食品会社の販路開拓|利益が出ない価格で売っていませんか?


食品会社の販路開拓で大切なのは、売上よりも「利益」です


中小の食品会社が販路を広げるうえで最も重要なのは、売上ではなく「利益が出るかどうか」です。
地元だからといって安売りを続けていては、いずれ経営が苦しくなります。
ついつい知り合いだからとか安売りをしても長くは続きません。
販路拡大においては、必ず「利益が確保できる価格で販売できているか」を確認することが必要です。

売上中心の営業では、長く続きません

販路開拓を進める中で、どうしても「売上を伸ばすこと」ばかりに意識が向かうことがあります。
確かに、取引先が増え、納品量が増えるのは一見よいことのように見えます。
しかしその価格設定は、本当に利益が残る価格でしょうか?

食品会社の社長の中には、「まずは地元で売りたい」「観光地だから安く提供したい」といった善意から、
値下げに応じてしまうケースがあります。ですが、そうした値引きが常態化すると、
やがて「売っても資金が残らない」状態になります。キャッシュフローが悪化します。

利益を生む「適正価格」とは何か

適正価格とは、原材料費や製造コスト、人件費、物流費、梱包資材、光熱費など、
あらゆる費用を計算したうえで、適切な利益が残る価格のことです。

たとえば、ある商品を100円で製造して120円で納品しても、利益が出るとは限りません。
運送費や保険料、支払いサイトの長期化などで実質的な利益が減ってしまうのです。
最近の物価上昇で原価はアップしています。

価格交渉の際に「うちは中小だからこの価格でないと無理です」といった言い訳ではなく、
「この価格でなければ品質が保てません」と伝えられるよう、利益を前提とした価格設計が必要です。

安売りしない販路開拓こそ、長期的成功への道

バイヤーとの商談においては、価格を安く提示するよりも「その価格で買うだけの理由」を提示することが大切です。
たとえば、「地元産の無農薬野菜を使用」「職人が手作業で仕上げている」など、商品が持つ価値をしっかり言語化しましょう。

また、「値引きありき」の交渉スタイルをやめ、「価値に見合った価格」を提示することで、
ブランド価値が下がらず、他社との差別化にもつながります。
販売価格を守るということは、会社の信用を守ることでもあるのです。

「地元だから安く」の思い込みを手放す

「地元の人にはサービス価格で提供したい」、「昔からのつきあいだから安くしている」
このような姿勢は、一見誠実に見えるかもしれません。

値引きを前提にした経営では、利益は残りません。お気持ちはわかりませすが
地元に安く売ることが、果たして本当に地元のためになるのでしょうか?

適正な価格で販売し、利益を確保し、雇用を守り、次の投資につなげる。
この循環こそが、地域に根ざした企業としての本当の社会貢献だといえます。

営業活動の視点を「価格」から「価値」に変える

営業戦略を見直すとき、まず「価格をどう安くするか」ではなく、「どう価値を伝えるか」に軸を移すことが必要です。
たとえば、同じ1000円の商品でも、「これは安い」と感じてもらえるか、「高い」と言われるかは、価値の伝え方次第です。

商品のストーリー、製造方法、素材へのこだわり、味や安全性など、伝えるべきポイントはたくさんあります。
それを丁寧に言語化し、バイヤーに納得してもらうことで、値引きに頼らない営業が可能になります。

売上ではなく「利益」が会社を守る

食品会社の販路開拓においては、取引先の数や売上額だけで満足してはいけません。
重要なのは、その取引でしっかりと利益が出ているかどうか
利益が出てこそ、社員に給料が払い続けられ、設備投資ができ、会社を未来に繋いでいけるのです。

「うちは安く売らないと買ってもらえない」ではなく、「この品質なら、この価格が妥当です」と言い切れる営業を目指しましょう。
売上の数字よりも、利益という中身に目を向ける販路戦略が、これからの食品会社には求められています。


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