売れる社長は名刺交換から違う 成果を生む営業マナーの基本


営業がうまくいく人と、成果が出ない人には、最初の3秒で違いがあります。
それが「名刺交換の姿勢」です。
どんなに良い商品を持っていても、最初の印象で損をしている社長は少なくありません。
名刺交換は単なる挨拶ではなく、「あなたの会社の営業レベルを測られる場」です。

地方の食品会社の社長と打ち合わせをしていても、ここで差が出ます。

もらった名刺をすぐにしまう。
相手の会社名を見ない。
まして、日付を書き込む社長がいます!絶対ダメです。

この瞬間に、相手のバイヤーや担当者は「取引して大丈夫かな」と感じています。

名刺交換は小さな動作ですが、商談の成果を左右するほど重要です。

なぜ、もらった名刺をすぐにしまってはいけないのか

名刺を受け取ったあと、打ち合わせが終わる前に名刺入れにしまう人がいます。
年配の方やベテラン営業に多いのですが、これは完全にマナー違反です。

なぜかというと、相手に「興味がない」「関心が薄い」と受け取られてしまうからです。
名刺は、相手があなたと関係を築きたいというサインでもあります。
その名刺を机の上に置かず、すぐポケットにしまうのは、言葉を使わずに関係を閉じてしまう行為です。

営業とは「相手の心の扉を開くこと」。
その第一歩が名刺交換なのです。

打ち合わせ中の名刺の扱い方

打ち合わせが始まったら、もらった名刺を机の上に置き、相手の名前を見ながら会話をするのが基本です。
たとえば「山田様、この部分は…」と相手の名前を呼びながら話すと、距離が一気に縮まります。

バイヤーとの商談でも同じです。
初対面の相手に対して、名前を覚えようとする姿勢を見せるだけで印象が大きく変わります。
人は「名前を覚えてくれた人」を信頼する傾向があります。

また、名刺を置く位置にも配慮します。
複数人いる場合は、座る位置に合わせて名刺を並べておくと、誰がどの担当かを整理しながら話ができます。
これも「準備ができている人」という印象につながります。

打ち合わせが終わったら、静かに名刺入れへ

商談が終わったら、相手の目の前で静かに名刺入れにしまいます。
このときのポイントは、感謝の言葉を添えることです。

「本日は貴重なお話をありがとうございました。名刺、大切にさせていただきます。」

たった一言で印象が変わります。
名刺を「紙」ではなく「ご縁」として扱う。
その姿勢が、あなたの会社全体の信頼につながります。

名刺交換は“営業の構え”を映す鏡

多くの社長は、「自分は営業ではない」と考えがちです。
けれども実際は、商談や展示会、打ち合わせの場で、社長こそが最大の営業マンです。

そして、社長が名刺交換で見せる所作こそが、社員や取引先の評価基準になります。
「この社長は丁寧だ」「信頼できる」「誠実そうだ」と感じさせる動作は、どんなプレゼンより強いメッセージです。

反対に、雑な対応はあっという間に広まります。
特に食品業界では、バイヤー同士の情報交換が頻繁に行われています。
「対応が雑だった」「挨拶も早かった」という印象は、商品以前に取引チャンスを失う原因になります。

名刺交換で売上を変えた食品会社の事例

ある地方の果物メーカーでは、展示会での名刺交換の姿勢を改善しただけで、
商談成約率が約30%も上がりました。

以前は、担当者が名刺を受け取ってすぐにカバンへ。
話しかけても名前を間違えることがあり、印象を損ねていました。

そこで、展示会前に「名刺交換3ステップ」を社内で共有しました。

  1. 名刺を受け取ったら、机の上に置く
  2. 名前を見ながら会話をする
  3. 最後に感謝の言葉とともに名刺入れへ

これを徹底した結果、バイヤーから「対応が丁寧で印象が良い」と言われるようになり、
新しい販路が2件決まりました。
たった3つの動作が、売上を変えたのです。

名刺交換で意識すべき3つのポイント

  1. 名刺を“読む”姿勢を見せる
     受け取ったらすぐに相手の会社名・役職・名前を確認し、「○○様ですね」と声に出す。
  2. 机の上に並べて整理する
     複数人の商談では、相手の配置と同じ順で名刺を置く。
  3. 最後は感謝を伝えて丁寧にしまう
     会話を締めくくり、「本日はありがとうございました」と目を見て伝える。

この3つを守るだけで、印象が格段に上がります。

名刺交換は販路開拓の第一歩

販路を開くために必要なのは「人との信頼関係」です。
名刺交換は、その信頼の最初のテストです。
相手は名刺を通して、「この会社と組む価値があるか」を無意識に判断しています。

名刺を雑に扱う人は、商品説明も雑になります。
逆に、名刺を丁寧に扱う人は、提案や資料も丁寧です。
つまり、名刺の扱い方は営業姿勢そのもの

営業は「話す力」よりも「感じさせる力」で決まります。
最初の3秒で信頼をつくる人が、売上を伸ばすのです。

まとめ

名刺交換は、単なる形式ではありません。
相手への敬意と、ビジネスに対する姿勢を映し出す行為です。

もらった名刺はすぐにしまわず、会話の中で活用し、最後に感謝を込めて片付ける。
それだけで、あなたの印象は驚くほど良くなります。

営業代行や販路開拓の支援を行ってきた経験から言えるのは、
“営業ができる人”は例外なく名刺の扱いが丁寧だということです。
小さな動作が大きな成果につながります。

「営業力を上げる近道は、マナーに磨きをかけること」
この基本を大切にする会社ほど、長く愛される取引先を増やしています。


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