売上が伸びない理由は、商品ではありません。売り先が変わっていないことが原因です。
商品の改良に時間をかけている。パッケージも変えた。試食会もやった。展示会にも出た。
そこまでやっても売上は変わっていません。
そういう会社の社長に話を聞くと、決まって同じことを言います。「商品には自信がある」と言います。
確かにそうかもしれません。実際、自信がある商品が売れていないなら、問題は商品ではありません。
売れていない理由は、売り先が変わっていないことです。何年も同じ会社にしか売っていない。
そこへの販売数量が少しずつ減っている。新しい取引先が1社も増えていない。それだけのことです。
商品を変えても、売り先が変わらなければ売上は変わりません。ここを見落としている社長は多いです。
売上が落ちている会社で実際に起きていること(売上の低迷)
主力商品は地元の醤油を使った総菜です。創業から15年。地域のスーパー3社と、百貨店の催事に出るのが主な販路でした。
売上のピークは7年前です。
当時は月に300ケース動いていた。今は180ケースになっています。担当者が2回変わってから、発注の頻度が落ちました。
バイヤーに理由を聞くと「売場の見直しがあって」と言われます。はっきりした説明はありません。
社長は「長年の付き合いがあるから」と言って、他の販路を探しません。関係を壊したくないという気持ちはわかります。
実際には、発注は毎年減り続けています。
展示会にも出ました。東京で開かれた食品の商談会です。ブースを出して、2日間で名刺を50枚集めました。
「ぜひ一度詳しく聞かせてください」と言われた会社もありました。
実際に、展示会が終わった後に連絡したのは3社だけです。1社から返事が来ました。サンプルを送りました。
その後、商談の話が進まないまま2ヶ月が過ぎました。フォローの連絡をしないまま、立ち消えになりました。
残りの47社には、一度も連絡していません。
これは特別な話ではありません。同じことが、多くの会社で起きています。
長年同じ取引先に頼っている。発注が少しずつ減っている。新しい売り先が増えていない。展示会に出てもその後が続かない。
この4つが重なって、売上が下がり続けます。
問題は商品ではありません。新しい売り先を探していないことです。
なぜそうなるのか
理由は4つあります。
1つ目は、売り先を変えないまま時間が過ぎることです。
「今の取引先との関係が安定している」と思っている社長がいます。実際には、安定しているのではなく、
変化が見えていないだけのことが多いです。毎年5%ずつ発注が減っていても、1年単位では気づきにくいです。
5年経って初めて「こんなに減ったのか」と気づきます。その頃には、取り返しにくい状況になっています。
2つ目は、既存の取引先に遠慮していることです。
「他の販路を開拓していると知られたら、関係が悪くなるかもしれない」と考える社長がいます。
実際には、買い手はそこを問題にしていないことが多いです。スーパーのバイヤーは、複数のルートで売っている会社を
むしろ評価することもあります。売り先を増やすことは、既存の取引先への裏切りではありません。
3つ目は、営業の優先順位が決まっていないことです。
製造と営業を社長1人が兼ねている会社では、製造のトラブルがあると営業は後回しになります。
新しいパッケージの検討が始まると、新規営業は止まります。「落ち着いたら動く」と言い続けて、1年が過ぎます。
落ち着く日は来ません。製造も営業も、どちらも重要です。優先順位を決めないと、緊急度が高いことだけをやり続けて、
重要なことが後回しになります。
4つ目は、社長が判断を先送りにしていることです。
「もう少しデータが揃ったら提案しよう」「次の展示会が終わってから考えよう」「秋の商戦が一段落したら動こう」という
言葉を、多くの社長が口にします。データが十分に揃うのを待っていると、いつまでも動けません。
展示会は毎年あります。秋が終われば年末になります。判断を先送りにする理由は、いつでも見つかります。
結果として、売り先が変わらないまま、また1年が過ぎます。
売上が伸びる会社と伸びない会社の違い
動かない会社の特徴は、既存の取引先にこだわることです。
発注が減っても「関係があるから」と様子を見ます。新しい動きは「タイミングを見て」と後回しにします。
取引先から提案を求められるのを待ちます。自分から動く回数が少ないです。1年後に振り返っても、
取引先の顔ぶれが変わっていません。
売上が伸びる会社は、取引先を開拓します。
既存の取引先を切るわけではありません。今ある関係は続けながら、新しい取引先を増やします。違いはそこだけです。
具体的には、月に3〜5社に提案の連絡を入れています。断られることも多いです。
10社に連絡して、商談になるのは2〜3社です。そのうち実際に取引が始まるのは1社あるかないかです。
それでも毎月続ければ、1年で取引先の顔ぶれは変わり始めます。
提案の資料はシンプルです。A4サイズ1枚に、商品名・価格・最小ロット・賞味期限・問い合わせ先を書いています。
それだけです。凝った資料を作ることに時間をかけません。
アポイントを取ってから必ず会いに行きます。メールだけで完結させようとしません。直接話すと、相手の反応がわかります。
「この商品、うちの客層に合うかも」という言葉が出たら、次のステップに進めます。
社長が自分で動いています。小さい会社の新規取引では、社長自身が出たほうが話が早いことが多いからです。
具体的にやること
今日からできることを4つ書きます。
まず、残す取引先を決めます。
今の取引先を全部書き出してください。そのリストを見て、今後も取引を続けるべき先に丸をつけます。
丸がつかない先には、時間をかけすぎないと決めます。
全部の取引先に同じ熱量で対応しようとすると、どこにも十分に動けなくなります。
集中する先を決めることが最初のステップです。
次に、新しい提案先を3〜5社決めます。
業態を1つに絞ってください。自然食品店でも、学校給食でも、社員食堂でも構いません。まず1つの業態を選びます。
その業態の中で、具体的な会社名を3〜5社書き出します。「自然食品店に提案する」では動けません。
「○○区にある△△という自然食品店に連絡する」まで決めて、初めて動けます。
次に、今週中に連絡します。
電話でもメールでも構いません。「一度サンプルをお送りしてもよいでしょうか」の一文で十分です。長い説明は要りません。
資料が整っていなくても連絡はできます。先に連絡することです。
最後に、提案をシンプルにします。
A4サイズ1枚に、商品名・価格・最小ロット・賞味期限・連絡先だけ書きます。写真を1枚入れます。それ以上は要りません。
提案資料を完璧にしようとする時間は、新しい取引先に連絡する時間に使ったほうが結果が出ます。
まとめ
売上が変わるかどうかは、商品の出来より、売り先を増やしているかで決まります。
今の取引先からの発注が減っているなら、それは商品の問題ではありません。その取引先の都合や環境の変化です。
自社ではコントロールできません。
コントロールできることは1つです。新しい提案先に連絡することです。
展示会の準備をすることでも、パッケージを変えることでも、資料を整えることでもありません。
新しい取引先候補に、今週連絡することです。
今日、どこに連絡するか決めてください。業態を1つ選んで、会社名を1つ書き出してください。
それだけで今日から動けます。
「来週考えよう」は、また半年後に同じことを考えることになります。
売上が伸びている会社の社長は、今日動いています。
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