地方の食品会社にとって、心を込めて魅力的な商品を作り上げることは、もちろん一番大切なことですよね。
でも、せっかく作ったその素晴らしい商品を、どうすればもっとたくさんの人に知ってもらい、
手にとってもらえるだろう、というのは、多くの方が抱える大きなテーマではないでしょうか。
「うちには自信のある商品があるのに、なかなか売上が伸びなくて…」
「一体、どうやって販路を広げていけばいいんだろう、具体的な方法が知りたいな」
もしかしたら、そんなふうにお悩みの社長さんもいらっしゃるかもしれませんね。
実は、地方の食品会社さんが販路を開拓し、売上をしっかり伸ばしていくためには、
いくつか心に留めておきたい大切なポイントがあるんです。特に、小さな成功をコツコツと積み重ねていくこと、
そして、催事というせっかくのチャンスを最大限に活かすことが、着実に良い結果へと繋がる秘訣になります。
この記事では、地方の食品会社さんが販路開拓を進めるための具体的な手順を、身近な「小さな成功」から始めて、
催事の賢い活用方法まで、じっくりとご紹介していきますね。
販路開拓は小さな成功から着実に積み重ねる
「いきなり全国展開を目指すぞ」とか、「大きな商談会にどんどん出て行こう」というのは、
リソースに限りがある地方の食品会社さんにとっては、ちょっとハードルが高いかもしれません。
まずは、ご自身の身近なところから「小さな成功」を積み重ねていくことが、着実な成長への第一歩になりますよ。
ステップ1:ターゲットのお客様と商品の魅力についてもう一度考えてみる
販路開拓を始める前に、まずは「誰に、この商品を届けたいか」というターゲットのお客様と、
「この商品のどこが一番の魅力か」という商品の強みを、もう一度じっくりと見つめ直してみましょう。
例えば、こんなふうに考えてみてくださいね。
- 「健康志向の30代女性に、無添加で安心な調味料を提供したいな」
- 「高齢者の方々に、少量でも栄養がしっかり取れる手軽なレトルト食品を届けたいな」
そして、ご自身の商品が他の商品とどう違うのかも大切です。地元の珍しい食材を使っているとか、
伝統的な製法を守っている、特定のアレルギーに対応している、といった具体的な魅力を探してみてください。
こうして深く掘り下げていくと、販路開拓の方向性が自然と見えてきます。
「誰にでも」という漠然とした考えではなく、特定の層の方々に響くメッセージを打ち出すことで、
きっと効果的なアプローチができるはずです。
ステップ2:身近な方々から率直な意見を聞いてみる
すでに商品を買ってくださっているお客様や、地域のお知り合いの方々に、
商品の感想や「ここを改善したらもっと良くなるかも」といった率直な意見を聞いてみましょう。
「どこが特に気に入ったかな」 「もし変えられるなら、どんな点が気になるかな」
「どんな時にこの商品を使ってみたいと思うかな」
といった、実際に使ってみた方々の生の声は、商品の改善はもちろん、
今後の販路開拓で「この点をアピールしよう」というヒントを見つける上で、とても貴重な情報源になりますよ。
ステップ3:地域に根差して販路を広げていく
まずは、ご自身の会社がある地域で、販売できる場所を増やしていくことから始めてみませんか。
道の駅や地元のスーパーへの陳列交渉を考えてみましょう。地域の方々や観光客の目に留まりやすく、
最初は少量からでも置いてもらえる可能性があります。小さなスペースからでも良いので、
まずは実績を作っていくことを目指してくださいね。
地元で開催されるイベントや朝市への参加も、おすすめの方法です。お客様と直接お話しできる貴重な機会です。
商品の試食や実演を通じて、その魅力をダイレクトに伝えることができますよ。
地元の飲食店への提案も視野に入れてみてください。地域食材を使いたいと考えているお店や、
メニューで他のお店との差別化を図りたいと考えているお店に、ご自身の商品を提案してみましょう。
もしメニューに採用されれば、安定した売上が見込めますし、認知度もぐっと上がるはずです。
これらの活動は、一つ一つは小さな売上かもしれませんが、成功体験を積み重ねることで自信につながり、
次のステップへ進むための大切な原動力になりますよ。
催事チャンスを最大限に活かす具体的な手順
百貨店や商業施設で開催される催事(物産展や食品展など)は、地方の食品会社さんにとって、
新しいお客様に出会ったり、ブランドのイメージを高めたりする、またとないチャンスです。
でも、ただ出展するだけでは、なかなか大きな成果は得られにくいもの。事前の準備から当日の戦略、
そして催事が終わった後のフォローまで、しっかりと計画的に行うことが大切なんです。
ステップ1:催事を選ぶときには、しっかり情報収集する
やみくもにたくさんの催事に出展するよりも、ご自身の商品やターゲットのお客様にぴったりの催事を
選ぶことが大切です。(当たり前のことですが徹底されていません!)
その催事が開催される地域の特性はどんな感じかな、と考えてみましょう。
たとえば、富裕層が多い地域なのか、それともお子さんのいるご家庭が多い地域なのか。
過去にはどんなお客様が来ていたのか、主催者さんや関係者さんに問い合わせて情報を集めてみてくださいね。
他の出展者さんの傾向も確認しておくと良いでしょう。ご自身の商品と競合しそうなものはないか、
あるいは相性が良さそうな商品があるかなども見ておくと、当日のお客様の動きがイメージしやすくなります。
こうした情報を参考に、一番効果が見込めそうな催事を選びましょう。
ステップ2:催事前の準備は、入念に行う
催事を成功させるための鍵は、事前の準備にあります。
商品の選定と数量計画は、慎重に行いましょう。催事の期間やターゲット層を考えて、
一番売れそうな商品を絞り込み、適切な数量を用意してください。
商品が途中で売り切れてしまうのはもったいないので、少し余裕を持った在庫計画を立てると安心です。
魅力的なディスプレイとPOP作りも欠かせません。お客様の目を引き、
「これ、何だろう」と興味を持ってもらい、商品を手に取ってもらうためには、
見た目のアピールがとても重要です。商品の良さが一目で伝わるようなPOPや、
商品の物語が伝わるようなディスプレイを工夫してみてくださいね。
試食や試飲の準備と実施計画は、食品の場合、お客様が購入を決める大きなポイントになります。
衛生管理はしっかりと行い、お客様にスムーズに提供できる体制を整えましょう。
試食を通して商品のこだわりや美味しい食べ方を直接伝えることで、お客様との心の距離もぐっと縮まりますよ。
接客トークの準備も大切です。商品の特徴やこだわり、美味しい食べ方、開発秘話など、
お客様に伝えたいことをあらかじめまとめておきましょう。スタッフの方々とも共有して、
お客様からの質問にスムーズに答えられるように準備しておくことが大切です。
SNSでの事前告知もぜひ活用しましょう。催事の情報を自社のSNSで発信して、
フォロワーの方々に「遊びに来てくださいね」と呼びかけましょう。催事限定の商品や特典を用意すると、
もっとたくさんの方に来てもらえるかもしれませんね。
ステップ3:催事当日の運営と接客術
催事当日は、お客様との出会いを大切にし、最大限に売上を伸ばすための工夫が必要です。
積極的な声かけを心がけてみてください。お客様がブースの前を通り過ぎるだけでなく、
興味を持ってもらえるように、積極的に「いらっしゃいませ」とお声がけをしてみましょう。
でも、無理に押し売りするようなことはせず、お客様の反応を見ながら、丁寧にアプローチすることが大切です。
商品の裏側にある物語を伝えることも有効です。
商品の背景にある物語(例えば、生産者さんの想い、その地域の文化、開発時の苦労話など)を伝えることで、
お客様は商品に共感し、もっと愛着を持ってくださるはずです。
お客様の情報の獲得も検討してみてください。もし可能であれば、メルマガの登録やSNSのフォローなど、
お客様との繋がりを継続できるような工夫をしましょう。名刺交換なども、今後の関係に繋がる大切な機会です。
在庫管理と補充はこまめに行いましょう。常に商品が魅力的に並べられている状態を保ち、
途中で品切れにならないように、適宜補充をしてくださいね。
ステップ4:催事が終わった後のフォローアップ
催事が終わったら、それで終わりではありません。せっかく得られた成果を、
次の販路開拓へと繋げるためのフォローアップがとても重要です。
売上データを分析してみましょう。どの商品がよく売れたのか、時間帯ごとの売上はどうだったかなど、
細かいデータを分析してみましょう。これを今後の商品開発や、次の販売戦略にきっと活かせます。
お客様からのフィードバックの整理も大切です。催事中にいただいたお客様の声をまとめて、
今後の商品の改善やプロモーションに役立ててみてください。
名刺交換した企業やお客様への連絡も忘れずに行いましょう。
催事で名刺をいただいた企業やお客様には、お礼の連絡や、役立つ情報提供を行うことで、
関係性を継続させることができます。これが、新しい取引やリピート購入へと繋がる可能性を秘めています。
SNSでの開催報告とお礼も行いましょう。催事が終わった後も、SNSで来てくださった方へのお礼や、
催事の様子を報告することで、ブランドの認知度を高め、今後の活動への期待感を持たせることができますよ。
まとめ
地方の食品会社さんが販路開拓し、売上をしっかり伸ばしていくためには、
焦らず、小さな成功を一つずつ積み重ねていくことが何よりも大切です。
そして、催事という貴重なチャンスを最大限に活かすことで、一度にたくさんのお客様と繋がり、
ブランド力を高めることが可能になります。
今回ご紹介した手順を参考に、ぜひ貴社の素晴らしい商品をより多くの人に届けてくださいね。
着実な一歩が、きっと大きな成果につながるはずです。
販路開拓に関して、もっと具体的な戦略や、個別の課題についてご相談があれば、いつでもお気軽にお声がけください。
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