展示会説明員が注意すべき来場者と成果を上げるための対応法

1.展示会の意義を再確認する

展示会は、食品会社にとって新しい販路開拓や顧客獲得の大きなチャンスです。
普段なかなか会えないバイヤーや関係者に直接アプローチできる場であり、
短期間に多くの見込み客と接点を持つことができます。特に中小企業の社長にとって、
展示会は「名刺交換」「商品サンプル配布」「商談のきっかけ作り」を一度に行える貴重な機会です。

展示会はチャンスである一方、貴重な時間を奪う「困った来場者」も少なくありません。
そうした相手に振り回されると、本来の成果を得られなくなってしまいます。
今回は「展示会説明員が注意すべき来場者」と「実際にどう対応すべきか」を詳しく解説します。

2. 展示会に現れる“キラー来場者”とは?

展示会では多くの真剣なバイヤーや取引希望者が来場しますが、その一方で「時間を奪うだけの来場者」も存在します。
代表的なのは、年配の自称コンサルです。

  • 明確な目的を持たず、各ブースを漫然と徘徊する
  • 女性スタッフや若手説明員をターゲットに長話をする
  • 自分の経験談や持論を延々と語り続ける
  • こちらの説明を聞かず、一方的にしゃべり続ける

こうした人物は、一見「熱心な来場者」に見えるかもしれませんが、実際には商談につながる可能性は極めて低いのです。

3. なぜ相手にしてはいけないのか?

展示会はビジネスの場であり、ボランティア活動ではありません。見込みのない来場者に時間を取られることは、
本来接客すべき顧客を逃すことにつながります。

例えば、

  • 重要なバイヤーが近くに来ていたのに、説明員が捕まっていて声をかけられなかった
  • 長話に付き合わされて、後で本命の取引先を探したときにはもう帰ってしまっていた

このような機会損失は致命的です。展示会は数日しかなく、その時間は有限です。
成果を出すためには「誰に時間を使うべきか」を見極める判断力が欠かせません。

4. どう対応するか?具体的な撃退法

困った来場者を完全に避けることはできません。重要なのは、いかに短時間で退散してもらうかです。

一つの方法は、
「営業担当の方から詳しくご説明させます」
と伝えることです。

これを言うと多くの“キラー来場者”は退散します。なぜなら、彼らの目的は「自分が話すこと」であり、
真剣な商談ではないからです。

また、以下のような工夫も有効です。

  • 名刺交換だけして「後日メールでご案内します」と切り上げる
  • 資料を渡して「ご覧いただければ分かります」と会話を短くする
  • 他の来場者に「少しお待ちください」と声をかけ、自然に会話を終了する

大切なのは「失礼にならずに、早めに切り上げる」ことです。

5. 本当に対応すべき来場者を見極める

逆に、時間をかけて対応すべきなのは「見込みのある来場者」です。
では、どのように見極めればよいのでしょうか?

チェックポイントは次の通りです。

  • 来場目的を明確に話してくれる(例:「スーパーで新しい惣菜コーナーを作りたい」)
  • 具体的な質問がある(例:「この商品の原材料はどこから仕入れていますか?」)
  • サンプルを求める、名刺を渡すなど積極的に関わろうとする
  • 予算や導入時期に触れる(例:「秋冬商戦に合わせたい」)

こうした来場者にはしっかり時間を取り、後日の商談に必ずつなげましょう。

6. 展示会説明員に求められるスキル

展示会では、説明員のスキルや対応力が結果を大きく左右します。具体的には次の3点が重要です。

(1) 来場者を瞬時に見極める力

名刺交換や会話の最初の1分で「見込みがあるかどうか」を判断することが求められます。

(2) わかりやすい商品説明力

短時間で商品の強みや差別化ポイントを伝える力。専門用語を避け、誰でも理解できる言葉を使うことが大切です。

(3) 会話をコントロールする力

必要以上に長話をさせない。話をまとめ、次のステップ(商談予約や試食依頼など)につなげる。

7. 展示会で成果を出すための工夫

成果を最大化するためには、展示会の場だけでなく、準備とフォローも欠かせません。

  • 事前準備:ターゲット顧客を絞り込み、資料やサンプルを準備する
  • 当日運営:説明員の役割を分担し、誰が来場者を仕分けるか明確にする
  • アフターフォロー:展示会終了後48時間以内に必ずメールや電話で連絡する

展示会は「参加して終わり」ではなく「フォローで結果が決まる」イベントです。

8. 社長が心得るべき展示会のポイント

食品会社の社長自身が展示会に立つことも多いでしょう。その際に意識すべきことは次の通りです。

  • 社長は「商品の顔」として本命顧客の対応に集中する
  • 雑談や無駄な相手にはスタッフが対応できる体制を作る
  • 展示会は「販路拡大のための投資」であると割り切る

展示会は一日立っているだけでも体力を消耗します。だからこそ「誰に会うか」「どこに力を使うか」を
明確にすることが成果につながります。

9. 展示会活用の成功事例

  • 地方の水産加工メーカーは、展示会で冷凍惣菜をPR。的確にターゲットを絞り、首都圏スーパーと契約を獲得。
  • 小規模な菓子メーカーは、長話するだけの来場者をスタッフがうまく回避。
    社長が重点バイヤーとじっくり話せたことで新規取引に成功。
  • 調味料メーカーは、展示会後すぐにフォローを実施。来場者リストを整理して優先順位をつけたことで、
    半年以内に売上20%アップ。

10. まとめ

展示会は食品会社にとって大きな販路開拓のチャンスですが、貴重な時間を奪う「キラー来場者」も存在します。

  • 自称コンサルや目的のない長話来場者は、早めに切り上げる
  • 見込みのある来場者にはしっかり対応する
  • 説明員は「見極め・説明・会話コントロール」の3スキルが必要
  • 成果は当日の対応だけでなく、事前準備とアフターフォローで決まる

社長や説明員がこうした意識を持つことで、展示会は単なるイベントではなく「売上を伸ばす起爆剤」になります。


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