「営業はお客さんに合わせなければいけない」という声をよく耳にします。
もちろん、営業において相手に寄り添う姿勢はとても大切です。
ただし、すべてに迎合することが正しいとは限りません。
お客さんは「できるだけ安く」「できるだけ手間を省きたい」と考えています。
一方で、会社は「しっかり利益を出したい」「ブランド価値を守りたい」という目的があります。
両者の考えが完全に一致することはありません。だからこそ、営業は「わがまま」なくらいでちょうどいいのです。
営業の現場はストレスが多い
営業の現場は、想像以上にストレスの多い仕事です。
食品会社の営業担当も、毎日ノルマに追われ、テレアポや飛び込み訪問を繰り返し、
時にはクレーム対応に追われます。
特に中小企業では「営業=社長自身」というケースも少なくありません。
社長が直接バイヤーと商談に臨み、価格交渉や取引条件の話をすることも多いでしょう。
そんな状況で「すべてお客さんの言うとおりにする」営業スタイルを続けていたらどうなるでしょうか。
価格を下げ続ければ利益は出ません。
納期や条件をすべて相手の都合に合わせれば、現場が疲弊し、品質管理も崩れてしまいます。
結果として、会社も社員も疲れ果て、結局は誰のためにもならないのです。
営業は「自分の考えを持つ」から成果が出る
営業で成果を出すためには、自分の意見や方針をしっかり持つことが欠かせません。
ときには「その条件ではできません」とはっきり伝えることも必要です。
たとえば、バイヤーから「もっと安くならないか」と言われたとします。
そのときにただ「はい、わかりました」と答えるのではなく、
- 原材料のこだわり
- 他社にはない製造方法
- 小ロット対応などの柔軟性
といった強みを示し、「だからこの価格なのです」と説明することが大切です。
つまり、営業は「押し付け」ではなく「自分の価値を伝える場」なのです。
わがまま営業がもたらす3つの効果
- 価格を守れる
自社の強みやこだわりを主張することで、値下げ競争に巻き込まれにくくなります。 - ブランドを守れる
お客さんの要望に合わせすぎると、商品が「誰でも作れるもの」になってしまいます。
自分の意見を持つことは、ブランドの独自性を守ることにつながります。 - 営業担当のメンタルが守られる
すべて相手のペースで動けば、営業担当は心身ともに疲弊します。
適度に「わがまま」を貫くことは、自分自身を守ることでもあるのです。
実例:強気の姿勢が成果につながった食品会社
ある地方の水産加工会社は、長年「言われた条件をすべてのむ」営業をしていました。
その結果、値下げ要請が続き、利益率は下がる一方でした。
そこで社長は方針を転換。
「当社は鮮度と加工技術で差別化している。だからこの価格を維持する」と明確に伝えるようにしました。
最初は取引先が減るリスクもありましたが、結果として「品質を守る姿勢」を評価するバイヤーが増え、
むしろ新しい販路が開けました。
「迎合する営業」から「主張する営業」へ変えたことで、会社のブランドが強くなったのです。
社長自身が「わがまま」でなければならない理由
食品会社では、営業担当=社長というケースが多いのが現実です。
だからこそ、社長自身が「わがまま」なスタンスを持つことが重要です。
社長が「お客さんのために」と言って条件を下げすぎれば、社員も同じことを繰り返します。
結果として、会社全体が疲弊してしまうのです。
逆に、社長が「当社の強みはここにある。だからこの条件でお願いしたい」と言える会社は強い。
社員も自信を持って営業でき、会社全体に前向きな空気が流れます。
まとめ:営業は「わがまま」なくらいでちょうどいい
営業という仕事は、お客さんに合わせすぎれば利益を失い、自分自身も押しつぶされてしまいます。
本当に大切なのは、自分の意見を持ち、会社の強みを伝え、時には「できないことはできない」と
はっきり言える姿勢です。
食品会社の社長にとって、営業は会社の未来を左右する最前線。
「わがまま」なくらいが、結果的に会社を守り、長期的な信頼につながるのです。
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