宅配サービスは食品会社の新たな販路になるか?成功するための戦略と3つの重要ポイント


コロナ禍を経て、多くのお客様がインターネットでの買い物や宅配サービスを利用するようになりました。
この流れを受けて、「うちも宅配サービスを始めてみようか」と考えた食品会社の社長も少なくないでしょう。
実際に始めてみたものの、なかなか売上が伸びず苦戦しているというお話をよく耳にします。

「宅配サービスはもう遅いのでは?」 「うちの商品では宅配は難しいのか?」
そう感じている社長もいるかもしれません。

たしかに、宅配サービスは簡単に成功するビジネスではありません。 参入障壁が低いため競合が多く、
補助金を活用して初期費用を抑えられたとしても、戦略なしでは大きな赤字を抱えることにもなりかねません。

しっかりと戦略を立てて取り組めば、宅配サービスは、御社にとって新たな可能性を広げる大きな販路になります。
今回は、宅配サービスで成功するための具体的な戦略と、成功に欠かせない3つの重要なポイントを、
詳しくお伝えします。

1. 誰に届けたいか、顧客像を徹底的に掘り下げる

宅配サービスを始めるにあたって、まず考えるべきは「誰に」あなたの商品を届けたいかです。
「たくさんの人に買ってもらいたい」という気持ちはとてもよくわかります。宅配サービスは競合が多いため、
「みんな」に向けて発信すると、誰にも響かないサービスになってしまう危険性があります。

たとえば、

  • 子育てに忙しい共働き世帯
  • 健康志向の高い一人暮らしのシニア層
  • 遠方に住む家族にふるさとの味を送りたい人
  • 特定の食物アレルギーを持つ子どもがいる家庭

このように、具体的な顧客像、つまりペルソナを設定することが重要です。

ペルソナを設定したら、さらに深く掘り下げていきましょう。

  • その人はどんな一日を過ごしているのか?
  • どんな悩みや課題を抱えているのか?
  • 何をきっかけにあなたのサービスを知るのか?
  • なぜ、たくさんある宅配サービスの中からあなたの会社の商品を選ぶのか?

たとえば、「子育てに忙しい共働き世帯」をターゲットにした場合、 「仕事から帰ってきて、
へとへとで買い物に行く時間がない」 「冷凍食品ばかりだと栄養が偏らないか心配」 と
いった悩みが浮かび上がってきます。

この悩みを解決するような商品を開発したり、サービスを考えたりすることで、
お客様にとって価値のある宅配サービスになります。 顧客の課題解決こそが、ビジネスの基本です。

自社の商品が持つ強みと、顧客が抱える課題が結びつくポイントを見つけることができれば、
それは強力な武器になります。 商品の特徴を単に羅列するのではなく、それがお客様の生活をどう豊かにするか、
どう課題を解決するのかを伝えることが大切です。

2. 競合にはない独自の強みで差別化する

次に大切なのは、他社と差別化できる独自の強みを見つけることです。
お客様は、数ある選択肢の中から「なぜあなたの会社の商品を選ぶべきなのか」を判断しています。
その理由を明確に提示できなければ、価格競争に巻き込まれてしまいます。

自社の強みを見つけるためには、 「自社にしかできないこと」 「お客様が喜んでくれること」
「競合が真似できないこと」 の3つの視点で考えてみましょう。

【商品そのものの差別化】

  • 品質へのこだわり: 無添加、無農薬、オーガニック、地元の契約農家から仕入れた旬の食材など、
    商品そのものの品質に徹底的にこだわる。 たとえば、「〇〇さんが作ったトマトを使ったソース」のように、
    生産者の顔が見える安心感をアピールすることも有効です。
  • オリジナリティあふれる商品: 他社にはないユニークな商品、例えば、地元の有名シェフが監修した
    冷凍お惣菜や、地域の伝統的な製法で作られた加工品など、物語性のある商品も差別化のポイントになります。
  • 特定のニーズに応える専門性: アレルギー対応、ヴィーガン向け、糖質オフなど、特定の食のニーズに
    特化することで、ニッチな市場で確固たる地位を築くことができます。

【サービス面での差別化】

  • 利便性の追求: 注文から最短で翌日配達、冷凍品の個別配送、配達日時の細かな指定など、
    お客様の「便利」を追求するサービスも大きな強みです。
  • コミュニティの形成: 定期購入者限定のレシピ集の配布や、オンラインでの交流会開催など、
    商品だけでなく体験を提供することで、お客様との強い繋がりを築くことができます。

これらの強みをブログやSNS、チラシなどでしっかり発信し続けることが重要です。
お客様は「この会社はどんなことを大切にしているのか」を知りたいと思っています。
御社の「らしさ」を伝え、共感してもらうことで、ファンが増え、長期的な売上に繋がります。

3. 利益を確保できる価格と販売計画を立てる

最後のポイントは、利益をしっかりと確保できる価格設定と、長期的な販売計画を立てることです。
宅配サービスは、商品代金以外にもさまざまなコストがかかります。

  • 配送料: クール便、冷凍便は通常便よりも高くなります。エリアごとの配送料も考慮する必要があります。
  • 梱包資材費: 保冷剤、段ボール、緩衝材など、商品を安全に届けるための資材費。
  • 決済手数料: クレジットカード決済や代金引換など、支払い方法によってかかる手数料。
  • システム利用料: ECサイトのシステム利用料や、サーバー代など。
  • 人件費: 受注対応、梱包、発送作業にかかる人件費。

これらのコストを正確に把握せずに、他社を気にして安易に価格を下げてしまうと、
売上は上がっても利益が残らないということになりかねません。

価格設定の際は、 「商品1つあたりにかかるコスト」 「設定した価格でお客様が買ってくれるか」
「利益はしっかり確保できるか」 の3つのバランスを考える必要があります。
社長のなかには、売上しか見ないで費用や利益を細かくチェックしない方がいます、しっかりチェックです!

宅配サービスは単発の注文だけでなく、定期購入を促す仕組みが重要です。
定期購入は、お客様が一度商品とサービスを気に入ってくれれば、安定した収益に繋がります。
定期購入者限定の特典や割引を用意するなど、お客様に「このサービスを使い続けたい」と思ってもらえる工夫を
凝らしましょう。

最後に

宅配サービスは、正しい戦略をもって取り組めば、御社の会社の未来を拓く大きなチャンスになります。
安易な気持ちで始めるのではなく、今回お伝えした3つのポイントをじっくり考え、
万全の態勢でスタートしてください。

「一人で考えるのは難しいな」と感じる社長もいるかもしれません。
そんな時は、どうぞお気軽にご相談ください。
御社の会社の強みを活かした販路開拓を、一緒に考えていきましょう。 いつも、応援しています。


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