日々、営業代行や販路開拓の現場を支援していると、必ずといっていいほど聞かれる質問があります。
「うちの営業マンが、最近やる気をなくしてしまっている」
「数字の話をすると黙り込んでしまう」
このような悩みを抱える社長は少なくありません。
営業という仕事は数字に追われ、結果がすべてとされる世界。
その中で“やる気を失う瞬間”を見極め、早めに手を打つことが経営者の役割です。
今回は、営業代行・営業支援の視点から、営業マンがやる気をなくす理由と、
社長ができる最も効果的な対応策をお伝えします。
営業マンがやる気をなくす瞬間とは
営業マンがやる気をなくす最大の理由は「売れないこと」ではありません。
本当の原因は、「どうすれば売れるかがわからないこと」です。
売れないときにやる気を失うのではなく、打開策が見えないときに心が折れるのです。
ノルマが達成できない、上司がうるさい、クレーム対応がつらい――。
それらは一見原因に見えて、実は結果にすぎません。
根本には、「誰に・どんな提案を・どの順序で行えば成果が出るのか」という戦略の欠如があります。
方向が見えなくなった営業マンは、数字の前に精神的に限界を迎えます。
売れない営業マンを叱っても意味がない
多くの会社で、売れない社員に対して「もっと頑張れ」「数字を上げろ」と叱咤します。
けれども、気合や根性だけでは売上は上がりません。
営業代行の現場で成果を出している会社ほど、叱るより先に「なぜ売れないのか」を一緒に考える文化があります。
社長や上司が寄り添い、課題を分解し、現場で具体的な改善策を探る。
それができる会社は、営業マンの離職率が極端に低いです。
社長が怒るのは簡単です。
けれども、それでやる気を取り戻す営業マンはいません。
必要なのは“指導”ではなく“伴走”です。
売り方がわかれば人は動く
営業マンのやる気は「売れる確信」に比例します。
売り方や提案の流れが整理できれば、自信が生まれます。
たとえば、営業代行会社が行う研修や同行営業の目的もここにあります。
トークスクリプト、提案書、初回面談の流れなど、行動レベルで「やり方」を明確にすると、
驚くほど表情が変わります。
やり方が見えた瞬間、営業マンは自ら動き始めます。
上司に怒られても、取引先に厳しく言われても、へこたれなくなります。
自信の源は「勝ち方を知っている」という体験です。
社長がやるべきことは“聞く”ことから
もし、あなたの会社で営業マンのやる気が下がっているようなら、
まずは「最近、どんなことに困っている?」と声をかけてください。
そのときのポイントは、解決策を急がないこと。
相手の言葉を最後まで聞き、原因を一緒に考える姿勢が大切です。
「もっと売れ」「頑張れ」と言う前に、“何に悩んでいるのか”を聞き出す時間を取る。
それだけで空気が変わります。
営業マンは、話を聞いてもらえるだけで安心します。
そこから新しい発想や改善のアイデアが生まれるのです。
営業代行の視点から見た再生ステップ
営業代行や営業支援の現場で成果を上げてきた会社には、共通の再生パターンがあります。
- 原因の特定
「商品が弱い」「ターゲットがずれている」「話法が不明確」など、課題を細分化します。 - 営業シナリオの再設計
顧客との会話の流れを整理し、ヒアリングと提案の順序を標準化します。 - 同行営業による改善
実際の商談に同行し、現場で課題を指摘・修正します。 - 行動目標の見直し
「今月何件訪問」ではなく、「どの相手に何を伝えるか」という中身を重視します。 - 成果報告と称賛
小さな成功を認め、チーム全体で共有します。
このステップを繰り返すと、数字だけでなく組織全体の空気が変わります。
営業代行を外部に依頼する企業も、最初はこの“仕組みの立て直し”を目的とするケースが多いのです。
営業マンのやる気は環境で決まる
モチベーションの高い営業組織は、目標よりも「成長実感」を重視しています。
「前より少し良くなった」「お客様に褒められた」――この小さな積み重ねが自信を育てます。
そのために、上司や社長がすべきことは成果よりも過程を認めることです。
プロセスに焦点を当てれば、営業マンは自然と動きます。
その文化が根づくと、組織の強さは何倍にもなります。
営業代行の活用も、単に「外注」ではなく、「社内を再起動させる刺激」として機能させるのが理想です。
まとめ 営業代行は“やる気の再生装置”
営業マンがやる気を失うとき、原因は本人ではなく環境にあります。
やる気を取り戻すためには、方向を示し、売り方を明確にすること。
その支援を社内で行うのが難しいときは、営業代行をうまく活用することも一つの手段です。
外部の視点が入ると、現場の思考が整理され、改善スピードが一気に上がります。
営業代行は単なる「売る代行」ではなく、営業力を再生させる仕組みづくりのパートナーです。
さあ、社長。今日こそ営業マンに声をかけ、課題を共有しましょう。
「うまくいかない」を一緒に言葉にできた瞬間から、再生は始まります。
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