飛び込み営業が苦手な社長へ 成果を出す人がやっている3つの工夫


営業の現場では「飛び込み営業が苦手です」という声を本当によく聞きます。
初めて訪ねる会社や店舗で門前払いされる。冷たい対応をされて気持ちが沈む。
そんな経験を一度でもした人なら、次の一歩が重くなるのも当然です。

けれども、全国をまわっていると、飛び込み営業で結果を出している中小企業の社長が確かに存在します。
業種も規模も違っても、彼らには共通点があります。それは、気合いでも根性でもなく、「考え方」と「工夫」です。

飛び込み営業が苦手なまま続けてもうまくいきません。営業が苦手な社長ほど、やり方を変えることで
大きく成果を出せる可能性があります。ここでは、成果を出す人が実践している3つの工夫を紹介します。

1 事前準備で9割が決まる

多くの人は「飛び込み=無計画」と思っていますが、成果を出している人ほど準備をしています。
訪問前に相手の業態や担当者の立場を調べ、簡単な仮説を立てておくのです。

たとえば、スーパーのバイヤーに提案するなら、「いま売場で欠けているカテゴリーは何か」
「どんな消費者が多いのか」を一度店舗で確認します。単に商品を持ち込むより、
「この棚に合う商品を提案したい」と話した方が、相手の興味は高まります。

事前準備は「緊張を減らす」効果もあります。頭の中に台本があると、訪問の際も落ち着いて話せます。
何を言うか決まっていないと焦りが出て、表情にも出てしまうものです。営業が苦手な社長ほど、
準備をしっかり行うことで自信を取り戻せます。

2 訪問時間の工夫で反応が変わる

飛び込み営業は「いつ行くか」で成果が大きく変わります。
忙しい時間帯に行けば、どんなに良い話をしても相手は聞く余裕がありません。
逆に、相手が落ち着いている時間帯を狙えば、対応のトーンがまったく違います。

飲食店ならランチタイムを避け、午後2時から5時の間が狙い目です。
企業の場合は、朝の始業直後や夕方の終業前を避け、10時から16時の間が理想的です。
さらに、月末や週初めも避けるとよいでしょう。事務処理や会議で担当者の気持ちに余裕がないからです。

営業というのは、相手の「気分」に左右されます。
訪問時間を少しずらすだけで、「ちょうどよかった、今なら少し聞けます」と言われる確率が上がります。
同じ提案でも、相手の心に届くタイミングで話すことができれば、それだけで成果につながるのです。

3 断られても気にしない考え方を持つ

飛び込み営業の最大の敵は「自分の気持ち」です。
断られたあとに落ち込み、「向いていない」と思い込む人が多いのですが、それは誤解です。
断られることが前提の営業に、落ち込む必要はありません。

成果を出す人は、断られた瞬間に「きょうも経験を一つ積んだ」と考えます。
断られる数が多いほど、経験のストックが増える。経験が増えれば、次の一言が自然に出るようになります。
営業で伸びる人は、感情ではなく行動の数を意識しています。

また、訪問件数だけを目標にせず、「1件ごとに何を学ぶか」を考えることが大切です。
話し方、声のトーン、名刺の渡し方、立ち位置など、細かい部分を毎回メモしておく。
それを週に一度見返すだけで、営業力が自然に磨かれていきます。

営業が苦手な社長ほど、最初は「量より記録」を意識する方が効果的です。
記録を積み重ねることで、自分の営業パターンが見えてきます。
その気づきが、次の成果へとつながります。

4 飛び込み営業の目的を変えてみる

成果が出ない理由の一つは、「すぐに売ろう」とすることです。
初対面の相手にいきなり商談を持ちかけると、どうしても警戒されます。
成果を出す人は、「売る」よりも「話を聞いてもらう」ことを目的にしています。

たとえば、「〇〇県で人気の△△を扱っています。今後の取引の可能性を探りに来ました」といった軽い切り口なら、
相手も話を聞きやすいものです。
実際の成約は、その次の訪問や電話で決まります。最初の訪問は関係を作る第一歩と割り切ることで、気持ちも楽になります。

飛び込み営業は「即受注」ではなく、「接点づくりの場」と考えると気持ちが変わります。
あなたの会社の商品がどんなに良くても、相手はまだ知らない。まずは知ってもらう。
知ってもらえば、次のチャンスが生まれる。
営業とは、その繰り返しです。

5 SNSやDMも「新しい飛び込み営業」になる

いまは訪問だけが飛び込みではありません。
Instagram、LINE公式、メールニュース、DMなども「飛び込み営業」の一部と捉える時代です。
たとえば、初回訪問前に相手のSNS投稿を見ておくだけで、話の糸口が生まれます。

「御社のInstagramで見た季節限定商品を拝見しました」
この一言だけで、印象は変わります。
相手の世界を知ってから訪問することで、あなたの話が他の営業と違って感じられるのです。

飛び込み営業は、体力勝負ではなく情報戦です。
相手の状況を知ることができる時代だからこそ、訪問前の“下準備”で成果が変わります。

6 営業が苦手な社長ほど、続けた人が勝つ

成果を出す社長には、共通して「継続力」があります。
一度の失敗や冷たい対応では折れません。
10件訪問して反応がない日も、20件回って手応えがなくても、翌日また笑顔で出発します。

継続できる人は、「営業=自分磨き」と捉えています。
話し方、立ち居振る舞い、言葉の選び方、すべてが磨かれていく。
それが自分の成長につながるとわかっているから、途中でやめないのです。

営業の世界では、「訪問した回数=信頼の回数」と言われます。
一度目で断られても、二度三度と顔を出すうちに、相手の警戒心が溶けていく。
人間関係とは時間をかけて築くもの。焦らず、地道に積み重ねていく人が最終的に勝ちます。

最後に、営業が苦手な社長へ伝えたいことがあります。
「苦手」は才能の裏返しです。慎重で誠実な人ほど、自分を責めがちですが、その姿勢こそ信頼を生む土台になります。
断られても、うまく話せなくても、続けていけば必ず変わります。

飛び込み営業で成果を出す人は特別な人ではありません。
考え方を変え、準備と工夫を積み重ねた人だけが、少しずつ結果をつかんでいきます。
あなたの会社の商品を待っている相手は、きっとどこかにいます。
焦らず、一歩ずつ進めてください。


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