食品会社の商談は、商品の魅力だけで決まるわけではありません。
実は「どれだけ準備して臨むか」で、結果がほぼ決まってしまいます。
準備を怠った商談は、どんなに良い商品でも相手に響きません。
一方で、相手先の情報を深く理解し、必要な資料や質問を整えた社長は、必ず信頼を得ています。
営業経験が浅い担当者だけでなく、長年やっている社長自身も、改めて「商談準備の質」を見直す時期にきています。
ここでは、初回商談と2回目以降の商談、それぞれで何を準備すべきかを整理しました。
これを習慣にすれば、成約率は確実に上がります。
【1】初回商談でやるべき準備
まず最初の商談は、「相手を知る」ことが目的です。
相手がどんな業態か、どんな商品を扱っているか、どんな考え方をしているか。
これを知らずに行くのは、地図を持たずに旅に出るようなものです。
準備項目は次のとおりです。
・取引先のホームページやInstagramをチェック
・どんな商品を主力にしているかを把握
・過去に受賞歴や話題になったトピックを確認
・最近のニュースリリースや新商品発表を読む
・質問リストを5つ以上用意する
・自社商品の特徴と差別化ポイントを整理
・商談当日の目的を明確にしておく
これだけ準備するだけで、相手は「この社長は本気だな」と感じます。
バイヤーや仕入担当者は日々多くの商談を受けています。
その中で印象に残るのは、「事前に自社の情報を調べてくれている」社長です。
会話の中で「御社の〇〇という商品、評判がいいですね」と言えるかどうか。
この一言が、次の質問を引き出します。
【2】2回目以降の商談で成約率を上げる準備
初回で信頼を得たあとは、2回目の商談が本番です。
ここでは「前回からどれだけ進んだか」を明確に示すことが重要です。
準備すべき項目は次のとおりです。
・前回の宿題をすべて完了しておく
・追加で質問された内容への回答を用意する
・新しいサンプルや見積書を持参する
・競合商品の情報を確認しておく
・今回の商談のゴールを明確にする
2回目以降の商談で成果が出る会社は、「前回からの進化」を相手に見せています。
たとえば、前回指摘された改善点をすぐ反映している。
納品条件や数量を具体的に詰めてくる。
これらは小さな積み重ねに見えますが、相手からすれば信頼を強める要素になります。
「前回の宿題をきちんとやる」。
これを徹底するだけで、他社との差は一気に広がります。
【3】質問の質で印象が変わる
商談での質問は、相手を動かす力があります。
質問の内容が浅いと、相手は「下調べが足りない」と感じます。
一方で、具体的で前向きな質問をする社長は、すぐに信頼されます。
たとえば次のような質問です。
・「この商品はどんなお客様層が多いですか?」
・「御社の人気商品と並べた場合、価格帯はどのくらいが理想ですか?」
・「販売時にPOPや試食を活用することは可能でしょうか?」
これらの質問には“想定力”が感じられます。
質問の質を上げるだけで、相手から「この会社は話が早い」と思われるのです。
【4】資料の作り方で信頼が変わる
営業資料やサンプルの提出も、準備の一部です。
食品会社の社長がよくやりがちなのが、「とりあえずパンフレットを持っていく」こと。
相手に合わせた内容になっていないため、印象に残りません。
理想は、相手先のバイヤーの関心に合わせた一枚資料を作ることです。
「御社向け提案資料」「ご担当者さま向けサンプル説明」など、宛名を入れるだけで印象はまるで違います。
見積書も、単に価格を提示するのではなく「数量条件」「納期」「ロット単価」を並べ、比較しやすい形にしておきます。
営業は、信頼を積み上げる仕事です。
信頼を得るには、細部の準備が欠かせません。
【5】バイヤーが信頼する社長の共通点
多くの食品バイヤーは、商談で話す内容よりも“姿勢”を見ています。
共通して信頼を寄せる社長には、次の特徴があります。
・メールの返信が早い
・約束を守る
・サンプル提出が丁寧
・数字や条件の説明がわかりやすい
・現場担当者への感謝を忘れない
結局のところ、バイヤーが安心して取引を続けたいと感じるのは、
「気持ちのよい準備ができる社長」です。
営業のスキルよりも、誠実な段取りのほうが取引を長続きさせます。
【6】まとめ:準備を習慣にする社長が伸びる
商談の成否は、商品力よりも準備力で決まります。
準備を丁寧に続けている社長ほど、信頼が積み重なり、リピートが増えていきます。
日々の業務で忙しくても、商談前だけは10分でもいいから相手の情報を整理する。
それが積み重なると、確実に結果が変わります。
「準備をする社長」は、いつの時代も強い。
取引先は、その姿勢を見ています。
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