「どうすれば新しい販路を開拓できるだろうか」「自社のこだわりが詰まった商品を、もっと多くの人に届けたい」
そんな想いを胸に、日々営業されている食品会社の社長は多いのではないでしょうか。
販路開拓の第一歩となるのが、スーパーや百貨店、専門店などの食品バイヤーとの商談です。
多忙なバイヤーさんとのアポを取りつけるのは簡単ではありません。
「メールを送っても返事がこない」「電話をしてもなかなか担当者につながらない」
どうすればいいのか課題を抱えている社長もいらっしゃるかもしれませんね。
でも、ご安心ください。バイヤーの心をつかみ、商談を成功させるためには、ちょっとしたコツと準備が大切なんです。
このブログでは、食品バイヤーとスムーズに商談を進めるための7つのステップを、具体的で実践しやすい方法で
ご紹介します。読み終える頃には、きっとバイヤーとの関係づくりに自信が持てるようになっているはずです。
1. 相手を知ることから始まる、丁寧なリサーチ
バイヤーにアプローチする前に、まず先方のことを徹底的に調べることが何よりも重要です。
これは、ただ単に「商品を売りたい」という一方的な姿勢ではなく、「このお店に合った商品を提案したい」という、
相手へのリスペクトを示す行為だからです。
たとえば、初めて会う方に「あなたは◯◯お好きなんですね?」と聞かれたら、うれしくなりますよね。
それと同じように、バイヤーも「うちのことをよく調べてくれたんだな」と感じると、
その熱意に心を開いてくれる可能性もあります。
逆言えばバイヤーのお店も調べずに提案することはとても失礼になるので避けてください。
理想は実際のお店を見に行きます、遠距離で難しい場合はホームページをかならずチェックしてください。
具体的に調べるべきことは、以下の3つです。
- 会社のウェブサイトやSNS どんな商品を扱っているのか、お店のコンセプトやターゲット層はどこなのかを
把握しましょう。最近の投稿から、力を入れている商品やキャンペーンの傾向が見えてくることもあります。 - ニュースや業界記事 その会社が最近どんな取り組みをしているか、新店舗のオープンや、特定の産地の食品に
力を入れているといった話題がないかを探してみましょう。こうした最新情報は、アプローチの際に説得力のある
材料にもなります。 - 競合他社の情報 同じような商品を扱っている他社が、どのような形でその企業と取引しているか、
あるいはどんな商品を提案しているかを調べてみましょう。自社の商品が持つ独自の強みや、
他社にはない魅力を再認識するきっかけにもなります。
2. 心をつかむ初回アプローチの秘訣
徹底的なリサーチを終えたら、いよいよバイヤーに連絡を取ります。この時、大切なのは「相手がどう感じるか」を
想像することです。毎日何百通ものメールを受け取るバイヤーに「この人と話してみたい」と思ってもらうには、
簡潔かつ魅力的なメッセージを送る必要があります。
効果的な連絡のポイントは3つです。
- 簡潔に、そして明確に 長文は読んでもらえない可能性が高いです。メールの件名で「〇〇に関するご提案」と
内容を伝え、本文では「何をお話したいのか」「なぜこの商品が御社に良いのか」を最初にまとめます。 - 相手にとってのメリットを伝える 「うちの商品は美味しいです」だけでは響きません。そうではなく、
「最近の健康志向のお客様にぴったりな、無添加の〇〇です」というように、バイヤーの抱える課題や
お客様のニーズにどう応えられるかを具体的に伝えましょう。 - 返信しやすい気遣い ただ「お時間いただけますか?」と聞くのではなく、「〇月〇日と〇日、
どちらかで30分ほどお時間をいただけないでしょうか」と具体的な選択肢を提示することで、
相手は返事をしやすくなります。
3. 返事がなくても諦めない、丁寧なフォローアップ
最初の連絡で、すぐに返事が来ないことは珍しくありません。バイヤーは、想像以上に忙しい日々を送っています。
御社以外にも売りこみが多数あります。
だからこそ、ここで諦めずに、粘り強く丁寧にフォローすることが成功への鍵となります。
アポは簡単にはとれません、御社だけがアポがとれないわけではありませんので安心してください。
「しつこいと思われたらどうしよう」と不安になるかもしれませんが、誠意を持って新しい情報を提供すれば、
それはきっと伝わります。
フォローアップの方法は2つあります。
- 新しい情報を添えて再連絡 最初の連絡から1〜2週間を目安に、再度メールを送ってみましょう。
「先日お送りしたメールについてご確認いただけましたでしょうか」と切り出し、新たに取得した情報や、
商品開発の進捗などを付け加えると、もう一度読んでもらえる可能性が高まります。 - 具体的な提案で関心を引き出す 「サンプルをお送りしたいのですが」と具体的な行動を提案するのも有効です。
「実際に商品を見て、食べてみたい」という気持ちを引き出すことができれば、商談への一歩を大きく踏み出せます。
ただし、バイヤーがサンプルを希望していないのに無理に送りつけるのは逆効果なので、
あくまで相手の意向を尊重することが大切です。
4. 商談日時をスムーズに決めるための工夫
何度かやり取りを重ね、バイヤーが商談に興味を持ってくれたら、いよいよ日程調整です。
ここでも、バイヤーの忙しいスケジュールに配慮した対応が求められます。
日時を決めるコツは3つあります。
- 複数の選択肢を提示する 「ご都合の良い日時をいくつか教えていただけますか?」と聞くよりも、
「〇月〇日の午前中か、〇月〇日の午後はいかがでしょうか」のように、
具体的な候補日をいくつか提示しましょう。 - 相手の都合を尊重する お店の開店前や閉店後、あるいはバイヤーがミーティングで忙しい時間帯は避けるように
心がけます。ゆったりと話ができる時間を提案することで、より良い商談につながります。 - 商談形式の提案 現在はオンラインでの商談も一般的になりました。バイヤーのオフィスに伺うのがベストですが、
オンラインでの商談も選択肢として提案することで、柔軟な対応ができる企業だという印象を与えることができます。
5. 信頼を築く、商談当日の準備
いよいよ商談当日。この日が成功するかどうかは、事前の準備にかかっています。バイヤーにとって
「この会社なら信頼できる」と思ってもらうために、細部にまで気を配りましょう。
商談当日のポイントは3つです。
- 清潔感のある服装 第一印象はとても大切です。スーツでなくても、清潔感のあるビジネスカジュアルな服装を
心がけましょう。 - 資料とサンプルを抜かりなく 提案する商品に関する資料はもちろん、試食用のサンプルも忘れずに用意します。
また、想定される質問に対する回答も事前に準備しておくと、当日のやり取りがスムーズになります。 - 簡潔なプレゼンを心がける 熱意からつい話しすぎてしまうことは誰にでもあります。いそがしいバイヤーの
大切な時間を無駄にしないためにも、伝えたいポイントを3つほどに絞り、簡潔に説明できるよう
練習しておきましょう。
6. 次につなげるための商談後フォロー
商談が終わった後も、社長の仕事は終わりではありません。むしろここからが、長期的な関係を築くための
スタート地点です。商談の印象を良いままを保ち、次のステップにつなげるためのフォローアップを行いましょう。
商談後のフォローアップ方法は3つあります。
- 感謝を伝える 商談後すぐに、「本日はお忙しい中、貴重なお時間をいただきありがとうございました」と、
お礼のメールを送ります。その際、商談で話した内容を簡単に振り返り、「ご検討いただければ幸いです」と
付け加えることで、相手に良い印象を与えます。 - サンプルや追加資料の送付 商談中にバイヤーさんが興味を示した場合は、速やかに商品サンプルや追加資料を
送ります。丁寧な手紙を添えることで、あなたの誠実な気持ちが伝わります。 - 定期的な情報提供 商談で良い感触を得られなかったとしても、そこで関係を断ち切る必要はありません。
月に一度程度、新しい商品や他社での導入事例など、バイヤーの役に立ちそうな情報を送ることで
いつかまた話を聞いてもらえる日が来るかもしれません。
7. 長く続く信頼関係を築くために
販路開拓は、一度きりの商談で終わるものではありません。バイヤーとの間に、長く続く信頼関係を築くことが
何よりも大切です。信頼関係があれば、新しい商品ができたとき、困ったことがあったとき、
自然と相談できるパートナーとなります。
長期的な関係を築くためのポイントは3つです。
- 約束を守る どんなに小さな約束でも、必ず守りましょう。納品日や価格交渉など、
一度決めたことを守り続けることで、「この人となら安心して取引できる」という揺るぎない信頼が生まれます。 - 市場の変化に対応する 常に消費者のニーズや市場のトレンドにアンテナを張り、
それに合わせた新しい提案を続けることで、バイヤーにとって価値のある存在であり続けることができます。 - コミュニケーションを継続する 展示会や業界イベントで顔を合わせる機会があれば、
積極的に挨拶をするなど、定期的にコミュニケーションをとりましょう。日頃の小さなやり取りが、
いざという時に大きな力となってくれます。
まとめ
食品バイヤーとの商談を成功させるには、相手をよく知り、丁寧な準備とアプローチを続けることが何よりも大切です。
「売りたい」という気持ちはもちろん大切ですが、それ以上に「どうすれば相手の役に立てるだろうか」という視点を
持つことで、あなたの熱意はきっとバイヤーに伝わります。
今回ご紹介した7つのステップを一つひとつ実践することで、販路開拓はよりスムーズに進むはずです。
あせらず、一歩ずつ、バイヤーとの信頼関係を築いていってください。御社の素晴らしい商品が、
より多くの人々に届くことを心から願っています。
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