営業という仕事において、成果を分ける大きな要素のひとつが「熱意」です。
この熱意という言葉を耳にすると、多くの人は「がむしゃらに売り込むこと」「声を大きくして押すこと」といった行動を
思い浮かべます。けれども、本来の熱意はそうした外側の姿勢を指すものではありません。
営業の世界で成果を出す人ほど、熱意の意味を深く理解し、自分の行動や言葉に自然に反映させています。
この記事では、食品会社の社長や営業担当者が理解しておくべき「売れる営業に欠かせない熱意」の本質を整理し、
現場でどう活かせばよいのかを解説します。
熱意とは「相手を想う心」から生まれる
営業における熱意は、単なるテンションの高さや元気さではなく、顧客に対する真剣な思いから生まれるものです。
- 自社の商品が誰にどのような価値をもたらすのかを考え抜く
- 顧客の課題を理解し、その解決に自社の商品が役立つと確信する
- 相手の成功や幸せを願い、そのために自分が動く
これらが根底にあるとき、言葉や表情から自然に熱意が伝わります。たとえば食品メーカーの社長が、
自分の工場でつくった総菜や果物にどれほどの手間と工夫を込めているかを語るとき、
その声の奥には商品への誇りと顧客への感謝がにじみ出ます。
買い手のバイヤーは、そうした背景を聞くことで「この人の商品を扱いたい」と思うのです。
熱意は「行動」ではなく「内面の状態」
誤解されやすいのが、熱意を「行動」と勘違いしてしまうことです。
「とにかく件数を回る」「どんどん声をかける」といった行動力は確かに営業活動に必要です。
けれど、熱意そのものは行動のことではなく内面的な状態を指します。
熱意とは、
- 商品への信頼
- 顧客への誠実さ
- 自分の志を貫く覚悟
このように心の奥から湧き出るエネルギーです。営業マンがどれだけ理論や戦略を学んでも、
この熱意が伴わなければ机上の空論に終わります。逆に理論が未熟でも、熱意が伝われば顧客は耳を傾けてくれます。
熱意が営業の武器になる瞬間
営業の現場で熱意が成果につながる瞬間は数多くあります。
- 初対面での信頼獲得
第一印象で「この人は本気で自社商品を広めたいのだな」と感じてもらえれば、商談は前向きに進みます。 - 値段交渉の場面
価格だけで勝負する営業はすぐに限界を迎えます。熱意ある社長は「この商品が御社にとって必要な理由」を
語ることができ、価格の壁を越えやすくなります。 - トラブル対応の場面
納品の遅れや品質の問題が起きても、熱意を持って真摯に対応すれば、逆に信頼が深まります。
バイヤーは「この人は逃げない」と感じるからです。
食品業界は特に信頼が重視される分野です。熱意があれば、多少の失敗や弱点があっても関係は長く続きます。
営業経験30年が語る「熱意と結果の関係」
長年営業の現場を歩んできた人に共通するのは、「熱意は成果の根っこ」という実感です。
営業を30年続けた経験者に聞くと、次のような声が返ってきます。
- どんなに商品が優れていても、伝える人に熱意がなければ動かない
- 顧客は言葉よりも「目の輝き」や「声の力」で判断している
- 売れたときよりも、売れないときにこそ熱意の有無が試される
熱意があるからこそ、顧客の断り文句にめげず、次の提案を考えられます。熱意があるからこそ、
商品の改善点を現場で拾い上げ、社内に持ち帰る行動ができます。
熱意を高める方法
「熱意は持つもの」とは言っても、具体的にどう磨けばよいのでしょうか。ここでは食品会社の社長や営業担当が
実践できる方法を紹介します。
- 商品に惚れ込む
自社の商品を徹底的に理解し、自分自身がファンになること。実際に食べたり使ったりして、
体験から語れるようにしましょう。 - 顧客の声を集める
「なぜ御社の商品を選んだのですか」と顧客に直接聞く。そこから得られる言葉は、営業の力強い武器になります。 - 成功事例を共有する
顧客に導入された後の成果を確認し、ストーリーとして語れるようにする。バイヤーは数字以上に
「他社がどう成功したか」を知りたがります。 - 目標を明確にする
「今年はこの商品を全国に広める」「この取引先に必ず採用してもらう」といった目標を掲げることで、
自分の中に覚悟が生まれます。
熱意と押し売りは違う
多くの営業マンが陥るのは「熱意」と「押し売り」を混同してしまうことです。
押し売りは相手の都合を無視し、自分の利益だけを追いかける行為です。熱意は相手の課題を理解し、
それを解決するために全力を尽くす姿勢です。
両者の違いは、主体が自分か顧客かです。
顧客にとって意味のある提案をする人は「熱意がある人」と受け止められます。
逆に、自己都合で売り込む人は「迷惑な営業」と判断され、次のチャンスを失います。
社長自身が営業に立つ場合の注意点
食品会社の社長は、営業マンを雇わず自ら営業に立つことも少なくありません。その際に大切なのは、
社長の「想い」を素直に語ることです。完璧な営業トークは必要ありません。
- 商品に込めた思い
- 生産者への感謝
- 食べる人に喜んでほしいという願い
これらを真摯に伝えるだけで、バイヤーの心を動かせます。社長の熱意は営業マン以上に説得力を持ち、
企業のブランド力を高める役割を果たします。
熱意が会社全体を変える
営業マンひとりの熱意は、やがて会社全体の姿勢に影響を及ぼします。
- 商品開発に前向きな空気が生まれる
- クレーム対応に誠実さが出る
- 顧客との関係を大切にする文化が定着する
その結果、会社全体が「信頼される企業」へと成長していきます。熱意は個人の力を超え、
組織全体の競争力につながるのです。
まとめ
営業に欠かせない熱意とは、単なる元気や行動力ではありません。
- 商品を信じる心
- 顧客を想う気持ち
- 続ける覚悟
これらが揃ったとき、熱意は自然に表れ、顧客に伝わります。熱意があるからこそ、理論や戦略が生きてきます。
食品会社の社長や営業担当の方は、まず自分の内面にある「熱意」を確認してください。
その熱意を磨き、行動に反映させることが、売上アップと信頼構築の最短ルートです。
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