先日、本当に久しぶりに「昭和の営業」と呼べる人に出会いました。
その営業マンは、こちらの都合など一切気にせず、とにかく自分の商品を一方的にアピールするばかり。
まるで、昔のテレビショッピングを見ているような感覚でした。
「この商品は他社にはない技術で作られていて、こんなに素晴らしいんです!」
「今買わないと損しますよ!」「この機会を逃したら次はいつ手に入るかわかりません!」
とにかく押し売り一本で、お客さんの悩みや気持ちにはまるで耳を傾けません。当然、お客さんからは嫌われ、
リピート注文なんてありません。その場限りの売り逃げ営業では、ビジネスは長続きしません。
正直、本当に残念でした。
「昭和の残念な営業」に共通する3つの特徴
食品会社の社長として、御社の営業チームが真の売上拡大を達成するためには、
まず「昭和の営業」がなぜ通用しないのか、その根本原因を理解することが大切です。
彼らには、共通して以下のような残念な特徴があります。
1.「一方的な知識の押しつけ」でお客さんを信用させようとする
昭和の営業は、自分の持つ商品知識を全面に出して「私はこんなに詳しいんですよ」とアピールし、
お客さんを信用させようとします。でも、お客さんは営業マンの知識レベルには興味がありません。
本当に知りたいのは、自分の悩みが、その商品によってどう解決できるか、ということです。
例えば、御社がオーガニックの新しい調味料を開発したとします。
お客さんは「最近、健康志向だけど、毎日忙しくて凝った料理はできない」という
悩みを抱えているかもしれません。ここで、調味料の成分を細かく説明するのではなく、
「この調味料を使えば、忙しい日でもたった数分で、家族みんなが喜ぶ健康的な料理が作れますよ」と伝える。
お客さんの未来を具体的にイメージさせることが、何より大切なのです。
2.「不安をあおって契約をとる」という手法に頼る
「今買わないと手に入りませんよ」と、お客さんの不安をあおる手法は、短期的に見れば効果があるように
思えるかもしれません。それはお客さんに「納得して買った」という満足感を与えません。
むしろ、「騙されたのではないか」という不信感につながる可能性があります。
食品業界は、特に信頼が重要です。お客さんは、口にするものだからこそ、
安心できる会社から買いたいと思っています。不安をあおるような営業スタイルは、
御社のブランドイメージを大きく損ない、一度失った信頼を取り戻すのは非常に困難です。
3.「ビジネスは継続が大切」という視点が欠けている
昭和の営業は、目の前の契約を最優先するあまり、お客さんとの長期的な関係を軽視しがちでした。
ビジネスの成功は、一度きりの取引ではなく、リピート注文と、お客さんからの紹介によって成り立ちます。
一度商品を購入してもらった後も、お客さんの状況を気遣い、新しい提案や情報提供を行うことで、
関係性を深めていくことが大切です。
御社の新商品や季節限定商品などを定期的に案内したり、お客さんの成功事例を共有したりすることで、
御社が常に顧客の味方であることを示せます。こうした積み重ねが、御社のファンを増やし、
安定した売上基盤を築きます。
時代を超えて通用する「営業の本質」とは
中村天風と松下幸之助は、常に人としてどうあるべきか、
そしてビジネスにおける「公明正大」な姿勢の重要性を説いていました。
これは、営業活動においても全く同じことが言えます。
小手先のテクニックや、お客さんを騙すようなやり方では、真の成功は掴めません。
お客さんと真摯に向き合い、その成功を心から願うという根本的な考え方を持つことが、
現代の営業に求められる役割です。
この考え方は、お客さんだけでなく、社内のチームメンバーとの関係にも応用できます。
お互いを尊重し、助け合う姿勢が、営業チーム全体のパフォーマンスを向上させます。
なぜなら、お客さんは商品だけでなく、その会社全体の「人」を見ているからです。
販路開拓を加速させるための具体的な3つのステップ
「うちの営業チームも、もう少し柔らかい売り方に変えたいんだけど、何から始めたらいいかわからない…」
そう思っている方もいるかもしれません。
でも、ご安心ください。大掛かりなシステムや高価なツールを導入しなくても、今すぐに始められることがあります。
ステップ1:パソコン(Excel)で顧客情報を整理する
まずは、お客さんとの関係を「見える化」することから始めましょう。高価な顧客管理システムは必要ありません。
パソコンにExcelやスプレッドシートを立ち上げて、以下の項目を記録するだけで十分です。
お客さんの会社名、担当者名、連絡先
商談の日付と内容(例:「新商品Aを提案。お客さんは価格を気にしていた」など)
お客さんが抱えている悩みや課題(例:「仕入れコストを下げたい」「新しい客層を開拓したい」など)
お客さんの趣味や嗜好(雑談で聞いたことでもOKです)
次回の連絡予定日
こうしてデータを蓄積することで、誰がいつ、どんなお客さんに接触したかが一目でわかります。
これにより、よりパーソナライズされた提案ができるようになり、お客さんとの信頼関係も自然と深まります。
ステップ2:メールマガジンやSNSで役立つ情報を発信する
お客さんとの接点は、商談の場だけではありません。メールマガジンやSNSを活用して、
新しい商品の情報だけでなく、季節のレシピや食のトレンド、業界のニュースなど、
お客さんにとって役立つコンテンツを定期的に発信しましょう。
これにより、営業活動をしていない時間でも、お客さんとの接点を持ち続けることができます。
「この会社は、いつもためになる情報をくれるな」と思ってもらえれば、
御社のファンが増え、自然と「何かあったら御社に相談しよう」と思ってもらえるようになります。
ステップ3:お客さんの成功事例を共有する
お客さんの成功事例は、最高の営業ツールです。
例えば、「飲食店B様が、御社の食材を使った新メニューが大好評で、
売上が20%アップしました!」といった事例をまとめ、他の見込み客に共有しましょう。
成功事例は、言葉で説明するよりも説得力があります。
それは、御社の商品が「誰かの悩みを解決し、成功に導いた」という事実を証明するものだからです。
販路開拓は「お客さんを幸せにすること」
昭和の営業は「自分の商品を売ること」に必死でしたが、令和の営業は「お客さんを幸せにすること」がゴールです。
お客さんの声に耳を傾け、その悩みを解決し、ビジネスを成功に導く手助けをする。
その結果として、商品が売れ、御社の事業も成長していくのです。
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