営業の成果を上げたいと思う一方で、営業マンが必死で売り込む姿に、「本当にこのままでいいのだろうか」と
疑問を感じることはありませんか?「もっと売り込んでこい」とハッパをかけても、なぜか売上は伸びず、
かえってバイヤーが離れていくように感じる。実は、それは気のせいではありません。
バイヤーは、売り込まれると本能的に警戒してしまいます。一度、心が閉じてしまうと、
その距離を縮めるのはとても大変です。「買わされている」と感じさせてしまうと、その後の関係を築くのは
難しくなります。
では、どうすれば営業マンは売り込みをせずに、売上を伸ばすことができるのでしょうか。
その秘訣は、「信頼関係」をつくる、これにつきます。ここでは、具体的な方法をお伝えします。
1.まずは「聴く」ことに心を向ける
営業と聞くと、つい自分の会社の商品の魅力を話すことに意識が向きがちです。
本当に大切なのは「話す」ことではなく、「聴く」ことなのです。どんなことに困っているのか、
どんな悩みを持っているのかを、じっくりと耳を傾けて聴くことからすべては始まります。
たとえば、取引先のスーパーのバイヤーが、「最近、健康志向のお客さんが増えて、
どんな商品を置けばいいか悩んでいる」と話していたとします。
その時、すぐに自社の健康食品を売り込むのではなく、
まずはその悩みに共感しましょう。「そうなんですね、お客さまのニーズも多様になってきていますよね」と、
相手の気持ちに寄り添うことで、安心して本音を話してくれるようになります。
2.バイヤーの困りごとを解決する「お手伝い」を提案する
バイヤーの悩みを深く理解できたら、次はそれを解決する「お手伝い」を提案します。
この時、「うちの商品を買ってください」という言葉は使いません。あくまで「御社の課題を解決するために、
こんなお手伝いができますよ」という姿勢です。
先ほどの例で言えば、「健康志向のお客さまの悩みに、弊社の〇〇というカロリー控えめな商品が
お役に立てるかもしれません」といったように、課題と自社の商品を優しくつなげて提案します。
このように、商品を単なる「物」として売るのではなく、バイヤーの悩みを解決する「解決策」として提案することで、
自然と「これは欲しいな」と感じてくれます。
3.長期的な「仲間」としての関係を築く
一度商品を購入してもらったら、それで終わりではありません。バイヤーとの関係を長く続けることが、
次の売上につながります。役立つ情報を、定期的に提供し続けることで、より深い信頼関係を築くことができます。
たとえば、新しい商品の情報だけでなく、食のトレンドや市場の動向など、ビジネスに役立つ情報を伝えるのです。
そうすることで、「この営業マンは、いつも私たちのことを気にかけてくれている」と感じ、
心強い「パートナー」として見てくれるようになります。
また、意見や感想を大切に受け止め、それを自社の製品づくりに活かす姿勢を見せることも大切です。
バイヤーが「自分の声が届いている」と感じれば、その会社や営業マンへの愛着はさらに深まります。
4.数字を追いかけるのではなく「信頼」を積み重ねる
「今月のノルマを達成しなければ」というプレッシャーは、営業マンにとって大きな負担です。
数字ばかりに意識が向いてしまうと、どうしても売り込みの姿勢が強くなり、かえって離れていってしまいます。
そうではなく、「今日はどんなお役に立てるかな?」という気持ちを大切にして行動することが重要です。
目先の数字にとらわれず、自社自分の都合ではなく一人ひとりとの信頼を丁寧に積み重ねていくこと。
その積み重ねが、やがて大きな売上という形になって返ってくるのです。
5.商品ではなく「自分」という人間を好きになってもらう
最終的に、バイヤーが商品を買うのは、その営業マンを信頼しているからです。どんなに素晴らしい商品でも、
信頼できない会社や人からは買いたくないと思うのが人の心です。
だからこそ、営業マン自身が「この人から買いたい」と思ってもらえるような人間になることが大切です。
約束を守る、返事を早くする、小さな変化に気づくなど、当たり前のことを心を込めて行うことで、
営業マン自身の価値は高まります。
売り込まない営業は、心にそっと寄り添い、信頼関係をつくっていくことです。そうすれば売り込まなくても
「あなたの会社の商品が欲しいです」と言ってくれるようになります。
まとめ
営業チームに「どんどん売り込め」と強要するのではなく、バイヤーとの信頼を築くための「聴く力」と「提案力」を
育むように促すことで、結果として売上は自然と伸びていきます。
ノルマを達成するために数字を追うのではなく、信頼を第一に考える。
これが、売り込まない営業が大きな成果を上げる秘訣です。この考え方を御社の営業チーム全体で共有し、
実践することで、新しい販路が開拓され、関係性が築かれていくことでしょう。
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