今回は、売り上げをアップさせる見積書の作り方について、大切なポイントをお伝えします。
この内容は、私がこれまで多くの食品会社様の販路開拓を支援してきた中で、成功している会社に共通して
見られる考え方であり、実践していただきたいことです。
御社の見積書作成はどのような流れですか?
御社では、普段、見積書をどのように作成されていますか。多くの会社様では、営業担当の方がお客様の要望を聞き、
自社の商品やサービスを当てはめて見積書を作成するケースが多いのではないでしょうか。
お客様から価格交渉があった場合には、社長や上司に相談して対応するといった流れが一般的かもしれません。
もちろん、このやり方自体が悪いわけではありません。
見積書を提示した後の価格交渉に時間と労力を費やしているとしたら、それは改善の余地があるかもしれません。
実は、売り上げを伸ばし続けている会社ほど、価格交渉に時間を割いていないのです。
なぜ「駆け引きなし」の見積書が売り上げを伸ばすのか?
では、どうすればお客様に選ばれる、そして御社の売り上げに直結する見積書を作成できるのでしょうか。
その答えは、駆け引きなしの一度きりの見積書にあります。
これはどういうことかというと、お客様の顔色を伺いながら、あるいは競合他社の見積もりを意識しながら、
最終的な金額を調整していくようなやり方はやめましょう、ということです。
一度提示した見積書で、一切の駆け引きをしない。これが、売り上げを伸ばしている会社が実践している、
シンプルでありながら非常に強力な戦略なのです。
「そんなことをしたら、お客様に選ばれないのではないか」と不安に思われるかもしれませんね。
実はその逆なのです。多くの会社が価格交渉に応じる中で、御社が最初から適正な価格を一度だけ提示することで、
お客様はどのような印象を受けるでしょうか。
お客様からの信頼を勝ち取る見積書とは
売り上げを増やしている営業担当者は、見積書で価格交渉をしません。彼らが最も大切にしているのは、
お客様との信頼関係を築くことです。彼らは、自分だけが得をすれば良いという考えは持っていません。
常に、お客様が抱える課題を深く理解し、その課題を解決するために最も適した商品やサービスを、
適正な価格で提供することに全力を注ぎます。
考えてみてください、何かを購入しようとした時に、提示された価格が最初から明確で、
それ以上の交渉の余地がないと分かっていたら、どう感じるでしょうか。
おそらく、「この会社は正直だ」「信頼できる」と感じるのではないでしょうか。
反対に、最初から高めの価格を提示され、
そこから何度も交渉を繰り返さなければならないとしたら、どうでしょう。「本当にこの価格が適正なのか」
「他にもっと安く買えるのではないか」といった不信感が生まれるかもしれません。
一度きりの見積書を提示することで、お客様は「この会社は誠実だ」「信頼できる」と感じてくださいます。
価格交渉に費やす時間を、お客様のビジネスを理解し、その課題解決に全力を注ぐ時間に充てることで、
お客様からの信頼は格段に高まります。
価格交渉の罠と、そこから抜け出す方法
多くの企業は、価格競争に巻き込まれることを恐れ、提示する価格にバッファを持たせたり、
お客様の反応を見て価格を調整したりします。これは結果として、お客様との間に不信感を生み出す原因になりかねません。
お客様は「もっと安くなるのではないか」と考え、価格交渉が泥沼化することも少なくありません。
この「価格交渉の罠」から抜け出すためには、御社の商品やサービスがお客様にどのような価値を提供できるのかを、
自信を持って伝えることが重要です。価格は、その価値に対する対価であることを明確に提示するのです。
例えば、御社の商品が単に高品質であるだけでなく、お客様の生産効率を向上させる、
あるいは新たな販路を開拓する手助けとなる、といった具体的なメリットがあれば、
それを見積書やそれに付随する提案書の中でしっかりと伝えるべきです。お客様は、単に安いものを求めているのではなく、
自社の課題を解決し、より大きな利益をもたらしてくれるものを求めているのです。
長期的な関係構築こそが真の売り上げアップの秘訣
お客様との関係構築を優先し、常に正直な価格を提示する。この姿勢を貫くことで、単発の取引で終わることなく、
長期的なお付き合いが生まれます。その信頼関係こそが、安定した売り上げ、
ひいては御社の持続的な成長に不可欠なのです。
これまで支援してきた食品会社の社長様の中には、この「駆け引きなし」の見積書を導入し、
最初は不安を感じながらも、結果としてお客様との関係が深まり、リピート率が向上し、
新規顧客からの紹介も増えたという方がたくさんいらっしゃいます。
価格競争から一線を画し、価値競争へと軸足を移すことで、より強固なビジネス基盤を築くことに成功しています。
今日から実践できること
では、具体的に今日から何ができるでしょうか。
適正な価格設定の見直し: まず、御社の商品やサービスが提供する価値を再評価し、
それにふさわしい適正な価格を設定しましょう。その価格が、お客様にとって十分に魅力的であり、
御社にとっても利益を生み出すものであるかを冷静に見極めてください。
価値を伝える提案書の作成: 見積書は単なる価格の羅列ではありません。それにセットの提案書で、
御社の商品やサービスがお客様のどのような課題を解決し、どのようなメリットをもたらすのかを具体的に、
分かりやすく伝えましょう。数字や事例を交えると、より説得力が増します。
社内での意識統一: 営業担当者だけでなく、見積書作成に関わる全ての社員が、「駆け引きなし」の原則を理解し、
実践できるよう、社内で意識を統一することが重要です。この方針を全社で共有することで、
お客様へのメッセージが一貫したものとなり、信頼性が高まります。
お客様への説明: 初めて「駆け引きなし」の見積書を提示する際には、お客様に対して、
なぜこのような形をとっているのかを丁寧に説明することも有効です。
例えば、「私たちは、お客様との長期的な信頼関係を何よりも大切にしております。
そのため、最初から最適な価格をご提示し、価格交渉ではなく、お客様のビジネスの発展に貢献することに
注力したいと考えております」といったメッセージを伝えることで、お客様も納得しやすくなります。
ぜひ、御社の見積書作成において、この「駆け引きなし」という考え方を取り入れてみてください。
お客様との絆を深め、さらなる売り上げアップを実現するための一歩となるでしょう。
この内容について、さらに深く掘り下げてみたい点はございますか?
例えば、具体的な提案書の構成や、お客様への説明の仕方など、何かご不明な点があれば、お気軽にご質問ください。
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