訪問回数が信頼をつくる 食品会社の販路を広げる社長の営業戦略


食品会社の営業を支援していて、よく聞く質問があります。
「うちの営業が訪問しても成果が出ない」「回数を増やす意味があるのか」という悩みです。

たしかに、ただ回るだけの営業は効果がありません。
名刺を配るだけ、挨拶だけで終わる訪問なら、先方も時間を取られた印象しか残らないでしょう。

けれども、目的を持った訪問は、確実に販路拡大につながります。
訪問回数そのものが、取引先との信頼を積み上げる「信用残高」になるからです。

営業は人と人の関係です。
どれほど良い商品でも、顔を出さなければ相手の記憶に残りません。
食品業界では、最終的に「誰から買うか」で決まることが多いのです。

目的のない訪問が意味を失うのは、営業が準備をしていないからです。
商談のたびに新しい情報を届ける意識を持てば、訪問は相手にとって価値になります。

食品会社が訪問に持っていくべき情報とは

訪問時に必要なのは「ネタ」です。
・業界のトレンドや原材料の相場情報
・展示会で見た他社商品の特徴
・自社の新商品の改善点やサンプル提案
・バイヤーから聞いた売れ筋の傾向

こうした情報を一つでも持っていけば、訪問の目的が生まれます。
「今日、行く理由」がはっきりしている営業は、相手に歓迎されます。

たとえば、調味料メーカーなら「首都圏のスーパーでは辛口のタレが伸びています」と伝えるだけでも、
相手の興味を引けます。
水産加工業なら「冷凍技術の新しい展示がありました」と話すだけで、次の提案につながります。

情報提供のついでにサンプルを置く。
次回の訪問で感想を聞く。
この繰り返しが信頼を育てます。

訪問の意味を「売り込み」から「関係づくり」へ

食品の営業では、1回の訪問で契約が決まることはほとんどありません。
商談相手のバイヤーは忙しく、すぐに新商品を導入することは難しいものです。

訪問を重ねながら、「この会社は丁寧だな」「毎回きちんと情報をくれる」と思ってもらうことが大切です。
信頼は、営業回数に比例します。

訪問回数を増やすということは、「売り込むチャンスを増やす」よりも「相手と話す時間を増やす」ことです。
この時間が関係性を強くします。

訪問を重ねるうちに、相手の要望やタイミングが見えてきます。
たとえば、展示会が近い時期なら「そのとき使える試食素材を提案しましょう」と言えるようになります。
会話の中から新しい販路のヒントが生まれます。

訪問頻度の目安はどれくらいか

食品会社の場合、取引先との関係性によって最適な頻度が異なります。
新規のバイヤーには最初の1か月で2回。
既存取引先なら、月1回のペースを基本にしましょう。

季節ごとの提案や、年末年始の挨拶も含めれば、年間で10〜12回の接触が理想的です。
営業訪問を数字で見ると、計画が立てやすくなります。

訪問履歴を記録し、次回に活かす

訪問回数を増やすなら、「記録」と「振り返り」が欠かせません。
訪問日、話した内容、相手の反応、次の提案日。
これを簡単なメモで残しておくだけで、営業の精度が大きく変わります。

たとえば「7月に新商品の話をした」「9月にサンプルを提出した」と記録しておけば、次の行動が明確になります。
記録は営業の財産です。
一見地味な作業ですが、これを積み重ねている会社が成果を出しています。

訪問の量と質を両立させる社長の姿勢

社長が現場に出る会社は、社員の動きも良くなります。
営業担当だけに任せず、社長自ら取引先に顔を出すと、相手の印象が変わります。
「社長が来てくれた」という感覚が、取引の信頼を深めるのです。

ある地方の食品会社では、社長が月に1回は主要取引先を回っています。
特別な営業トークはなく、ただ顔を見せ、相手の話を聞くだけ。
それでも「この会社は真剣だ」と評価され、新商品を優先的に扱ってもらえるようになりました。

社長の訪問は会社の「誠実さ」を伝える最強の営業です。
営業担当者の士気も上がり、全体の動きが早くなります。

訪問を重ねる会社が成長する理由

訪問を増やすほど、相手の課題が見えてきます。
商品の改善点、価格の壁、物流の問題。
実際に会って話さなければわからないことが山ほどあります。

メールや電話だけのやり取りでは、相手の本音は見えません。
訪問して目で見て、声で聞く。
この積み重ねが、信頼の深さを決めます。

訪問の目的は、売り込むことではなく、信頼を積むこと。
食品会社の販路開拓は、地道な訪問の繰り返しで広がっていきます。

顧客訪問を重ねる社長は、必ず成果を出します。
回数を増やすだけでなく、目的を持って会いに行く。
相手の話を聞き、情報を持ち帰り、次の提案につなげる。
この一連の流れを継続できる会社が、生き残ります。

訪問は手間ではありません。
未来の売上をつくる時間です。
顔を出すたびに、信頼が積み上がる。
その信頼こそが、食品会社の最大の資産です。

売上アップ、販路開拓のご相談はいつでもどうぞ。
御社の強みを活かした営業戦略で、取引先に選ばれる会社を一緒に目指していきましょう。


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