「うちの会社は競合とは違うから」「他社は意識していない」
もしこう考えているなら、少し立ち止まって考えてみてください。特に中小の食品会社にとって、
競合他社の状況を把握することは、売上アップと販路開拓に欠かせません。
体力のある大手企業と比べて、中小企業が競争に巻き込まれてしまうと、あっという間に厳しい状況に陥る可能性があります。
だからこそ、競合と徹底的に差別化し、生き残るための戦略を立てる必要があるんです。
私はこれまで多くの食品会社社長と販路開拓について話してきましたが、競合状況をはっきりと説明できる社長と
全く調べていない社長に分かれます。そして、調べていない社長からは、いつも決まって同じような言葉が返ってきます。
「他社は意識していない」 「他社のことは気にしない」 「他社とは全然違う」
「うちの商品は平凡だから」
実はこれ、競合を調べるのが怖いという心理の裏返しであることがほとんどです。
他社の成功や強みを知ることで、自社の弱点が浮き彫りになり、それを見たくないという気持ちがあるのかもしれません。
しかし、そこで目を背けてしまうと、大切な売上アップのチャンスを逃してしまいます。
競合の状況を把握し、自社の立ち位置を明確にすることは、売上を伸ばし、販路を広げるための最初のステップです。
なぜ食品会社の社長が競合調査をすべきなのか?
中小の食品会社が競合調査をしないと、以下のようなリスクに直面します。
- 市場の変化に対応できない: 競合が新しい商品を出したり、新しい販路を開拓したりしても
その情報に気づかず乗り遅れてしまいます。 - 価格競争に巻き込まれる: 自社の強みが明確でないと、価格でしか勝負できなくなり
体力のない中小企業はすぐに苦しくなります。 - 顧客のニーズを見失う: 競合がどんな顧客層に、どんな商品を提供しているかを知らなければ
自社の顧客が本当に求めているものが何なのかを見誤る可能性があります。 - 独自の強みを活かせない: 自社の強みだと思っていても、実は競合も同じような強みを持っていた
ということもあります。競合を知ることで、真に際立った強みを見つけられます。
競合調査で「これだけは調べてほしい」3つのポイント
競合調査といっても、何も難しいことではありません。まずはこの3つのポイントを調べてみましょう。
- 競合の「商品」と「価格」:
- どんな商品を出しているか? (味、容量、パッケージ、ターゲット層など)
- 価格帯はどうか? (スーパー、コンビニ、百貨店、オンラインなど販路ごとの価格)
- ポイント: 自社商品と比較して、何が同じで何が違うのか。価格は高いのか安いのか
その理由は何だと考えられるかをメモしてみましょう。
- 競合の「販路」と「顧客層」:
- どこで商品を売っているか? (スーパー、業務用、オンラインストア、飲食店など)
- どんな顧客に売っているか? (高級志向、健康志向、ファミリー層など)
- ポイント: 自社が狙っていない販路で成功している競合はいないか?
自社がターゲットとしている顧客層に、競合はどのようにアプローチしているかを見てみましょう。
- 競合の「プロモーション(宣伝方法)」:
- どんな広告を出しているか? (テレビCM、SNS広告、雑誌、店頭POPなど)
- ウェブサイトやSNSはどうか? (更新頻度、発信内容、フォロワー数など)
- ポイント: 競合はどのようなメッセージで、誰に、どこでアピールしているか?
自社でも真似できそうなことや、逆に差別化できるヒントがないかを探ります。
これらの情報は、競合のウェブサイト、SNS、店頭での観察、業界誌、
あるいは実際に商品を購入してみるだけでも多く得られます。→絶対、社長自身が食べてください!
プライドや思い込みは捨てて、具体的な戦略へ
「他社には興味がない」と言っているだけでは、売上は伸びません。社長のプライドや思い込みが、
会社の成長を止めている可能性があります。
競合他社の状況をしっかり調べ、自社が競合と比較して「どこが強くて、どこが弱いのか」を明確にすることから
本当に「売れる戦略」づくりが始まります。
例えば、
- 競合よりも少し価格は高いけれど、原材料の質は断然良い! → 「こだわりの原材料」を前面に出したプロモーションへ
- 競合はスーパー中心だけど、うちは飲食店向けの業務用に特化している! → 「特定の販路での専門性」をアピールへ
- 競合は若い層に人気だけど、うちは健康志向の中高年層に合わせた商品がある! → 「ターゲット層に合わせた健康価値」を強調へ
このように、競合を分析することで、自社の本当の差別化ポイントが見えてきます。
それが、御社の売上を伸ばし、新しい販路を開拓するための具体的な一歩となるはずです。
売上アップや販路開拓でお悩みでしたら、私、伊藤がいつでもご相談に乗ります。
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