提案書は、ただの事務的な書類ではありません。それは、社長の思いや、新商品がお客様にどんな価値をもたらすのかを伝える、
とても大切なツールです。「新製品の提案書を作るときに気をつけることは何か?」というご質問をよくいただきます。
新商品の魅力を最大限に伝えるには、ただ商品パンフレットを印刷して渡すだけでは不十分です。
お客様の心に深く響くような、より詳しい説明を盛り込んだ提案書を作成することが重要になります。
その際、最も大切な要素、それはタイトルです。タイトルは、提案書全体の価値を左右すると言っても過言ではありません。
なぜなら、バイヤーは提案書の本文や社長の説明をすべて記憶しているわけではないからです。忙しいバイヤーにとって、
一瞬で内容を判断できるタイトルこそが、「読みたい」と思わせる鍵になります。
心を掴むタイトルを付けることで、その後の商談の成功率が格段に変わってきます。タイトルの持つ力について、
具体的な例を挙げながら一緒に考えていきましょう。
良いタイトルと悪いタイトルの違い
タイトルは、バイヤーが最初に目にする、いわば提案書の「顔」です。この「顔」が魅力的でなければ、
どんなに素晴らしい内容が書かれていても、読んでもらえない可能性が高まります。
提案書のタイトルは、その製品がお客様にどんなメリットをもたらすのかを端的に示さなければなりません。
たとえば、「新商品のフルーツゼリーのご案内」のような一般的なタイトルでは、バイヤーの心に響くことは難しいでしょう。
バイヤーが知りたいのは、「その製品が自分の会社の課題をどう解決してくれるのか」、
「導入することでどんな利益が得られるのか」という点です。
単に製品の名前を並べるだけでは、その商品が持つ本当の価値は伝わりません。
では、具体的に「良いタイトル」と「悪いタイトル」の違いを見てみましょう。
たとえば、「○○社の新商品・冷凍食品のご提案」というタイトルでは、バイヤーは内容を想像しにくいです。
「人手不足の解消と調理時間15%削減を実現する○○社の冷凍ミールキットのご提案」というタイトルはどうでしょうか。
バイヤーが抱える課題である人手不足や調理時間の短縮というキーワードを入れることで、具体的な効果が明確にイメージできます。「読んでみよう」という気持ちになります。
また、「地元の野菜を使った新商品のご導入について」というタイトルも、何を導入するのか、
導入することでどうなるのかが不明確です。
「フードロスを年間100万円削減し、ブランディングにも貢献する地元野菜のアップサイクル商品の導入について」
というタイトルなら、バイヤーは具体的なメリットを瞬時に理解できます。
提案書のタイトルを考える際は、常に「バイヤー目線」を意識してください。バイヤーの悩みや課題に寄り添い、
その解決策を提示する姿勢が大切です。
バイヤーの心を掴むタイトルの作り方
バイヤーの心を掴むタイトルを作るには、いくつかのポイントがあります。
1. ターゲットを明確にする
誰に読んでもらいたいのかを具体的にイメージしましょう。
食品バイヤーなら売上アップ、生産性向上、コスト削減といった関心が高いキーワードを盛り込むことが効果的です。
2. ベネフィットを提示する
製品やサービスがお客様にもたらす利益を具体的に示します。「〜が解決できる」「〜が実現できる」といった言葉を使うと、
お客様は自社として捉えやすくなります。たとえば、冷凍食品なら「店舗での調理負担を軽減する」、
業務用調味料なら「一定の品質を保ち、人件費を削減する」など、具体的なメリットを伝えるようにしましょう。
3. 数字や固有名詞を入れる
具体的な数字を入れることで、説得力が増し、信ぴょう性が高まります。「〜%アップ」「〜円削減」など、
明確な効果を提示しましょう。バイヤーの会社名や特定の課題に関連する固有名詞を入れることで、
よりパーソナルな印象を与えられます。
4. 解決策を提示する
抱えている課題を解決できることを示します。人手不足を解消する、在庫ロスを減らす、フードロスを削減するなど、
お客様の悩みに寄り添った言葉を選びましょう。お客様が潜在的に感じている課題を言語化してあげることで、
「そうそう、これが知りたかったんだ」と感じてもらうことができます。
5. 希少性や限定性を加える
「限定〇社様」「今だけ」といった希少性や限定性を加えることで、行動を促すことができます。
これはあくまで補助的な要素であり、過剰な表現は信頼を損なうため注意が必要です。
これらのポイントを組み合わせることで、より強力なタイトルが作れます。例えば、「人手不足を解消し、
生産性を30%向上させる新製品のご提案」といった具合です。単に「人手不足を解消する」だけでなく、
具体的な効果を付け加えることで、お客様はより強く興味を抱きます。
提案書タイトルを考える際の注意点
魅力的なタイトルを作ることは重要ですが、いくつか注意点があります。
1. うそや誇大な表現は避ける
タイトルで提示したメリットが提案書の内容と一致しない場合、バイヤーからの信頼を失います。
正直で現実的な表現を心がけましょう。過剰な期待を持たせるような表現は、後々のトラブルの原因にもなりかねません。
2. 専門用語を使いすぎない
わかりやすく伝えることが大切です。業界用語や専門用語は、できるだけ平易な言葉に置き換えるようにしましょう。
特に、食品製造の専門的な技術や、ITやテクノロジーに関する製品の場合、専門用語を多用すると、
理解をあきらめてしまう可能性があります。
3. 長すぎるタイトルは避ける
伝えたいことが多すぎて、長文になってしまうことがあります。簡潔でインパクトのある言葉を選ぶことで、
お客様は一目で内容を把握できます。タイトルの理想的な長さは、20〜30字程度と言われています。
4. 競合との差別化を意識する
他の会社が似たような製品を提案している可能性もあります。その中で、御社の提案書が選ばれるためには、
他社との明確な違いをタイトルで示すことが有効です。
魅力的なタイトルは販路拡大の第一歩
提案書のタイトルに全力を注ぐことは、単に書類を読んでもらうためだけではありません。
それは、バイヤーとの信頼関係を築き、ビジネスを成功させるための第一歩なのです。パンフレットやチラシ、
ウェブサイトのタイトルにも同じことが言えます。「この商品はうちのお店をどう変えてくれるのだろう」という視点で見ています。
常にこの視点を忘れずに、心を込めてタイトルを考えてみてください。心に響く素晴らしい提案書ができあがります。
販路開拓の専門家から見たタイトルの役割
販路開拓を支援する専門家として、これまで数多くの食品会社の社長と接してきました。
その中で感じるのは、良い提案書は、単に製品のスペックを紹介するものではない、ということです。
それは、バイヤーがまだ気づいていない潜在的なニーズや、漠然と抱えている課題を引き出し、
その解決策を提示す「対話のきっかけ」なのです。そして、その対話の最初の扉を開くのがタイトルです。
タイトルで「あなたの会社の課題を解決できますよ」というメッセージを強く打ち出すことで、
「もっと話を聞いてみたい」と思ってくれます。
「提案書はタイトルが命」この言葉を心に留めて、お客様との新しい関係性を築き上げるための第一歩を踏み出してください。
まとめ
食品会社の社長にとって、提案書は、新しい取引先を増やし、事業を成長させるための重要なツールです。
その提案書の成功は、タイトルにかかっていると言っても過言ではありません。タイトルは、単なる表題ではなく、
「読む価値がある」と思わせるためのメッセージです。
バイヤーが抱える課題を深く理解し、その解決策を具体的に示すタイトルを作成することで、
提案書は強力な武器となります。さっそく、御社の提案書のタイトルを見直してみませんか。
商品やサービスが持つ本当の価値を、言葉の力で最大限に引き出しましょう。
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