うちの商品をもっと多くの人に届けたい」
そう願っても、営業や販路開拓の動きが思うように進まない――。
多くの食品会社の社長が、同じ壁にぶつかっています。
でも安心してください。大きな広告費も、営業専門の人材も必要ありません。
正しい順番で実践すれば、小さな会社でも販路は確実に広がります。
この記事では、食品会社の社長が今日からできる「販路開拓の基本ステップ」をお伝えします。
1.誰に売るかを明確にする
まず最初に考えるべきことは、「誰に御社の商品を食べてもらいたいか」です。
これをはっきりとさせることで、営業活動がより効果的になります。 御社の商品を一番喜んでくれる人、
一番必要としている人を具体的にイメージしてみましょう。
たとえば、地元の新鮮な野菜を使ったジュースを売っているとします。
この場合、「健康に気をつかっている人」が最初のターゲットになるかもしれません。
さらに深く掘り下げて「忙しい毎日でも健康を大切にしたい、20代から30代の会社員」をターゲットにすると、
より具体的になります。
ターゲットがはっきりすると、その人たちにどうアプローチすればよいかがわかりやすくなります。
たとえば、そのジュースが「朝の忙しい時間でも手軽に栄養をとれる」というポイントを強調すると、
ターゲットの心に響くメッセージになります。
2.御社の商品が持つ特別な価値を見つける
次に重要なのは、御社の商品が他社の商品とどう違うのか、何が特別なのかをはっきりさせることです。
これを「差別化」といいます。 世の中に似たような商品はたくさんある中で、なぜお客様は御社の商品を選ぶべきなのか。
その理由を明確にしましょう。
たとえば、御社のジュースが地元の特産品を使っているなら、それを一番の強みとして強調すべきです。
他のジュースは全国で手に入るかもしれませんが、御社のジュースは「地元でしか味わえない特別なもの」としてアピールできます。
このように、御社商品の強みや特徴を明確にすることで、お客様にとっての魅力が伝わりやすくなります。
3.商品の魅力を実際に体験してもらう
どんなに良い商品でも、言葉だけでその良さを伝えるのは難しいものです。
そんなときは、お客様に実際に商品を試してもらうことがとても効果的です。
ジュースを売っているなら、試飲会を開くことを考えてみましょう。たとえば、地元のイベントや市場で無料試飲を行うことで、
お客様に実際にジュースを味わってもらいます。 このような体験を通じて、お客様は「このジュースはおいしい!」と実感し、
購入する動機が生まれます。 また、どんなシーンで飲んでもらいたいのかを具体的に伝えることも大切です。
「朝の忙しい時間にぴったりの栄養補給」と説明すると、お客様は商品を自分の生活にどう取り入れるかをイメージしやすくなります。
4.お客様との信頼関係を築く
営業において最も大切なことのひとつが、お客様との信頼関係を築くことです。信頼関係があると、
お客様は安心して商品を購入してくれるようになります。
たとえば、バイヤーから注文を受けたら、約束どおりに商品を届けることは当たり前です。
もし遅れたり、品質が期待にそぐわない場合は、すぐに連絡し、誠実に対応することが大切です。
こうした誠実な対応を重ねることで、バイヤーからの信頼を得ることができます。
また、定期的にお客様に連絡を取ることも信頼を築くために有効です。「最近の商品はいかがでしたか?」と感想を聞くことで、
お客様は「この会社は自分を大切にしてくれている」と感じます。
結果として、リピート注文や口コミ紹介が期待できるようになります。
5.お客様の声からヒントを得る
お客様からの意見や感想(フィードバック)は、商品や営業方法を改善するための宝の山です。
それを活かすことで、よりお客様に満足してもらえる商品やサービスを提供できます。
たとえば、「ジュースの味が少し甘すぎる」といった声があれば、それをもとに新しいレシピを考えることができます。
あるいは、「もっと持ち運びやすいサイズがあればいい」という意見があれば、
小さいサイズの商品を開発することも考えられます。 フィードバックを真剣に受け止め、改善につなげる姿勢を持つことで、
お客様からの信頼がさらに深まります。また、お客様の要望を反映させた商品やサービスは、
他の新しいお客様にも魅力的に映るでしょう。
6.具体的な計画を立てる
販路開拓を成功させるためには、具体的な計画を立てることが大切です。
目標を設定し、それに向けてどのように行動するかを明確にしましょう。
たとえば、「一か月で新しい取引先を三社増やす」という目標を立てるとします。
次に、そのためにどんなアクションをとるべきかを考えます。 「毎週、新しい取引先候補に電話を十件かける」
「試飲会を月に二回開く」など、具体的な行動計画を立てると、目標に向けた進捗が確認しやすくなります。
目標から逆算して日々の計画を考えることがポイントです。
7.行動の結果を振り返る
計画を立てるだけでなく、その結果を定期的に振り返り、検証することも非常に重要です。
一か月で目標を達成できなかった場合、何が原因だったのかを分析し、次の月の計画に反映させましょう。
多くの社長がこの「振り返り」をせずに、同じ失敗を繰り返してしまいます。 うまくいったこと、いかなかったこと、
それぞれの理由を考えることで、販路開拓の精度はどんどん上がっていきます。
まとめ
販路開拓が苦手だと感じる食品会社の社長でも、上記のポイントを押さえれば、
効果的に営業を行うことができるようになります。 大切なのは、誰に、何を、どうやって売るのかを明確にし、
お客様との信頼関係を築きながら、計画的に行動することです。
これらの手順を一つずつ実行し、改善を重ねていけば、きっと販路を広げることができます。
あせらず、地道に取り組んでいくことが成功のカギです。 御社の素晴らしい商品が、より多くの人に届くよう応援しています。
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