会社の成長を願うとき
「社長はもっと大きな視野で物事を
見るべきだ」
「細かいことに口を出すな」
そんな言葉を耳にすることが
あるかもしれません。
本当にそうでしょうか?
わたしは逆だと思います。
会社の隅々まで目を配り
ときに厳しい言葉をかけながらも
細部までこだわっている社長こそ
会社の未来を創る
真のリーダーだと考えています。
なぜなら細部へのこだわりこそ
会社の強みになるからです。
たとえば、ある食品会社で
わたしがお手伝いさせていただいた
事例を紹介しますね。
その会社は
地域に根ざした老舗の和菓子店でした。
二代目の社長は
「昔ながらの製法を守りつつも
新しい風を取り入れたい」
という情熱を持っていました。
社員からは
「社長は細かいことにうるさい」
と影で言われることもあったようです。
社長は和菓子の包装紙の色や
紐の結び方ひとつにもこだわり
納得がいかないと何度も
やり直しを命じました。
また、新商品の開発では
わずかな風味の違いにも気づき
「これではうちの味じゃない」
と厳しく指摘しました。
あるとき、ベテランの職人さんが
「社長、そこまでしなくても
お客さんは気づきませんよ」
と言ったそうです。
その言葉に社長は
「お客さまは気づかなくても
この和菓子を作るわたしたちが
それでいいと思ってはいけないんだ」
と静かに答えました。
その言葉にわたしは深く
感銘を受けました。
社長のこだわりは
単なる「口出し」ではありません。
それは会社の「顔」であり
お客さまとの「約束」を守る
ためのものでした。
結果として、その会社の商品は
「丁寧な仕事をしている」
と評判になり
贈答品としての需要が
どんどん増えていきました。
なぜ細部にこだわるべきなのか?
社長の細かさは
一見すると非効率に見えたり
社員のモチベーションを下げてしまう
ように思えるかもしれません。
でも、実はその逆で
会社を成長させるうえで
欠かせない要素なのです。
ここからは
その理由を深掘りしていきましょう。
理由1. 会社の信頼を築く「品質」の土台
食品会社にとって最も大切なのは
「品質」です。
原材料の選定から製造工程
商品の陳列方法まで
すべてが品質を左右します。
ほんのわずかな異物混入や
賞味期限の管理ミスが
会社の信頼を大きく傷つけます。
社長が細部まで目を配ることで
社員一人ひとりが
品質に対する意識を高く持てるようになります。
たとえば
ある大手食品メーカーでは
社長自らが定期的に
製造ラインを視察し
現場の社員と直接
対話する機会を設けています。
社長は社員に
「なぜこの作業をするのか」
「この工程の注意点はどこか」
を問いかけ
品質に対する意識を
全員で共有しています。
その結果、社員の
「自分たちの手で
安全でおいしいものを作っている」
という誇りが育まれ
製品の品質はさらに向上しました。
理由2. 組織の「文化」をつくる
社長の行動や考え方は
会社の文化そのものになります。
社長が「これでいいや」と
妥協してしまうと
社員も同じように
妥協するようになってしまいます。
逆に、社長がどんな小さなことにも
真摯に向き合う姿勢を見せれば
それは社員に伝わり
会社全体に「プロ意識」が根づきます。
先ほどの和菓子店の社長は
包装紙の紐の結び方ひとつにも
こだわり抜きました。
それは単に見た目の問題ではなく
「お客さまに最高のものを届けたい」
という思いを形にしたものです。
その思いが社員に浸透し
「自分たちは、細部にまで
心を込めて商品を作っているんだ」
という誇りとなって
会社全体の文化になりました。
理由3. 新しい価値を生み出す「創造性」
細部へのこだわりは
現状維持に留まるのではなく
新しい価値を生み出す
原動力にもなります。
たとえば
商品のパッケージを少し変える
だけでも、お客さまの手に取って
もらえるきっかけになります。
社長の「ここはもう少し
こうしたほうがいい」という一言が
思いがけないアイデアを
引き出すこともあるでしょう。
細部にまで目を配ることで
社員は「この商品はもっと
良くなるはずだ」という
視点を持つようになり
創造性を発揮しやすくなります。
「口出し」は「愛情」であり「責任」
社長の皆さんは
「口出し」しているつもりは
ないかもしれません。
それは「これは会社の命だ」
「お客さまに喜んでいただきたい」
という強い思いからくる
行動だと思います。
その思いを社員に伝えるためにも
遠慮はしないでください。
「社長、これはこうしたほうがいいと
思いますが、どうでしょうか?」
と社員が自ら意見を言えるような
風通しの良い環境を作ることも
大切です。
そのためには、頭ごなしに
否定するのではなく
「なぜそうするのか」を
丁寧に説明し
社員が納得できるように
対話する姿勢が求められます。
あなたの細かさは
決して悪いことではありません。
むしろ、それは
会社を成功へと導く
最も重要な要素のひとつです。
あなたのこだわりは
会社の信頼となり
社員の誇りとなり
お客さまの笑顔になります。
自信を持って、会社の隅々まで
愛情を注いでください。
今日も、あなたの会社が
素晴らしい商品で
多くのお客さまを笑顔にできるよう
心から応援しています。
最後までお読みいただき
ありがとうございました。
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