「営業は苦手なんだよ」
そう言いながら、なぜか声がかかり続ける社長がいます。紹介が絶えず、新しい販路が自然と広がっていく。
本人はたまたまと言うけれど、周囲から見ると不思議なほど運がいい。
――こんなタイプ、あなたの周りにも一人はいるのではないでしょうか。
でも、その運は本当に偶然でしょうか?
実は、営業が苦手でも成果を出す社長には、共通する行動パターンがあります。
今回は、そんな社長たちの「運を引き寄せる販路開拓スタイル」をご紹介します。
運はあるんですよ!
運とは「見えない実力」である
運というと、どうしても偶然、たまたま、ツキがあったという印象になりがちです。
けれど、販路開拓の現場で言われる「運がいい社長」は、偶然に頼っていません。
彼らの運の良さは、日々の考え方・行動・継続の中から生まれています。
たとえば、毎朝誰よりも早く出社して、取引先への感謝メールを欠かさない社長。
あるいは、地元の小さな異業種交流会にも顔を出し、名刺交換だけで終わらせず、後日必ず連絡をする社長。
こうした習慣の中に、見えない実力が潜んでいます。
人との縁を大事にする
営業が苦手な社長にとって、紹介されやすい関係性を築いておくことは最大の武器です。
運がいい社長は、誰かの記憶に残るような振る舞いを意識しています。
飲み会や異業種交流会に、誘われたらできるだけ参加する
連絡が早い。LINEやメールの返事もその日のうちに返す
24時間パソコンの前にいる?と思うように返信が早いんです。
ちょっとした相談にも丁寧に応じる。「あの人なら安心して頼める」と思わせる
その結果、取引先が誰かに「いい会社ない?」と聞かれた時に、真っ先に名前が出るようになるのです。
紹介は運のようでいて、実は日々の人間関係の積み重ねから生まれるもの。
これを大切にしているかどうかで、販路の広がり方は大きく変わります。
チャンスの種に気づける視点を持つ
運がいい社長は、小さな変化やご縁を見逃しません。
どんな話にも、なにかの可能性があると信じて向き合います。
一見関係なさそうな問い合わせでも、まずは真剣に聞いてみる
すぐに仕事にならない話でも、内容をメモしておき、半年後に連絡する
異業種で成功している事例をチェックし、自社の商品や販路に応用できないかを考える
たとえば、食品を扱う企業が「地元の保育園から問合せが来たけど、
量が少ないから断った」という話を聞いたことがあります。
しかし、運のいい社長なら「園から口コミで地域のママに広がるかもしれない」と考え、一度試しに納品してみます。
結果、その園をきっかけに地域内で知名度が上がり、地元スーパーから声がかかることもあるのです。
チャンスは、大きく見える形ではやってきません。
気づける人だけが拾えるのです。
不利な状況でも笑って動ける
運がいい社長は、メンタルが強いわけではなく、切り替えが早いのが共通点です。
思うようにいかないときでも、前向きに振る舞うクセがついています。
売れない時期ほど、あえて外に出る。閉じこもらない
電話の相手には、どんな時でも明るい声で話す
一度断られても、数ヶ月後に「お元気ですか?」と連絡を入れる
この行動が地味な信頼貯金となって蓄積されていきます。
ある経営者は、以前に断られた大手企業に対し、年賀状だけは毎年送り続けていました。
5年後、その企業から突然「今なら一度会いたい」と連絡が来たそうです。
笑って動ける人に、チャンスは戻ってくるのです。
地味な継続こそ、運を逃さない力
最後の共通点は、見えにくいけれど確実な継続です。
派手さはなくても、運がいい社長は、こうしたことを続けています。
月に1回、ターゲット顧客に向けた商品資料や事例紹介を送っている
毎週、自社の取り組みや考えをブログやSNSで発信している
地域のイベントに出展し続けている。数年目でようやく「ずっと気になってました」と声をかけられる
このような小さな積み重ねが、知らぬ間に運を引き寄せる磁石になっていくのです。
継続のないところに、たまたまは起きません。
結論:運は起きるものではなく整えるもの
営業が苦手でも構いません。
でも、日々の姿勢・行動・継続の仕方を見直せば、チャンスはちゃんとやってきます。
そのときに「つかめる準備」ができているかどうかが、すべてを分けるのです。
運とは、
実力 × タイミング × 継続の蓄積
見えないところで種をまき、誰にも気づかれない努力を積み重ねてきた人だけが、
「運がよかった」と言えるのかもしれませんね。
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