弱い立場でも勝てるビジネス戦略
「自社の強み」とは何でしょうか。多くの食品会社の社長は、この問いにすぐに答えられないかもしれません。
現在の市場で生き残るためには、自社の「得意分野」や「好きなこと」を見つけ出し、
それを武器に戦うことが不可欠です。
特に、中小規模の食品会社は、大手企業と比べて資金力やブランド力で劣る場合があります。
そのような状況で、大手と同じ土俵で戦うことは得策ではありません。弱者が勝つためには、
競争を避けることが重要です。
「自分の土俵」を見つける
自分の土俵とは、競合がいない、あるいは極めて少ない場所のことです。
それは、特定の技術、独自の製法、あるいは特定の地域に根ざした活動かもしれません。
たとえば、以下のポイントから考えてみましょう。
- 得意なこと・好きなこと: 過去の成功体験、社員が情熱を注いでいること、他社には真似できない独自のノウハウなど、
自社が長年培ってきた強み。 - 特定のターゲット: 特定の年齢層、健康志向の顧客、アレルギーを持つ人々など、特定のニッチ市場に特化すること。
- 地域密着: 地元の食材を使い、地域限定の商品を開発したり、地域のイベントに積極的に参加したりすることで、
独自のブランドを築く。
たとえば、ある食品会社は、地元で採れる希少な野菜を使い、伝統的な製法で漬物を作ることに特化しました。
大手企業が大量生産できないような、手間暇かけた商品を提供することで、
高価格帯でありながら熱心なファンを獲得しています。彼らは、価格競争の土俵ではなく、
「伝統と品質」という独自の土俵で勝負しているのです。
自分の土俵で勝負することのメリット
自分の土俵でビジネスを展開することには、数多くのメリットがあります。
- 競争が激しくない: 大手企業や競合が参入しにくいニッチ市場では、価格競争に巻き込まれることが少なくなります。
- 専門家として認知される: 特定の分野に特化することで、「〇〇ならこの会社」というように、
顧客や業界内で専門家として認識されます。 - 顧客との深い関係: 特定のターゲットに深く寄り添うことで、単なる取引先ではなく、
ファンとして長期的な関係を築くことができます。 - 利益率の向上: 価格競争から脱却できるため、適正な価格設定が可能になり、利益率が向上します。
松下幸之助は「道は自分でつくるものだ」と語りました。これは、既存の道(市場)で戦うのではなく、
自分だけの道(独自の土俵)を切り開くことの重要性を示唆しています。
中村天風も「積極的な心構え」の重要性を説きましたが、これは、自社の強みを信じ、
自信を持って独自の道を突き進む心構えに通じます。
独自性を生み出す具体的な方法
自分の土俵を見つけたら、それを磨き上げるための具体的なアクションが必要です。
- 顧客の声に耳を傾ける: 顧客が何を求めているのか、何に不満を持っているのかを徹底的にヒアリングします。
そこから、新たなニーズや自社の強みを活かせるヒントが見つかるかもしれません。 - 他社にはない「こだわり」を明確にする: なぜその商品を作っているのか、
どのような思いが込められているのかを言語化し、発信します。ストーリーは顧客の心を動かす強力なツールです。 - 技術や製法を徹底的に追求する: 他社が真似できない独自の技術や製法を確立します。
特許を取得することも一つの手です。 - 専門家との連携: 特定の分野に詳しい専門家(栄養士、料理研究家など)と協力し、
商品開発や情報発信を行うことで、信頼性を高めます。
成功への道は「捨てる勇気」から
自分の土俵で勝負するためには、「あれもこれも」と手を広げず、時には捨てる勇気も必要です。
多くの食品会社が、流行に乗ろうと新商品を乱発したり、低価格競争に陥ったりして、
結果的に自社の強みを見失いがちです。
御社が本当に得意なことは何でしょうか。情熱を持って取り組めることは何でしょうか。
その答えを見つけ出し、そこに経営資源を集中させることで、成功への道は開かれます。
「自分の土俵で勝負する」という戦略は、ただの精神論ではありません。
これは、厳しい市場で生き抜くための、最も現実的で効果的なビジネス戦略です。
自社の強み、情熱、そして独自のこだわりを武器に、御社だけの道を切り拓いていきましょう。
食品会社が競争に勝ち抜くためには、大手と同じ土俵で戦うのではなく、「自分の土俵」で勝負することが重要です。
自分の土俵とは、得意なこと、好きなこと、特定のターゲット、地域密着など、他社にはない独自の強みです。
この強みを徹底的に磨き上げ、そこに経営資源を集中させることで、価格競争から抜け出し、高い利益率を確保できます。
顧客の声に耳を傾け、こだわりを言語化し、独自の技術を追求することで、御社は業界の専門家として認知され、
ファンを増やすことができるでしょう。
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