「営業マンがバタバタしているだけで成果が上がらない」 その課題、実は多くの食品会社が直面しています。
毎日、朝から晩まで走り回っているのに、売上が伸び悩んでいる。 訪問件数は多いのに、なぜか契約に結びつかない。
新しい販路開拓もしたいが、目の前の業務に追われて手が回らない。
もし、御社がこのような状況なら、それは営業マンの能力の問題ではありません。 成果を出すための「仕組み」が、
まだ整っていないだけかもしれません。
この記事では、頑張っているのに成果が出ない営業組織が抱える課題をひも解き、
今すぐ実践できる具体的な改善策をお伝えします。
御社の営業組織を「忙しい」から「成果を出す」組織へと変えるヒントを、ぜひ見つけてください。
なぜ、バタバタ営業は成果に繋がらないのか?
営業マンが常にバタバタしている状態は、一見すると「頑張っている」ように見えます。
この状態はかえって成果を遠ざけてしまう原因になります。
なぜなら、バタバタしていると、次のような悪循環に陥ってしまうからです。
1. 目の前のタスクに追われ、本質的な活動ができない
「今日はあのお客様に電話して、この資料を作って、あの商談の準備をして…」 と、
日々のタスクをこなすだけで精一杯になっていませんか?
目の前の仕事に追われていると、「なぜこの仕事をしているのか」「この活動が本当に売上に繋がるのか」といった
本質的な問いを考える時間がなくなってしまいます。
その結果、重要度の低い作業に時間を費やしてしまい、本当に大切な「顧客との関係構築」「新規顧客の開拓」といった活動が
おろそかになってしまうのです。
2. 優先順位がつけられず、効率が下がる
バタバタしている状態では、仕事の優先順位がつけられなくなります。
「急ぎの問い合わせが入ったから、先にそちらを対応しよう」 「上司から頼まれた仕事だから、すぐに取り掛かろう」
このように、外部からの要望や突発的なタスクに振り回され、自分自身で仕事のペースをコントロールできなくなって
しまいます。
その結果、計画性が失われ、一つの作業に集中できず、効率が大幅に低下してしまいます。
3. 顧客への対応が雑になり、信頼を失う
時間がないため、顧客からの問い合わせへの返信が遅れたり、打ち合わせの準備が不十分になったりしませんか?
「どうせ忙しいから仕方ない」と、自分に言い訳をしてしまうかもしれません。 バイヤーは御社の営業マンがどれだけ
忙しいかは知りません。 「対応が遅い」「質問してもすぐに答えが返ってこない」と感じると、不信感を抱いてしまいます。
これは、長期的な関係性を築く上で致命的です。 顧客からの信頼を失うことは、将来の売上を失うことに直結します。
バタバタ営業から脱却するための3つの具体策
では、どうすればこの悪循環から抜け出し、成果を出せる営業組織に変われるのでしょうか?
ここでは、今すぐ実践できる3つの具体的な方法をご紹介します。
1. まずは「見える化」する
「バタバタしている」と感じる原因の一つは、「やることが多すぎて、全体像がつかめない」ことです。
この状態を解消するために、まずは営業マンの「やること」をすべて「見える化」しましょう。
具体的には、紙の手帳やノートに、今抱えているタスクをすべて書き出すことをおすすめします。
スマートフォンやPCのアプリでも良いですが、手で書き出すことで、思考が整理されやすくなります。
- 今日やるべきこと
- 今週中に終わらせたいこと
- 来月までに進めておきたいこと
- 顧客からの問い合わせ
- 上司からの依頼
- 新規顧客候補のリストアップ
など、大小さまざまなタスクをすべて書き出してみてください。
すべて書き出してみると、「意外とたいしたことないな」「これはやらなくても良いな」と気づくこともあります。
まず、全体像を把握することが、次のステップへ進むための第一歩です。
2. 「優先順位」をつける
タスクがすべて書き出せたら、次にそれぞれのタスクに「優先順位」をつけます。
このとき、「重要度」と「緊急度」の2つの軸でタスクを分類することが効果的です。
| 緊急度が高い | 緊急度が低い | |
| 重要度が高い | いますぐやるべきこと | 計画を立てて取り組むべきこと |
| 重要度が低い | 他の人に任せるか、効率化すべきこと | やらないことを検討する |
たとえば、
- 重要度が高く、緊急度も高い:大口顧客からのクレーム対応
- 重要度が高く、緊急度が低い:新規顧客へのアプローチ、来月の売上目標達成のための戦略立案
- 重要度が低く、緊急度が高い:すぐに返信が必要なメール(重要度が低いと判断した場合)
- 重要度も緊急度も低い:不要な会議への出席、優先度の低い事務作業
このように分類することで、「いま、最もやるべきことは何か?」が明確になります。
緊急ではないが重要なタスク(新規顧客開拓など)に、意識的に時間を使うことができれば、
将来の売上は確実に伸びていきます。
3. 「時間管理」を徹底する
タスクを整理し、優先順位をつけたら、最後に「時間管理」を徹底します。
紙の手帳に、やるべきタスクを時間軸に落とし込んでいきましょう。「午前中は商談準備と新規リストアップに集中する」
「午後は顧客訪問に時間を充てる」というように、自分自身の時間割を作るのです。
このとき、「○○の商談準備」と漠然と書くのではなく、「○○社の商談資料作成(1時間)」
「○○社の新商品提案資料を修正(30分)」のように、具体的なタスクと所要時間を書き込むことがポイントです。
予定通りに進まないことももちろんあります。 計画を立てておくことで、「今日はこのタスクを終わらせる」という
意識が生まれ、集中力が格段に高まります。
また、週に一度、この計画を振り返る時間を設けてみてください。 「計画通りに進まなかった原因は何か」
「どうすればもっと効率よくできるか」を考えることで、少しずつ時間管理の精度が上がっていきます。
経営者ができる「仕組み作り」のヒント
営業マン一人ひとりの意識改革も大切ですが、組織として「成果を出す仕組み」を整えることが、持続的な成長には不可欠です。御社の営業組織がより効果的に動くために、社長としてできることを考えてみましょう。
1. 営業活動のKPI(重要業績評価指標)を見直す
「バタバタ営業」は、往々にして「行動量」だけが評価されがちな環境で生まれます。
「訪問件数が○件」 「電話を○件かけた」
といった行動量だけでなく、「提案件数」「成約率」「既存顧客からの紹介件数」など、
成果に直結するKPIも評価指標に加えることを検討してみてください。これにより、営業マンは単に数をこなすのではなく、
「いかに効率よく、成果に繋がる行動をするか」を考えるようになります。
2. ツールを活用して「見える化」を促進する
CRM(顧客関係管理)やSFA(営業支援システム)といったツールを導入することも一つの手です。(優先度低い)
これらのツールを活用することで、
- どの顧客に、いつ、どのような提案をしたか
- 商談の進捗状況
- 顧客からの問い合わせ履歴
といった情報が、組織全体で共有できます。 これにより、営業マン個人の負担を減らし、
チームとしての連携を強化することができます。 また、経営者もリアルタイムで営業活動の状況を把握でき、
より的確な指示が出せるようになります。
3. 成功事例を共有する場を作る
「あの営業マンは、どうやって成果を出しているんだろう?」成果を出している営業マンの「やり方」を
組織全体で共有することで、チーム全体のスキルアップに繋がります。
週に一度のミーティングで、成功事例を共有する時間を設けてみてください。
「〇〇というアプローチをしたら、お客様の反応がとても良かった」 「このツールを使ったら、資料作成の時間が半分になった」といった具体的なノウハウが共有されれば、他の営業マンもそれを参考に、自分自身の働き方を見直すきっかけになります。
最後に:小さな一歩から始める
「バタバタ営業」からの脱却は、一朝一夕でできるものではありません。
今日お伝えした「見える化」「優先順位付け」「時間管理」は、どれもいますぐに始められる小さな一歩です。
まずは、御社の営業マンに、「手帳にタスクを書き出すこと」から勧めてみてください。
そして、その小さな変化を経営者として応援してあげてください。
やがて、その小さな一歩が大きな成果となり、御社の売上拡大へと繋がっていくはずです。
食品会社社長のための販路開拓のヒント
御社のビジネスをさらに加速させるための具体的な戦略や、個別の課題解決について、ご相談を承っております。
販路開拓の成功事例や、メディア出演の経験を活かしたノウハウにご興味がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
● 顧問契約をご検討中の企業さまへ
貴社の商品に合った販路開拓戦略をご提案し、バイヤーへの営業活動を行います。
● セミナーを企画中の支援機関・団体さまへ
展示会営業や販路づくりをテーマに、全国各地で講演実績があります。
● メディア・取材ご担当者さまへ
中小企業の営業現場を事例とともに紹介できます。ご相談はお気軽に。
