新規顧客開拓の基本 食品会社が営業を成功させる順序

新しい取引先を増やしたい、販路を広げたい。
食品会社の社長であれば、だれもが思うことです。

ところが現実は、新規顧客開拓がうまくいかないケースが多いのです。
営業担当が足を使っても、問い合わせが少ない。
展示会に出ても、商談が続かない。

このような悩みを多くの経営者が抱えています。

新規顧客を見つけるにはコツがあります。
単に営業を強化するだけでは結果は出ません。
今いる取引先との関係を深めることが、最短の販路開拓につながります。

食品会社の営業において最初に意識すべきは「既存取引先の深堀り」です。
なぜなら、新しいバイヤーを探すことは、いまの相手先を育てるよりも10倍の労力がかかるからです。
商談のきっかけ作り、信頼関係の構築、条件交渉、すべてが一からのスタートになります。

たとえば、既存の取引先に対して、季節限定の商品を提案する方法があります。
また、包装やパッケージを変更して新しい販促素材をつくり、改めて営業資料として渡すことも効果的です。
いま取引している相手先があなたの新しい販路の入口になります。

一方で、既存の関係だけに依存すると成長が止まるリスクもあります。
長期的には新規顧客の開拓が欠かせません。
その際に意識すべきは「効率」と「相性」です。

誰でもいいから取引を増やそうとすると、無理な値引きや条件の悪い契約に巻き込まれがちです。
御社の会社の商品価値を理解してくれるバイヤーを見極めることが、新規顧客開拓の本質です。

食品会社の場合、営業の成功は「試食提案」と「ストーリー発信」にかかっています。
味を知ってもらうこと、そしてどんな思いで作っているかを伝えること。

これをセットにするだけで商談の確度は高まります。
展示会でも、単なるパンフレット配布より、料理の提供や生産者紹介のパネルがある方が印象に残ります。

新規顧客開拓を継続させるためには、営業活動を仕組み化することが重要です。
たとえば次のような流れをつくります。
1.既存取引先への深堀り営業
2.紹介を受けた新規見込み先への提案
3.展示会・商談会への出展計画
4.SNSやホームページでの情報発信
5.問い合わせへの迅速な対応
これを3か月単位でPDCAをまわすと、営業の動きが安定します。

食品会社の社長が見落としがちなのは「紹介営業」の効果です。
頻度はかなり少ないですが既存の取引先やバイヤーから新しい取引先を紹介してもらうと、
成約率が非常に高くなります。

紹介を得るためには、普段から小さな感謝を伝えることが欠かせません。
季節の挨拶や新商品の案内をこまめに送ることで、相手の記憶に残りやすくなります。

また、営業活動の記録をデータ化することも大切です。
訪問日時、提案内容、担当者の反応などをまとめると、次の提案に活かせます。

紙のメモよりも、エクセル管理の方が便利です。(難しいシステムを導入しなくてもOK)
特に複数の営業担当がいる会社では、共有化するだけで動きが統一されます。

さらに、地方食品会社にとっては「地域外販路」の開拓も課題です。
県外の百貨店や専門店とつながるには、商談会やBtoBサイトの活用が効果的です。

MマートなどのECサイト、FOOD TECH JAPAN、スーパーマーケット・トレードショーなど、
出展のチャンスは多くあります。

ただし、やみくもに出展しても成果は出ません。
事前にターゲットとなる業種を絞り、試食資料やPR動画を準備することがポイントです。

また、新規顧客開拓にはデジタルの力も欠かせません。
自社ホームページのSEO対策を強化して、バイヤーが検索したときに見つかる状態をつくることです。

「食品 バイヤー」「地方特産品 仕入れ」「ギフト商材 取引」などの検索キーワードを意識して記事を書くと、
営業の入口が増えます。
問い合わせフォームの導線や、会社紹介ページの信頼性も見直しておきましょう。

さらに重要なのは、営業担当者の意識改革です。
売り込むのではなく、相手の課題を聞き出す姿勢が求められます。
営業の基本は「聞く力」です。

新しい取引先との最初の商談では、自社の商品説明を最小限にして、相手の要望をできるだけ多く聞く。
この段階で相手の立場を理解しておけば、次の提案が的確になります。

営業活動は短距離走ではなく、長距離走です。
結果を急がず、1社ずつ関係を築く意識が大切です。

信頼を積み上げていくうちに、紹介が増え、自然と販路が広がります。
焦らず、地道に、誠実に。これが食品会社の新規顧客開拓で最も効果的な方法です。

まとめると、
・既存取引先の深堀り
・紹介営業の活用
・データとデジタルの導入
・展示会・商談会の戦略化
・SEOでの問い合わせ導線づくり
この5つを組み合わせることが、安定した営業基盤を生みます。

販路開拓に近道はありません。
ただ、正しい順序で動けば確実に結果が出ます。
新規顧客を追う前に、まずは今の取引先を見直す。
そこからが、真の営業力のスタートです。


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