販路開拓が思うように進まないとき、まず社長が疑うのは営業や商品、あるいは価格の問題ではないでしょうか。
確かにそれらも大切な要素ですが、それだけで販路がひらけるほど現実は甘くありません。
これまで多くの中小企業を見てきた中で感じるのは、
うまくいっている会社には共通点があるということです。
それは、外を変えようとする前に、中(つまり社内)を整えているという点です。
社内の空気感が販路開拓に影響するという事実
販路をひらくとは、取引先が増えることだけではありません。
今あるお客様とより深くつながることや、紹介をいただくこと、
リピートが増えることなど、目に見えにくい動きも含まれています。
たとえば新しい商品を出したとしても、社内がバラバラで連携がとれていなければ、
納品ミスや対応ミスが起きてしまいます。
営業マンがいくら頑張っても、そのあとを支える現場が疲弊していては、
お客様に信頼され続けるのは難しいのです。
実際、社員を大切にしている会社ほど、結果的にお客様からも信頼され、
販路が自然と広がっていく傾向があります。
大企業と中小企業の違いは顔が見えるかどうか
大企業では、どうしても社員一人ひとりを数字や役割でしか見ることができなくなってしまいます。
社員が何万人もいれば、全員の様子を把握するのは不可能ですし、経営層と現場の距離も広がります。
結果として、人件費というコストの数字で社員を判断することが当たり前になっていきます。
でも、中小企業は違います。
朝の挨拶や声のトーン、休憩中の雑談ひとつから、
社長が社員の状態を感じ取れる距離にいます。
小さな会社だからこそできる「顔が見える経営」こそが、一番の強みなのです。
社員を大切にすることが販路につながった実例
以前ある食品会社の社長が、こんな話をしてくれました。
営業が伸びず、新商品もあまり売れず、何をしても打開できない時期があったそうです。
そのとき社長は、商品や価格を変えるのではなく、まず社内の空気を変えることにしました。
朝礼で、売上状況を確認するのをやめて、社員の良い行動を褒める時間を取り、
配送スタッフの声を商品開発に反映し、製造スタッフにも売れ行きの情報を伝えるなど、
社内の連携とやりがいを意識した経営に変えたのです。
すると、お客様から「丁寧な会社ですね」「対応が気持ちいいですね」と言われるようになり、
営業の表情にも自信が出てきて、次第に問い合わせが増えていったと言います。
商品を変えたのではなく、社員との関係性を変えたことが、販路の広がりにつながったよい事例ですね。
人を活かす会社に人が集まり、商品も売れていく
今の時代、求人広告を出してもなかなか人が集まらず、
やっと採用してもすぐ辞めてしまうという声をよく聞きます。
特に中小企業には応募0件なんてよくある話しです。
でもそんな中でも、人が集まる会社があります。
その共通点は、職場の空気が明るく、社員の表情がいきいきしていることです。
働いている人の様子や雰囲気は、お客様にも伝わります。
取引先も求職者も、無意識にその空気を感じ取っています。
(わたしも会社に入った瞬間に感じますよ)
そして、そのような会社の商品は、なぜか売れていきます。
特別な価格競争をしていなくても、「この会社から買いたい」と思わせる安心感があるからです。
これは、パッケージのデザインやチラシに書いてあること以上に、にじみ出る信頼感です。
信頼は、人の在り方からしか生まれません。
販路開拓とは、つまり、信頼の輪をひろげることなのだと思います。
まとめ
販路を広げたいと考えたとき、つい営業方法や新しい販促ツールを検討してしまいがちです。
もちろんそれも必要ですが、本当に見直すべきなのは、社内の空気感や社員との関係性かもしれません。
従業員をどう扱っているか、その姿勢は、お客様や取引先にも確実に伝わっています。
売れる会社には理由があります。
そしてその理由は、意外と足元にあるのです。
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