営業は「断られてから」が勝負
商談の場で「検討します」「今回はご縁がなかったようで」
そんな言葉をバイヤーから受けた経験はありませんか。
どれだけ想いを込めた商品でも、どんなに展示会での反応が良くても、
バイヤーから即決で「取り扱います」と言われるケースは稀です。(ほとんどありません)
そして、ここで多くの中小企業の社長が落ち込んでしまいます。
しかし、私は声を大にして伝えたいのです。
商談は、断られてからが本当の勝負です。
断られた背景に目を向け、自社の商品や提案の何が刺さらなかったのかを考えてください。
そこから次の展開が見えてくることも少なくありません。
なぜ断られたのか?を見直していますか
商談で断られたとき、どんな言葉が返ってきましたか。
タイミングが合わない
価格が厳しい
スペースが空いていない
多くの場合、これらは表面的な言葉に過ぎません。
本当の理由は「似たような商品で過去に失敗した経験がある」「社長の説明が長すぎた」
「店の客層とマッチしなかった」など、バイヤーしかわからない事情があるものです。
だからこそ、社長自身が自社商品をどう見せ、どう伝えたのかを冷静に振り返ることが重要です。
営業という行為は、ただの売り込みではありません。
相手の事情に配慮し、必要とされるタイミングや切り口で届ける技術でもあります。
断られたあとに社長がとるべき3つの行動
では、商談が不成立に終わったあと、社長がやるべきことは何でしょうか。
私は、次の3つを強くおすすめします。
1 断られた理由を仮説立てする
明確な理由を伝えられないケースもあります。
だからこそ、相手の業種、来場者層、提案タイミングなどから「なぜ今回は選ばれなかったのか」を
自社で仮説を立ててみてください。
例えば、サイズが売場に合っていなかった
提案内容が価格勝負に偏っていた
担当者が決裁権を持っていなかった
この仮説が、次の販路戦略の出発点になります。
2 相手の動向を観察する
断られたからといって縁が切れるわけではありません。
むしろ、バイヤー側は新しい仕入れタイミングやキャンペーンなどで、後日再び検討の機会を持つことが多々あります。
たとえば、以前ある調味料メーカーの社長は、展示会で断られたバイヤーに対して、
3か月後に季節限定パッケージで再提案を行い、採用に至りました。
断られたあとに、相手のSNS投稿や店頭動向、業界ニュースにアンテナを張っておくことは、次の一手につながります。
3 視点を変えて再提案する
同じ商品でも、見せ方を変えるだけで印象は大きく変わります。
お土産用途に特化したパッケージで見せる
詰め合わせセットにしてギフト提案をする
小ロットからのテスト販売を提案する
提案の仕方次第で、過去に断られた商品が新しい価値を持つことはよくあります。
断られたことで終わるのではなく、「あのときの商談があったからこそ今がある」と言える状態を目指しましょう。
経営者にこそ必要な感情の整理力
バイヤーに断られると、やはり気持ちが沈みます。
ときには自社や社長自身の存在を否定されたようにすら感じることもあるかもしれません。
ですが、販路を広げるというのは、そうした挫折や反省の積み重ねの先にしかありません。
1回、2回いや5回、10回採用されるまで続けることです。
逆に言えば、断られても平然と次に向かえる社長の姿勢は、社内の士気を高め、バイヤーからも信頼を集めます。
一発で成功する営業など存在しません。
むしろ、何度も断られながら、それでも粘り強く相手と向き合っていく。
そんな姿勢にこそ、販路が開けるのです。
まとめ 断られたとき、社長の真価が問われる
優れた商品だからといって、すべての商談がうまくいくわけではありません。
むしろ断られることの方が多いという現実を、まず受け止めることが第一歩です。
一喜一憂はだめです。感情的になってあきらめるのはもっともだめです。
断られたあとにどう動くか。
ここに、経営者としての視点と覚悟が問われます。
一度の失敗を次の成功の材料に変える。
その繰り返しこそが、販路拡大における本質的な力になります。
「断られた…」
その言葉の先にある可能性に、ぜひ目を向けてください。
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