食品販路開拓の現場で、多くの社長とお会いしています。
そのなかで感じるのは、「ちょっとした気配り」が商談を左右するということです。
来客対応の飲み物も、その代表例です。
多くの経営者が気にしていない部分にこそ、信頼関係を深めるヒントがあります。
連休明けの忙しい時期でも、社長室には取引先やバイヤーが訪れます。
新商品の打ち合わせ、サンプルの確認、価格交渉など、目的はさまざまですが、
最初の数分で相手の印象はほぼ決まるといわれます。
この最初の数分に登場するのが「飲み物」です。
たかが飲み物と思うかもしれませんが、売れる社長ほど細部にまで気を配っています。
来客対応の飲み物は第一印象を決める
訪問したバイヤーにコーヒーを出すとき、社長自身は何を飲んでいるでしょうか。
意外と多いのが「相手にだけ出して自分は飲まない」パターンです。
または、自分だけマグカップで違う飲み物を飲む。
これは無意識のうちに、相手との心理的な距離をつくってしまう行動です。
人は同じものを共有することで安心感を得ます。
同じ景色を見たり、同じ料理を食べたりすると、自然に会話がはずむのと同じです。
商談の場でも「同じ飲み物を飲む」だけで、相手の警戒心がやわらぎます。
食品会社の場合、味や素材にこだわる社長ほど、こうした細部への配慮が求められます。
「飲み物を一緒に飲む」という行為そのものが、相手に誠実さを伝えるサインになります。
健康上の理由でカフェインを避けている方もいるでしょう。
その場合は、最初にひとこと添えるだけで印象は変わります。
「申し訳ありません、私は健康の関係でお茶を控えていまして」
この一言があれば、相手も理解します。
無言で飲まないのとはまったく違います。
飲み物を出す担当がいる会社でも、社長が自ら「同じものを」と伝えることで、場の空気が変わります。
バイヤーの立場から見ても、同じ飲み物を口にしている社長には親近感を覚えます。
社長も同じ飲み物を飲むことで生まれる共感
ある食品メーカーの社長は、商談のときに自分のカップをあえて来客用と同じものにしています。
「お客さまの気持ちになれるから」と言っていました。
結果として、初対面の商談でも自然に笑顔が生まれ、リピート受注が増えたそうです。
この「共感の演出」は、どんな業種にも通じます。
飲み物の種類を選ぶときも、相手の立場を想像してみましょう。
炎天下の訪問なら冷たい麦茶、冬場なら温かい緑茶や白湯など。
相手が喜びそうな一杯を用意することが、商談の第一歩です。
飲み物の種類やタイミングも営業の一部
来客対応は「おもてなし」ではなく「戦略」です。
営業マンが売上を上げるための第一印象づくりと同じです。
特に食品業界では、味や品質だけでなく、信頼関係が取引を左右します。
味はすぐに伝わらなくても、態度や雰囲気は瞬時に伝わります。
さらに、商談中に飲み物を出すタイミングも重要です。
最初に出しておくと、相手が安心して話を始められます。
温度や香りも記憶に残る要素です。
「この会社は丁寧だな」と感じた瞬間、相手の心の扉が開きます。
来客対応を見直す三つのポイント
一 自分も同じ飲み物を飲む
二 飲み物の種類を相手に合わせる
三 温度・器・出すタイミングに気を配る
この三つを習慣にすれば、自然と信頼を得られる商談スタイルが身につきます。
来客対応の質を高めることは、商品の魅力を伝える以前に「会社の姿勢」を示す行為です。
信頼を積み重ねる社長の来客マナー
食品会社の社長にとって、飲み物は単なるおもてなしではありません。
それは、取引先との距離を縮める営業ツールです。
お茶を一緒に飲む時間が、会社の未来を変えることがあります。
来客対応は社員教育の一部でもあります。
若手社員に「飲み物を出すだけでなく、相手がどんな気持ちで来ているかを感じ取ろう」と伝えるだけで、
社内の雰囲気が変わります。
営業担当者や事務スタッフが取引先に気を配れる会社は、どんな取引先からも信頼されます。
一杯のお茶を通して会社の品格が見えます。
湯呑みの置き方、トレイの向き、声のかけ方。
どれも細かいことですが、こうした基本が整っている会社ほど、成長が早いものです。
小さな積み重ねがブランドになります。
食品会社は「味」を売る商売ですが、実際に選ばれる理由は「人柄」と「誠実さ」です。
来客対応の丁寧さが、そのまま取引継続率や紹介件数に影響します。
飲み物一杯を通じて相手に安心感を与えられる会社は、間違いなく強いです。
どんなに忙しくても、来客対応の基本をおろそかにしない。
その積み重ねが、信頼される経営につながります。
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