商談でパソコンを広げない方がいい理由|食品会社の社長が信頼を得る営業術


食品会社の社長にとって、販路開拓の最大の武器は「商談」です。バイヤーや仕入れ担当者との一回の面談が、
新しい契約につながるかどうかを決めます。そこで大切なのは、商品力だけでなく「信頼関係をどれだけ築けるか」です。

ところが、せっかくの商談の場で「パソコンを広げる」という行為が、相手の印象を下げてしまうことがあります。
近年では商談でもタブレットやノートPCを使う人が増えていますが、とくに食品業界では注意が必要です。

この記事では、なぜ商談でパソコンを開かない方がよいのか、そして代わりにどのような工夫をすればよいのかを解説します。

パソコンを嫌うバイヤーは意外と多い

商談の相手となるバイヤーの多くは経験豊富で、年齢層も幅広いです。特に年長のバイヤーは「パソコンを商談で使うこと」に
抵抗を感じる人が少なくありません。

理由はシンプルで、「自分との会話よりパソコンを優先しているように見えるから」です。
相手の前でキーボードをカタカタ打つと、「話をちゃんと聞いていないのでは」「日報作成の方が大事なのか」と
思われてしまうこともあります。食品という人と人の信頼で成り立つ業界において、これは大きなマイナスです。

商談の場で重視されるのは「誠実さ」

食品の取引は、数字や理屈だけでは決まりません。もちろん価格や品質は大切ですが、それ以上にバイヤーが見ているのは
「この社長と長く付き合えるか」という点です。

そのため、商談の場で一番大切なのは「誠実さが伝わること」です。相手の目を見て話し、自分の言葉で商品の強みを伝える。
それだけで「信頼できる人」という印象を残せます。

パソコンを広げて画面に集中してしまうと、自然にアイコンタクトが減り、誠実さが伝わりにくくなります。

パソコンが役立つのは「補助的な場面」

もちろん、パソコンを一切使うなというわけではありません。動画や写真を見せるために短時間使うのであれば効果的です。
例えば「製造現場の衛生管理の様子」や「農場での収穫風景」などは、言葉より映像の方が説得力があります。

ただし、このときも注意が必要です。長々と動画を流すのではなく「1分以内」で完結させること。
そしてその後に必ず「だから御社の売場に合うのです」と、社長自身の言葉で補足することが欠かせません。
パソコンはあくまで道具であって、商談の主役ではないのです。

メモはノートに手書きで残す

商談中に相手の言葉を記録することは大切です。ですが、その方法としてパソコンを選ぶと、
どうしても「よそよそしい印象」を与えてしまいます。

一方、手書きのノートなら印象はまったく違います。バイヤーの言葉を丁寧にメモしていれば、
「自分の話を大切に受け止めてくれている」と感じてもらえます。特に食品の商談は「心を通わせること」が大事なので、
アナログの手書きが信頼構築に役立ちます。

商談の目的は「商品説明」ではなく「関係づくり」

社長に覚えておいてほしいのは、商談の目的が「商品の説明」だけではないということです。
商品の特徴や価格表は、あとから資料で渡せば済む話です。

商談の場は「相手がどんな売場を持ち、どんなニーズを抱えているかを聞き出す場」であり、
そのうえで「御社にとって役立つ提案ができます」という信頼を得ることがゴールです。

つまり、商談の主役は「パソコンの画面」ではなく「社長とバイヤーの会話」なのです。

信頼される商談の進め方

食品会社の社長が実践すべき、信頼される商談の進め方を整理します。

  1. 最初の5分は必ず雑談から始める
     季節の話題や最近の売場の状況など、相手が話しやすい話題で空気を和ませます。
  2. 相手の目を見て話す
     パソコンや資料に頼らず、まずは自分の言葉で商品への想いを伝えましょう。
  3. メモは手書きで取る
     相手の発言を逃さず書き残す姿勢そのものが信頼を得ます。
  4. 補助的に資料や動画を使う
     必要なときだけ短時間パソコンを開き、必ず自分の言葉で説明を加えます。
  5. 最後に次のアクションを確認する
     「来月サンプルをお送りしてもよろしいでしょうか」と、具体的な次の一歩を決めて終わることが大切です。

「パソコンに頼る営業」から「人で勝負する営業」へ

中小の食品会社にとって、営業は社長自身が担うものです。大手のように資料やプレゼンで押し切るのではなく、
「人で勝負する」ことが最大の武器になります。

商談の場でパソコンを開かない。それは単なる形式的なマナーではなく、
「自分は相手と真剣に向き合う姿勢を大切にしています」という強いメッセージになります。

パソコンよりも「目の前の人」を大切に

商談で成果を出す秘訣はとてもシンプルです。
パソコンに頼るのではなく、目の前の相手を大切にすること。

食品会社の社長が自ら商談に立ち、相手の目を見て話すことで信頼関係は深まります。
商品は社長の想いとともに届けられてこそ選ばれるのです。

パソコンを閉じ、手書きのノートを持って商談に臨む。
そんな姿勢が、結果として販路開拓とリピート注文の増加につながります。


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