食品にブランディングは必要か?──中小食品会社が売れ続けるための第一歩


食品の販路開拓や営業でお悩みの社長の皆さま。日々「味には自信がある」「うちは真面目に作っている」と
おっしゃる方ほど、こうお感じになるかもしれません。

「ブランディングなんて大手のやることだ」
「うちは地味だけど実直な商品を出している」
「今さらパッケージを変えても売上に直結しない」

たしかに一理あります。しかし、売上が横ばい、または下がり続けているならば、
一度「ブランディング」という視点を見直すことが必要かもしれません。

 

味や品質が良いだけでは売れない時代

ひと昔前までは、味が良くて、価格が手頃で、産地がしっかりしていれば、ある程度は売れました。
ところが、今は市場に“良い商品”があふれています。コンビニでも、スーパーでも、高級食材店でも、
質の高い食品が並び、消費者は選び放題の状況です。

つまり、「良い商品である」ことが、もはや差別化要因にならないのです。

そこに必要なのが「ブランディング」です。

 

そもそも“ブランディング”とは?

ブランディングというと「おしゃれなロゴ」や「高級感のあるパッケージデザイン」と
いった見た目の話に偏りがちです。しかし、ブランディングとは本来、
「あなたの会社と商品が、どんな価値を持っているのかを、消費者に一貫して伝え続けること」です。

そして、これができている会社の商品は、販路を開拓しやすく、営業の反応も変わります。

 

なぜ中小企業にこそブランディングが必要なのか

中小の食品会社には、大手のような宣伝広告費はありません。だからこそ、「選ばれる理由」を明確にし、
それを言語化・視覚化して伝える工夫が必要になります。

たとえば、こんな食品会社があったとします。

  • 北海道の小さな町で三代続く味噌蔵
  • 完全無添加、手づくりにこだわり、一日50個しか作れない
  • 味は確か、だが見た目は昔ながらの白ラベルに筆文字

このままでは、地元以外の人にとっては「どこにでもある味噌」です。
しかし、以下のように伝え方を変えれば、見え方が一変します。

  • 「祖父の代から続く、冬の仕込みを守る手前味噌」
  • 「1日50個限定。塩と麹と大豆だけの、家族の食卓を守る味」
  • 「この味噌が食べたくて、毎年リピートする都会のファンが急増」

実際の内容は同じでも、語り方を変えることで価値が伝わり、ファンが生まれ、価格も下げずに済みます。

 

ブランディングで何が変わるか

ブランディングに取り組むと、以下のような変化が期待できます。

  • 営業先との会話が変わる:「売ってください」ではなく「うちの考えに共感してくれるお店と組みたい」というスタンスが取れる
  • 価格競争から脱出できる:ブランドとしての価値が伝われば、「安さ」でなく「想い」で選ばれる
  • 販路が広がる:バイヤーの検索対象になりやすくなり、問い合わせも増える
  • SNSやメディアに取り上げられやすくなる:ストーリーや想いがある商品は、紹介されやすくなる

これらはすべて、ただ見た目を良くするだけではなく、「中身と外見が一致した伝え方」ができているからこその成果です。

 

どこから始める?社長がやるべき第一歩

では、ブランディングは具体的に何から始めればよいのでしょうか。

一番は「自分の会社が、どんな“志”で食品を作っているのか」を、社長自身の言葉で整理することです。

たとえば、

  • なぜこの商品をつくりはじめたのか?
  • どんな人に届けたいと思っているのか?
  • いま悩んでいるお客様に、どんな力になれるのか?

これらを一度言語化してみてください。それが、ブランドの「核」になります。

 

最後に:ブランディングは“社長のことば”から始まる

中小食品メーカーの強みは、「社長の顔が見える」ことにあります。だからこそ、
社長自身の想いや言葉が、何よりも強いブランドの源になります。

広告やパッケージに予算をかける前に、自社の価値を自分で語れるかどうか。
その姿勢こそが、販路開拓の第一歩であり、営業の武器になります。

「うちは真面目にやっている」――その姿勢は、立派なブランド資産です。

それをどう伝えるか、今こそ見直してみてはいかがでしょうか。

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