成功へのヒントは「商品の新規性」に隠されています
高級スーパーマーケットにお店の商品を置いてもらうことは、多くの食品会社の社長にとって大きな夢ですよね。
先日、ある水産加工会社さんのご支援で、一緒に高級スーパーへ商品を売り込みに行きました。
結果は、残念ながら「今回は見送らせていただきます」とのこと。理由は「商品の新規性が弱い」ということでした。
この結果からわかるのは、お店に商品を置いてもらうには、ただ味が美味しいだけでは難しいということです。
材料を厳選したり、手間暇かけて手作りしたり、無添加にこだわったり…もちろんこれらは素晴らしいことですが、
バイヤーさんがお店に並べたいと思うのは、その中でも「これだ!」と思える何か、
つまり「他にはない魅力」や「新しさ」です。
では、どうしたらその「新しさ」を見つけられるのでしょうか?
たとえば、御社が作っている無添加のお味噌を想像してみてください。
「無添加」というだけだと、他のお店にも似たようなお味噌がたくさんありますよね。でも、もしここに「昔から200年間、
この地域の特別な製法を守って、年にたった100樽だけしか作れない、希少な無添加味噌なんです」という物語が
加わったらどうでしょう?これはただのお味噌ではなく、歴史と希少性という特別な価値を持った商品になります。
バイヤーはきっと、このストーリーに心惹かれ、「お客様にぜひこの特別な体験を届けたい」と思うはずです。
販路開拓で大切な「心の持ち方」
提案がうまくいかなかった時、「やっぱりうちみたいな小さな会社には無理なのかな…」と落ち込んでしまうかもしれません。
でも、そこで悲観してしまうのはもったいないことです。今回の結果は、御社がもっと成長するための貴重な学びの機会なのです。
「うちは小さい会社だから」と考えるのではなく、「小さい会社だからこそできること」に目を向けてみましょう。
フットワークが軽いこと、社長さん自らお客様の声を直接聞けること、臨機応変に対応できることなど、
大きな会社にはない強みがたくさんあります。この強みを活かした戦略を考えることが、
販路開拓を成功させるための近道です。
いますぐできる「差別化戦略」3つのステップ
では、具体的にどうやって差別化戦略を立てていけばよいのでしょうか。これからご紹介する3つのステップをぜひ試してみてください。
ステップ1:お客様のことをとことん考えてみる
御社の作った食品は、どんな人に食べてほしいですか?どんな食の悩みを解決して、どんな喜びを届けたいですか?
たとえば、健康に気を遣う若い女性や、毎日忙しく頑張っている子育て中のお母さん、日本の食文化に興味がある海外の方など、
まずは「誰に届けたいか」をはっきりさせましょう。その上で、その人たちが普段どんな場所で買い物をし、
どんな情報を集めているのか調べてみることが、戦略を立てる第一歩になります。
ステップ2:他にはない強みを見つける
御社の商品と似たものが、世の中にどれくらいあるか調べてみましょう。
そして、それらと比べて、ご自身の商品がどこが違うのか、どこが優れているのか、正直に書き出してみます。
他社にはマネできない、御社だけの特別な価値を見つけ出すのです。
地元でしか手に入らない珍しい食材を使っていること、代々伝わる特別な職人技があること、
環境に優しい作り方をしていることなど、独自のポイントを探してみてください。
ステップ3:商品に込めた想いを伝える
御社の食品が生まれた背景には、どんな物語がありますか?なぜこの商品を作ろうと思ったのか、
どんな苦労を乗り越えたのか、どんな想いを込めているのか、そのストーリーを丁寧に言葉にすることで、
商品はただの「モノ」ではなく、人の温かさや想いが詰まった特別な存在へと変わります。
「戦後の食料が少ない時代に、祖母が家族のために作り始めたレシピを、今も大切に守っている」といった物語は、
人の心を強くひきつけます。この物語こそが、バイヤーやお客様に響く一番の武器になるのです。
変化の時代を「チャンス」に変えましょう
新型コロナウイルスの影響で、私たちの食生活は大きく変わりました。
外食の機会が減り、おうちで食事をする時間が増えましたよね。お客様は、ただお腹を満たすだけでなく、
自宅での食事をより豊かに、そして安心して楽しめるものにしたいと考えるようになりました。
この変化は、食品会社にとって大きなチャンスです。お客様は、商品の背景にある物語や、
作り手の想いをこれまで以上に知りたいと思っています。たとえば、オンラインで製造の様子を見せたり、
作った人とお客様が直接話せるような場を設けるなど、お客様の「知りたい!」という気持ちに応えていくことで、
信頼関係が生まれ、ファンを増やすことにつながります。
困難な状況だからこそ、「どうしたらお客様に喜んでもらえるだろう」と真剣に考え、知恵を絞ることが大切です。
今回うまくいかなかったことは、次へのステップのための貴重な経験です。成功への道は、必ず目の前に開かれています。
まとめ
販路開拓を成功させるには、商品の美味しさや品質だけでなく、はっきりとした「差別化戦略」が欠かせません。
御社の商品が「誰に」「どんな価値」を届けられるのかを、じっくり考えてみましょう。
そして、その価値を伝えるための魅力的な物語を語り、バイヤーさんやお客様の心をぐっと掴んでください。
小さい会社だからこそ、その強みを活かし、工夫をすれば、必ず道は拓けます。
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