順位の整理ができていない
・社内で「受注しても製造が間に合わない」という声があり、動きづらくなっている
・営業ツールや資料が整っておらず、提案が後回しになっている
つまり、単に「サボっている」のではなく
システムや組織の問題が営業の足を止めていることが多いのです。
怒りに任せて問い詰めるよりも、まず状況を冷静に把握し、現実を一緒に整理する姿勢が求められます。
計画が遅れたときに社長がすべき3つの対応
営業の動きが鈍くなったとき、社長として取るべきアクションは以下の3つです。
1 行動ではなく「判断」の過程を確認する
いつ、誰に、どんな提案をするか
その判断を誰がどの基準で行っているのかをチェックしてください。
営業が自信を持って提案できない背景には、「判断軸の不透明さ」があります。
社長の頭の中にある判断基準を、明文化して共有すること。
これだけで営業は動きやすくなります。
たとえば
「この商品は年末ギフトとして提案する」
「この販路では価格ではなくストーリーで攻める」
こうした基準が伝わっていなければ、現場は迷い続けます。
2 計画の遅れを「問題視」ではなく「再設計」のきっかけにする
営業計画が遅れているなら、それは単なる失敗ではなく、見直しのチャンスです。
・市場の反応はどうだったか
・バイヤーの動きに変化はあるか
・販促スケジュールと現場の負荷は合っていたか
こうした問いをもとに、営業計画そのものを再構築しましょう。
「やるべきことをやっていない」ではなく
「やるべきことの順番が今の市場と合っていない」
そう考える視点が、戦略的な販路開拓には必要です。
3 結果よりも「仕組み」に焦点を当てる
売上が思うように伸びないとき、個人の頑張りに期待しても限界があります。
むしろ、営業が自然と動ける仕組みをつくることが先決です。
・フォローすべきバイヤーを一覧化し、期日管理する
・新商品の提案資料をテンプレート化して準備する
・営業の動きに対して、週単位で社長がフィードバックを返す
こうした体制があるだけで、現場は迷わず動けるようになります。
「やれ」と言わなくても、「こうやればいい」が見えていれば、営業は前に進みます。
営業の問題は、会社全体の鏡である
営業活動が停滞しているとき、その責任を営業個人に押し付けることは簡単です。
しかし、それでは本質的な改善にはつながりません。
営業の停滞は、組織の歯車がかみ合っていないサインでもあります。
社内の情報共有
商品企画と営業の連携
製造・在庫との整合性
社長のビジョン共有
これらが噛み合っていれば、営業は自発的に動き出します。
営業だけを責めても意味はないのです。
むしろ、「営業が止まっているのは、どこにボトルネックがあるからか?」という視点で
全体を見ることが、社長に求められています。
怒っても販路は開かない
営業が動かないとき、つい感情的になってしまうことはあると思います。
ですが、怒ることで現場が改善されるわけではありません。
社長が怒るほど、営業は報告を減らし、ますます見えない問題が増えます。
この悪循環を断ち切るには、仕組みと視点の転換が必要です。
営業がうまく動かないのは、個人の責任ではなく、組織の構造に原因があるかもしれません。
そしてその構造を見直すのは、社長にしかできない仕事です。
怒りたくなったときこそ、問いかけてみてください。
なぜ動けないのか
なにが足りないのか
どこを整えれば動き出すのか
その問いこそが、次の販路戦略を切り開くカギになります。
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