中小企業が売れない本当の理由。営業に悩む社長が連休中にすべきこと


販路開拓専門家の伊藤です。

ゴールデンウィーク。
忙しい毎日を走り続けてきた社長にとっては、少し肩の力を抜ける貴重な時間かもしれません。
でも実は、こういう時こそ“売れない理由”を静かに見つめ直す絶好のチャンスです。

普段の現場では、次から次へと課題が押し寄せてきて、「立ち止まって考える時間」なんてなかなか取れません。
だからこそ、外出も減りがちなこの時期に、自社の営業を見つめ直す“考える時間”をとってみてください。


1. 「売れないのは景気のせい?」――本当にそうでしょうか

「景気が悪い」「人手不足で営業まで手が回らない」「物価高でお客様の財布のひもが固い」
これらは現実ですが、“言い訳”にもなりがちな要素です。

あなたの商品と同じような環境の会社でも、売れているところはちゃんと存在します。
つまり、売れない理由のすべてを外部環境のせいにしてしまうと、自社が変われるチャンスを逃してしまうのです。

大切なのは「じゃあ、どうするか?」。
いまある条件の中で、“売れる会社がやっていること”を、自分の会社に置き換えてみる視点が必要です。
モノマネの大切。

この“視点のズレ”に気づけるかどうかが、勝負の分かれ目です。


2. 自社の“強み”を、勘違いしていませんか?

長く続いてきた会社ほど、自社の強みを“こだわり”や“歴史”に置いていることが多いです。これ正解です。
「昔ながらの製法で…」「天然素材にこだわって…」というアピールは、伝え方を間違えると、相手には響きません。

お客様が知りたいのは、「それがお客様にどんなメリットをもたらすのか?」です。
たとえば、「天然素材」ではなく「無添加なので子どもにも安心して食べられる」。
「昔ながらの製法」ではなく「味が濃すぎず、毎日食べても飽きない」。

強みは、“お客様の言葉”で語って初めて、伝わるのです。

そしてもうひとつ大事なのは、「自社の当たり前は、武器になる」という視点。
あなたにとって“普通”でも、他人から見れば“価値”であることが多いのです。


3. 売り込まず、提案する。“売れる社長”はここが違う

営業が苦手な社長ほど、売ろうとすると変に構えてしまい、結局なにも伝えられず終わる…ということがよくあります。
でも、うまくいっている社長たちは、そもそも「売ろう」としていません。

代わりにやっているのは、「相手の課題を聞く」「こういう使い方はどうですか?と提案する」
「こんな事例がありますよ」と共有すること。
売り込みではなく、あくまで“相手のため”に動いているから、自然と信頼され、結果的に売れていくのです。

「売る」のではなく、「相談に乗る」「味方になる」感覚。
このスタンスが持てると、営業に対する苦手意識もずいぶん変わってくるはずです。

そして忘れてはいけないのが、提案するには“余白”が必要だということ。
いつまで回答ください、決裁についてくわしく教えてください、なぜ導入できないのですかなど。
すき間のない営業は、受け手に「圧」を与えてしまいます。余白があるから、相手が自分の意思で動いてくれる。
この“ゆとり”を意識してみると、伝え方がガラッと変わります。


4. 動けないなら、“整える営業”に徹しよう

GW中にあえて外に出て営業する必要はありません。
バイヤーもいそがしくて来られても困ります。
むしろ、時間のあるこの時期こそ、社内の営業まわりを見直すチャンスです。

・パンフレットや名刺、商品の紹介資料は古くなっていないか?
・ホームページやSNSは、今の会社の姿を正しく映しているか?
・最近ごぶさたになっているお取引先に、近況報告の一通を送ってみないか?
・手をひろげすぎていないか?

売れない理由が「見え方」にある会社は、実はとても多いです。
道具を整えることで、営業がスムーズに進むこともあるのです。

さらにいうと、「整える=手を止めて準備すること」は、決して後ろ向きな行為ではありません。
スポーツでも、調子が出ないときは“フォームを見直す”ところから始めます。
営業も同じ。武器を研ぎ、動き出す準備を整える時間は、結果につながる重要な投資なのです。


まとめ:止まる勇気が、次の一手を生む

“止まる”という行為には、勇気がいります。
でも、考えずに走り続けるより、いったん止まって整えるほうが、次の一手は力強くなります。

ゴールデンウィークは、焦らず、でも無駄にしない。
“見直す営業”を、ぜひこの連休に仕込んでみてください。

そしてもし、「どこから手をつければいいか分からない」と感じたなら。
無理にひとりで抱え込まなくて大丈夫です。

当社は現場のリアルを知っているからこそ、御社にとって無理のない形で、具体的な道筋を一緒に考えられます。
GW明けから、いいスタートを切れるように。動ける“社長の準備”を、今しておきましょう。


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