売り上げを左右する「アポ変更」の落とし穴


もしかして、バイヤーとの商談の約束を、「急な用事ができたから」といった理由で、軽く変更してしまった経験はありませんか?「どうしても外せない予定が入ってしまって」社長というお立場上、予期せぬ出来事が起こるのはよくあることですよね。

その気持ち、とてもよくわかります。でも、そのたびに気軽にアポ変更をしていると、実は御社の将来を危険にさらしてしまうかもしれないということをご存知でしょうか。今日は、なぜバイヤーとの約束を大切にしないといけないのか、その本当の理由についてお話ししますね。

バイヤーの「貴重な時間」を大切にしていますか?

多くの社長は、バイヤーとのアポイントを、単なる「面談の約束」だと思っているかもしれません。
ですが、ちょっと考えてみてください。バイヤーは、毎日たくさんのメーカーと会っています。スケジュールは分刻みで、とても忙しいのです。
そんな中で、御社のために時間を空けてくれたのは、社長の会社や商品に興味があるという証拠です。その時間を確保するために、他の仕事を調整したり、予定を断ったりと、たくさんの努力をしてくれているのです。
それを「急に用事ができたので」の一言で簡単に変えてしまうのは、バイヤーの時間や気持ちを軽んじることになってしまいます。もし、あなたが誰かとの大事な約束を簡単に変更されたら、どう感じますか?「この人は自分の時間を大切にしてくれないんだな」「誠意がないな」そう感じてしまいますよね。バイヤーも同じです。一度でもそういう印象を与えてしまうと、次に会う約束を取り付けるのが難しくなってしまうかもしれません。

信用は「たった一度」の行動でなくなってしまう

ビジネスの世界では、信用が一番の宝物です。特に、初めてお取引をする相手には、最初の印象がとても大切になります。バイヤーは御社の会社の商品だけでなく、社長という人や、会社全体を見ています。
約束を守るという当たり前の行動が、社長の誠実さや信頼できる人かどうかを判断する材料になるのです。「たかがアポイントの変更くらいで…」そう思うかもしれませんが、この「たかが」という考えが一番危険です。いや、自分はアポを大切に思っているというのであれば、重要事項の変更という意識を持ってバイヤーに伝えてください。
バイヤーは、たくさんのメーカーと日々向き合っています。もし、約束を簡単に破るメーカーと、どんな小さな約束でもきちんと守るメーカーがいたら、どちらと取引をしたいと思うでしょうか?
当然、後者ですよね。アポイントの変更は、バイヤーに「この会社は、納品日や価格などのもっと重要な約束も簡単に破るのでは」という不安を抱かせてしまいます。一度なくしてしまった信用を取り戻すのは、とても大変なことです。
それに、一度失墜した信用は、同業者さんの間で噂になり、あなたの会社の評判を落とすことにもつながりかねません。

もし、どうしても変更しないといけないときは?

もちろん、どうしても外せない緊急の用事ができてしまうことはあります。たとえば、製造ラインでの急なトラブルや、社員の体調不良、災害など、会社の存続に関わるような事態、家族のこともあります。そんな時は、どうすれば良いのでしょうか。
まず、一番大切なのは、「できるだけ早く、そして誠実に」連絡することです。アポイントの直前ではなく、変更の可能性があると分かった時点で、すぐにバイヤーに連絡しましょう。そして、変更の理由を正直に、でも簡潔に伝えます。「急な用事が」ではなく、「製造ラインでトラブルが起きてしまい、対応に追われています」といったように話すことで、相手もわかってくれる可能性が高まります。そして、最も大切なのは、「心から謝ること」「次の約束を提案すること」です。
「本当に申し訳ございません。ご迷惑をおかけして、心からお詫び申し上げます。」と、謝罪の気持ちを言葉だけでなく態度でも示しましょう。ただ謝るだけでなく、「来週の〇曜日はいかがでしょうか」「オンラインでの商談に切り替えることは可能でしょうか」といったように、次の機会につなげるための具体的な提案を同時に行うことが重要です。
相手の時間を奪ってしまったことへの感謝と、再びお会いしたいという熱意を伝えることで、相手もあなたの誠実な気持ちを受け取ってくれるはずです。

バイヤーとの関係は「信頼」という名の投資

バイヤーとの関係は、一度きりの商談で終わりではありません。それは、これから長くお付き合いしていくための「信頼」という名の投資なのです。あなたの会社の未来は、バイヤーとの関係にかかっていると言っても言い過ぎではないでしょう。
商品がどれだけ素晴らしくても、バイヤーとの信頼関係がなければ、御社の描く未来は実現しないかもしれません。バイヤーは、単に商品を仕入れてくれる人ではなく、会社の商品を世に広めるための大切な「パートナー」です。
そのパートナーを大切にすることが、あなたの会社の未来を明るくすることにつながるのです。アポイントの重み、そしてバイヤーの貴重な時間を改めて意識して、日々の仕事に取り組んでいきましょう。社長の小さな行動が、きっと大きな成果となって実を結びますよ。

まとめ

バイヤーとの関係は、長期的な「信頼」という会社の生命線です。なにより大切なものです。
バイヤーとのアポイントは、信頼をつくるための貴重な「投資」です。

軽い気持ちでアポ変更をすると、相手の貴重な時間を軽んじることに。
「たかがアポ変更」という考えが、信用を失う最初の一歩です。

どうしても変更が必要なときは、できるだけ早く、そして誠実に連絡し、
心からの謝罪と次の約束を提案しましょう。


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