お世話になったバイヤーの異動はチャンス! 新しいご縁を育む営業の秘訣


新年度の4月は(いま7月ですみません)、食品業界でも人事異動が多く行われる季節ですね。
これまで長らくお付き合いいただき、本当にお世話になったバイヤーが異動されることもあるでしょう。

信頼関係を築いてきた方との別れは寂しいものですが、この異動こそ、新たなご縁を育み、
事業をさらに発展させる絶好の機会と捉えることができます。

バイヤーの異動と聞くと、これまでの関係がリセットされてしまうのではないか、と不安を感じる社長も
いらっしゃるかもしれません。ご安心ください。いくつかのポイントを押さえることで、後任のバイヤーともスムーズに
信頼関係を築き、より強固なパートナーシップを構築していくことが可能です。

今回は、お世話になったバイヤーが異動される際に特に意識していただきたい営業の秘訣についてお伝えします。

新しいバイヤーとの出会いをゼロから始める心構え
これまでのバイヤーと築き上げてきた関係は、自社の事業にとって非常に大切な財産です。
後任のバイヤーとお話しする際には、その関係を一旦心の中にしまい、ゼロから新しい関係を築くという心構えが
非常に重要になります。

新しいバイヤーは、ご自身の立場や責任において、これからの業務を進めていくことになります。
前任の方との経緯はもちろんある程度引き継がれているかもしれませんが、ご自身の目で状況を確認し、
ご自身の考えで判断したいと考えるのが自然なことです。

ここで、前任のバイヤーとはこう決まっていました、以前のバイヤーはこう仰っていましたよ、といった言葉を使うのは、
できるだけ避けるようにしましょう、いやNGワードの気持ちくらいでいいです。

悪気はなくても、新しいバイヤーにとっては、ご自身の判断を尊重されていないように感じてしまう可能性があります。
前任の方との話は一旦置いておき、まずは新しいバイヤーのお考えや現在の状況に耳を傾けることから
始めるのが良いでしょう。

傾聴の姿勢で新しいニーズを発見する
新しいバイヤーとの初対面では、これまでの経緯を説明するよりも、聞くことに徹する姿勢が大切です。
どのような業務を担当されているのか、現在どのような課題を抱えているのか、今後どのような目標をお持ちなのかなど、
丁寧に質問を投げかけ、新しいバイヤーの声にじっくりと耳を傾けてみてください。

これまでのバイヤーとは異なる視点や、新しいニーズが隠されているかもしれません。
例えば、これまでとは異なる製品やサービスの導入を検討されていたり、現在の業務フローに改善の余地を
感じていらっしゃったりすることもあります。
これらは、既存の取引を維持するだけでなく、新たな提案を行うための貴重なヒントになります。

お客様の状況を深く理解しようとする姿勢は、新しいバイヤーからの信頼を得る上で不可欠です。
まずは相手を理解することに注力し、お客様のビジネスに貢献できる可能性を積極的に探していくことが、
長期的な関係構築につながります。

過去にとらわれず、未来を共に創る提案を
新しいバイヤーとの関係構築では、過去ではなく未来に焦点を当てることが成功のカギとなります。
前任のバイヤーとのやり取りや商談内容を細かく説明するよりも、これから新しいバイヤーとどのように協力し、
お客様の事業をより良くしていけるか、という未来志向の提案を心がけましょう。

具体的な提案を行う際には、これまでの実績や経験を活かしつつも、新しいバイヤーの目標や課題に
寄り添った内容にすることが重要です。例えば、お客様の業界における最新のトレンドや、
他社様の成功事例などを交えながら、新しいバイヤーのビジネスにどのようなメリットをもたらすことが
できるのかを具体的に示していくと良いでしょう。

単にモノを売る、サービスを提供するという視点ではなく、お客様の課題解決に貢献するパートナーという意識を
持つことで、より深く、より本質的な関係を築くことができます。

新しいバイヤーがこの人となら、安心して任せられると感じてくださるような、丁寧で誠実な対応を心がけてください。

スピード感と柔軟な対応で信頼を深める
新しいバイヤーが着任されたばかりの時期は、何かと慣れないことも多く、手探りの状況かもしれません。
そのような時に、迅速かつ柔軟な対応を心がけることで、新しいバイヤーからの信頼をいち早く得ることができます。

例えば、お問い合わせへの返信は速やかに、ご要望に対してはできる限り柔軟に対応する姿勢を見せましょう。
細かいことでも、この人は頼りになると感じていただくことが、今後の関係をスムーズに進めるための第一歩となります。

また、新しいバイヤーの業務理解を助けるための情報提供なども有効です。関連する資料の提供や、
これまでの取引に関する補足説明など、相手が安心して業務を進められるようなサポートを惜しまないでください。
こうした細やかな気配りが、新しい関係を強固なものへと育てていきます。

定期的なコミュニケーションで関係を継続する
一度、新しいバイヤーとの関係がスタートしたら、その後も定期的なコミュニケーションを続けることが大切です。
もちろん、頻繁すぎる連絡は避け、お客様の状況やニーズに合わせて適切なタイミングでコンタクトを取りましょう。

電話やメールはもちろん、可能であれば直接お会いしてお話する機会を作ることも重要です。
お客様の事業の進捗や市場の変化など、常に最新の情報を共有し、何かお困りのことがあればいつでも
相談できるような関係を築いてください。

また、お客様から感謝の言葉を伝えられたり、成功事例として取り上げられたりした際には、素直に喜びを共有し、
今後の更なる発展に向けて協力していく姿勢を示すことも大切です。

こうした日々の積み重ねが、単なる取引先という関係を超え、
真のパートナーとしての絆を深めていくことにつながります。

まとめ
お世話になったバイヤーの異動は、これまでの関係をゼロに戻すものではなく、むしろ新たな可能性を拓くチャンスです。
新しいバイヤーとの出会いを大切にし、過去のやり取りにとらわれず、未来志向で関係を構築していくこと。

そして、傾聴の姿勢でニーズを深く理解し、迅速かつ柔軟な対応で信頼を深めていくことが、
事業をさらに成長させるための鍵となります。

食品業界を取り巻く環境は常に変化しています。その中で、お客様との強固な信頼関係は、
変化に対応し、持続的に成長していくための大切な基盤です。

この機会に、ぜひ新しいバイヤーとのご縁を育み、お客様の事業の発展に貢献できる存在として、
さらなる飛躍を目指してください。応援しています。


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