取引先のバイヤーと良い関係を築くことはビジネスの基本であり、売上アップに直結する大切な要素です。その関係が「一点集中型」になってしまうと、大きなリスクを抱えることになります。
一点集中型のリスクとは
食品業界に限らずどの中小企業にも、人事異動は必ず存在します。たとえ、あなたが懇意にしているバイヤーの方でも、いつ異動になるかわかりません。今までスムーズに取引できていたのが、担当者が変わった途端、状況が一変する。残念ながら、こうしたケースは珍しくないのです。
新しいバイヤーと相性が合わず、関係を再構築するのが難しくなったり、最悪の場合、発注が減ったり取引自体がなくなってしまう可能性もゼロではないのです。これは、御社がこれまで築き上げてきた努力が水の泡になってしまう非常にもったいない事態です。
安定した取引には「パイプ」が重要
安定した取引を続けるためには、メインのバイヤーだけでなく、複数の担当者や部署と顔見知りになっておくことが非常に重要です。バイヤーが変わっても「ああ、あの会社ね」とすぐに思い出してもらえる心理的な下地を作っておく。これが、スムーズな引き継ぎと関係継続の鍵となります。
取引が順調なときこそ、この「パイプづくり」に意識を向けてください。例えば、メインの担当者以外の方にも会釈をしたり、少し言葉を交わす。部署全体の雰囲気や仕事内容に関心を持って情報収集する。季節のご挨拶や差し入れ(コンプライアンスに反しないように)をさりげなく行う。こうした小さな積み重ねが、やがて強固なネットワークへと成長していくのです。くれぐれもメインのバイヤーを飛び越えて、提案など行うことは厳禁ですよ。
人の感情がビジネスを動かす
商品力や価格、品質といったQCD(Quality, Cost, Delivery)だけで取引先は発注先を決めているわけではありません。その背景には、必ず人の「感情」が影響しています。「この会社となら、安心して取引できる」「この人なら、何かあったときに力になってくれそうだ」そういった信頼や安心感がビジネスを円滑に進める推進力になるのです。
ですから、バイヤーとの関係構築は「点」ではなく、複数のパイプを持つことで「線」としてとらえ、会社全体との関係性を深めていくことが大切です。御社の安定した経営のために、ぜひこの視点を日々の営業活動に取り入れてみてください。
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