1. ご質問
「お客さんのところへ、毎日顔を出すようなどぶ板営業では、いまの時代に売上アップできないのか?」
こうした相談を、食品会社の社長からよく受けます。
2. どぶ板営業の歴史と役割
どぶ板営業とは、泥くさい訪問営業、足で稼ぐ営業スタイルを指します。
かつては、食品メーカーも含めて多くの中小企業がこの方法で販路を広げてきました。
私自身も、かつて霞が関の官庁相手にどぶ板営業を繰り返し、取引のきっかけをつかんだ経験があります。
当時は「熱意」「粘り強さ」「人間関係」が成果を左右しました。
ただし、2025年のいまでは状況が大きく変化しています。
3. いまどき、どぶ板営業が通用しない理由
- セキュリティが厳しい:食品会社が大手スーパー本部にアポイントなしで訪問するのは不可能。
- 購買ルートが複雑化:バイヤー単独で判断できない。MD、品質管理、経営層など複数決裁。
- ニーズの明確化:必要のない商品は一切買わない。「いい商品だから置いてくれ」という情熱は通じない。
- 時間効率の低下:社長や営業担当が一日中訪問に時間を使うと、他の業務に支障が出る。
つまり、足で回るだけでは成果が出にくいのです。
4. それでも残る「どぶ板営業の精神」
では、どぶ板営業は完全に不要でしょうか?
答えは「方法としては古いが、精神としては必要」です。
食品バイヤーに会うチャンスが減っても、泥くさく調査し、現場の声を拾い、改善を繰り返す姿勢は欠かせません。
たとえば、
- 自社商品の棚割りをチェックする
- 競合商品の価格や販促を記録する
- 来店客層を観察する
- 店長やスタッフのつぶやきから売場の課題をつかむ
こうした地道な情報収集は、営業戦略の土台になります。
5. 社長が取るべき新しい営業戦略
食品会社の社長が「売れる仕組み」を作るには、以下の3本柱が必要です。
- マーケティング営業:ネット記事・SNS発信・展示会でリードを獲得
- 提案型営業:データを使った売場改善の提案、試食会での検証
- 営業代行の活用:経験豊富な外部パートナーに「足」を任せる
この3本柱を回していくことで、営業は単なる訪問ではなく「仕組み」として機能します。
6. 営業代行を取り入れるメリット
(1) 人手不足を解消
多くの食品会社は営業部門の人員が限られています。
代行会社を使えば、首都圏・関西圏のバイヤー商談を効率的にこなせます。
(2) 専門知識を活用
営業代行はスーパー・百貨店・ホテルの流通構造を熟知しています。社長が自力で時間をかけて調べるよりも、
はるかに早く販路を開拓できます。
(3) 社長は戦略に集中できる
「営業代行がアポを取り→社長が最終商談で決裁」という役割分担をすれば、
無駄な動きが減り、経営判断に集中できます。
(4) 試作や小ロット商品でもテスト可能
「本当に売れるか不安」という商品でも、営業代行を使えば複数の店舗で同時にテスト販売できます。
これは社長が一人で走り回るよりもはるかに効率的です。
7. 営業代行の活用シーン
食品会社が営業代行を使うケースは多岐にわたります。
- 新商品発売時:営業代行にテスト販売先を探してもらい、売れる店・売れない店を検証
- 販路拡大時:地元では売れている商品を、都市圏に広げるための足がかり
- 既存商品の立て直し:売上が落ちた商品の改善ポイントを探るため、売場観察+バイヤーの声を収集
このように、営業代行は「社長の戦略の実行部隊」として大いに役立ちます。
8. どぶ板営業と営業代行のハイブリッド
理想的なのは「精神はどぶ板、実務は代行」のスタイルです。
- 精神:現場を観察し、試食販売を体験し、顧客の声を聞く
- 実務:アポイント獲得や資料送付は営業代行に任せる
このハイブリッド型により、効率と情熱の両立が可能になります。
9. 営業代行を選ぶときのチェックポイント
- 食品流通の経験があるか?
- バイヤーとのネットワークを持っているか?
- レポート報告が定期的か?
- 成果報酬型か固定費型か?
- 自社の方針に合うスタイルか?
安いだけの代行では成果が出ません。社長の右腕になれるパートナーを選ぶことが重要です。
10. 売上アップに直結する実践例
- 【事例1】地方の農産加工メーカーが、営業代行を通じて高級スーパー3社に新規導入。半年で販路が倍増。
- 【事例2】冷凍食品会社が、社長自ら売場観察+営業代行のアポ取りで、首都圏ホテルチェーンに採用。
- 【事例3】小規模水産加工会社が、営業代行に任せた結果、展示会出展から半年で売上1.5倍に。
- 【事例4】健康志向の惣菜メーカーが営業代行を活用し、コンビニの地域限定商品として採用。知名度向上につながった。
どれも「泥くささ+仕組み化」が共通点です。
11. 社長が考えるべき「営業の未来像」
食品会社の営業は、これからさらに「データ+人間力」が必要になります。
- POSデータや来店者属性の分析
- SNSやレビューサイトでの消費者の声の収集
- バイヤーの「売れる根拠」を裏付ける数字の提示
営業代行はこうした情報を集めやすくし、社長は「どの商品に投資すべきか」「どの販路に注力すべきか」を判断できます。
12. 社長へのメッセージ
食品会社の社長にとって、営業は「魂」と「仕組み」の両輪です。
どぶ板営業の精神を持ちつつ、営業代行を活用して効率化しなければ、限られた時間と人材で売上を伸ばすことは困難です。
「売り込まない営業」「顧客に寄り添う提案」「代行を使った効率化」――この3つを実践することで、持続的な販路開拓が可能になります。
まとめ
- どぶ板営業そのものは時代遅れだが、精神は今も必要
- 営業代行を使うことで効率的に販路を開拓できる
- 社長は戦略判断に集中し、代行に「足」を任せるべき
- 泥くさい観察+スマートな仕組み=売上アップにつながる
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