食品の販路開拓専門家が解説する営業の基本 小さな食品事業でも売上を伸ばすための三つの見直しポイント


食品の販路開拓専門家・伊藤晴敏です。

今日は「食品の営業方法で失敗しないために」をテーマに、地方の小さな会社の社長に向けてまとめます。
どこでも読めるように、短い文でテンポよく書きます。

食品の営業は、根性や気合いだけでは前に進みません。相手先が求めていることを外さず、
限られた時間と体力の中で成果につなげる仕組みが必要です。売上に悩む会社の多くは、
営業の基礎が整っていない状態で動いてしまいます。営業の型を整えれば、社長が動く時間を最小限にし、
成約率を一気に高められます。

今回のテーマは三つです。
一 だれに売るのかを決める
二 商品を選びすぎない
三 商談後のやり取りを最短距離にする

この三つを整えるだけで営業の負担は軽くなり、売上の伸びが明確に変わります。

一 だれに売るのかを決める
食品会社の営業で一番多い失敗が「だれに売りたいのかが曖昧なまま動くこと」です。営業は気持ちではなく順番で決まります。
最初に決めるべきは「相手先の種類」です。百貨店なのか、高級スーパーなのか、観光地なのか、企業ギフトなのか。
相手先が変われば必要なスペックも話し方も変わります。売り先を広げすぎると、どこにも刺さらない営業になります。

高級スーパーに向いている商品を持っているのに、地元スーパー向けの資料で回っても評価されません。
逆に、最初から「ここに売る」と決めて資料や説明を合わせていけば、少ない労力で成果が出ます。
営業力は量ではなく方向で決まります。社長自身が動く時間を増やさなくても、方向が合えば成約率が自然に上がります。

二 商品を選びすぎない
営業で迷いが出る理由のひとつが「商品を多く見せすぎること」です。担当者は忙しいので、
多すぎる提案を見るほど判断が濁ります。必要なのは一点突破です。

もっとも利益が取れる商品
もっとも分かりやすい強みがある商品
もっとも相手先と相性が良い商品

この三つに絞って提案すると、話がまとまりやすくなります。地方の食品会社は大量生産よりも「一点の強み」で評価されます。
商品の数を減らすほど魅力が引き立ちます。営業では選択肢が少ないほど決まりやすくなります。

三 商談後のやり取りを最短距離にする
成約率を左右するのは商談当日よりも、その後の動きです。多くの会社がここで止まります。

メールを送る
お礼を伝える
資料を添付する
追加の質問に答える

これらを商談のたびに準備していると時間がかかり、返信が遅れます。
担当者は忙しいので、返信が遅れるほど熱が下がります。営業は鮮度が命です。

商談が始まる前に、お礼メールのテンプレ、サンプル案内文、価格表、送料条件、ロット情報をすべてセットにしておきます。
やり取りが短くなるほど決まりやすくなります。さらに、社長がやるべきは「最初の入口」と「最後の決裁部分」だけに
絞ることです。途中の細かな説明や段取りは事務に任せるほうが効率が上がります。
売上を伸ばす社長ほど、自分の仕事を減らしています。営業は体力勝負ではなく効率勝負です。

ここから大事な話をもう一つ。
小さい会社でもしっかり利益を出しているところはたくさんあります。

お金がない
知名度がない
人がいない

この三つは弱点に見えますが、営業では大問題になりません。むしろ強みに変わります。

小さい会社は意思決定が速いので、担当者から見ると扱いやすい相手です。反応が速い会社は印象に残ります。
小回りの良さは資金力より価値があります。

知名度がなくても困りません。担当者が見ているのは「安定供給」「対応の誠実さ」「やり取りのスムーズさ」です。
名前の大きさではなく人の誠実さが判断基準です。相手先は社長の顔を見て決めます。これは小さい会社の大きな武器です。

人数が少ない会社ほど在庫や情報の流れが見えやすく、トラブルが起きにくい特徴があります。
担当者は安心できる会社を選びます。安心は人数ではなく整った動きで生まれます。

大切なのは、お金でも知名度でも人数でもなく「方向と準備」です。相手先が求める情報をセットにしておき、
鮮度のある返信を続ければ十分に戦えます。小さい会社こそ営業の型を整えるだけで成果が変わります。
売上は規模で決まらず、整えた順番で決まります。ひとつずつ軽くしていけば必ず前に進めます。

今すぐできる三つの行動です。
一 売りたい相手先を三つに絞る
二 商品は一つか二つに限定する
三 商談後のメール一式をテンプレ化する

これだけでも営業の手間が三分の一になり、成約率が体感で変わります。
地方の食品会社こそ、営業を自動化に近づける工夫が必要です。人数が少ない会社ほど、仕組みが効きます。

社長が営業を再設計すると会社全体の空気が変わります。動きが軽くなり、売上の波が安定し、無駄な疲れが減ります。
営業が変わると販路が増え、販路が増えると売上が伸びます。これは必ず起きる変化です。

営業が苦しいと感じているなら、やるべきことは多くありません。整理するだけで前に進む力が戻ります。
食品の営業は、気づけば改善できる部分が多い領域です。

販路の広げ方や営業の仕組みづくりで悩んでいるなら、一度相談してください。あなたの会社の強みを整理し、
相手先に合う形に整えるだけで結果は変わります。社長が本来の仕事に集中できるように、
全体の流れを軽くするお手伝いができます。


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