中小企業にとって「販路開拓」は、いまも昔も最大の課題です。
どんなに良い商品でも、売る先がなければ会社は続きません。
売上ゼロでは人も雇えず、未来も描けません。
多くの中小企業は、販路開拓のやり方がわからないだけです。
正しい手順を踏めば、どんなに小さな会社でも売上は伸びていきます。
では、いま中小企業にとって何から手をつけるべきなのか。
現場で成果を出している会社が実践している3つの行動を整理してお話しします。
1 販路開拓とは営業そのもの
「販路開拓=営業」。これを理解できるかどうかが第一歩です。
営業の目的は、新しい取引先を見つけて売上をつくること。
社長が「販路開拓を担当者任せ」にしている会社ほど、結果が出ません。
最初の一歩は、社長自身が動くことです。
営業の現場に顔を出し、取引先と直接話す。これだけで会社の空気は変わります。
2 まず既存取引先のフォローを見直す
売上が下がると、すぐ「新規開拓を強化しよう」と言う社長がいます。
けれど、まず確認すべきは既存取引先のフォローです。
既存先を大切にしていれば、自然と紹介や追加発注につながります。
新規開拓にかかる時間と労力は、既存取引先の10倍です。
営業の原点は「すでに関係のある相手を大切にすること」。
ここをおろそかにしてはいけません。
たとえば、毎月の電話一本やサンプル送付でも、取引先の印象は変わります。
売上が落ちたときほど、足元を見直すチャンスなのです。
3 販路開拓に必要な3つの施策
販路開拓にはさまざまな手段があります。
その中で、費用をかけず中小企業がすぐ始められるものを紹介します。
3−1 メルマガで関係を深める
メルマガは、読みたい人が自ら登録してくれる営業ツールです。
売り込みばかりの内容ではすぐ解除されます。
読者が知りたいこと、役に立つ情報を届けることがポイントです。
地道でも続ければ、会社のファンが増えていきます。
小さな企業ほど「この人から買いたい」と思われる関係づくりが武器になります。
3−2 ホームページを活用する
ホームページは、いまや会社の信用そのものです。
検索で見つけた人が「問い合わせ」をしてくるということは、
すでに興味を持っている見込み客ということです。
特に食品業界では、バイヤーが検索で仕入れ先を探すケースが増えています。
ブログと併用すればSEO効果も上がります。
更新頻度よりも、「誰に何を伝えたいか」を明確にすることが大切です。
写真・文章・事例紹介、すべてに社長の想いをのせましょう。
3−3 展示会を販路開拓のきっかけに
展示会は、短期間で多くの見込み客に出会える絶好の機会です。
来場者の多くは同業界の担当者や仕入れ担当。
効率よく商談ができ、直接意見を聞けるのが魅力です。
ブース費用や準備の負担はありますが、補助金や共同出展を使えば費用を抑えられます。
展示会は「出ること」が目的ではなく、「次の商談につなげる」準備がすべてです。
名刺をもらって終わりではなく、帰ってから1週間以内にフォローする。
その一手間で成果が大きく変わります。
4 販路開拓が進まない会社に共通する3つの原因
現場を見ていて、販路開拓が止まってしまう会社には共通点があります。
1つ目は、営業の経験不足。
これまで受注中心で営業をしてこなかったため、いざ動こうとしても動けない。
営業担当がいても、注文処理だけの「受け身営業」に終わっているケースが多いです。
2つ目は、続けられない。
新しい取り組みを始めても、成果が出ないとすぐにやめてしまう。
テレアポ・DM・展示会・SNS、どれも時間がかかります。
10,000件に1件でも成功するまでやり続ける会社が最終的に勝ちます。
3つ目は、社長が本気になっていない。
新規開拓の話になると「担当者に任せている」と言う。
けれど従業員は社長の背中を見ています。
社長がやらないことを社員がやるはずがありません。
販路開拓は経営者の覚悟で決まります。
ときには社長が先頭に立ち、バイヤーに直接電話することも必要です。
それだけで会社全体が「動き出した」と感じる瞬間があります。
5 中小企業が今すぐ取り組むべき販路開拓の支援活用
中小企業は資金も人材も限られています。
その中で販路を広げるには、外部の支援を上手に使うことです。
1 市場情報を手に入れる
どこに、どんな需要があるのか。
これを知らずに商品を売っても成果は出ません。
商工会議所や自治体、専門家のネットワークを活用して市場情報を集めましょう。
地方ほど情報が入りにくい分、動いた社長が有利になります。
2 マッチング支援を活用する
販路開拓は「誰と出会うか」で決まります。
行政や金融機関が主催するマッチング会、オンライン商談、業界交流会など
出会いの場には積極的に顔を出してください。
1つの出会いが、会社を変えるきっかけになります。
最近はオンライン商談も増え、地域を超えて新しい取引先と出会える時代になりました。
3 補助金・助成金をチェックする
販路開拓には資金が必要です。
最近は、展示会出展費やEC構築費などに使える補助金も増えています。
支援機関に相談すれば、自社に合う制度を紹介してもらえます。
資金を上手に活用することで販路開拓のスピードが上がります。
6 最後に
販路開拓は特別なノウハウではありません。
行動・継続・改善、この3つの積み重ねです。
営業を苦手と思っていた社長でも、一歩踏み出せば変わります。
社長が動けば、社員も動きます。
販路開拓とは、会社全体が外に目を向けること。
その先に、必ず新しい出会いと未来があります。
新しい取引先は、社長の一歩から始まります。
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