コロナで販路を失った酒造メーカーが、商談会で売上をV字回復できた理由


食品会社の社長のみなさまへ。
「うちの商品はいいはずなのに、売る場所がない」
「問屋からの発注が止まり、展示会に出ても成果が出ない」
そんな悩みをお持ちの方は、決して少なくありません。

今回は、コロナ禍で従来の販路を失った東北の酒造メーカーが、商談会を通じて売上を回復させた実例をご紹介します。
社名は出せませんが、実際に起こった変化を、読者のみなさまの参考になるよう丁寧にお伝えします。

従来の販路が、ある日突然ゼロになった現実

ご紹介するのは、東北地方の酒造メーカー。
この企業は従業員15名ほどの中規模な製造業で、長年にわたり地元の問屋を通じて飲食店や観光地への卸売を中心に展開してきました。

主な販路は以下の通りです:

  • 地元問屋経由の業務用販売
  • 百貨店や観光地での催事販売
  • 一部の自治体ふるさと納税返礼品

ところが、2020年のコロナ禍。
飲食店の休業、観光客の激減により、主要な販路がほぼ消滅しました。
それまで毎月安定していた出荷が激減し、問屋からの連絡も途絶えがちに。
月商はわずか2〜3割まで落ち込み、「このままでは立ち行かなくなる」と危機感を募らせていました。

初めての商談会参加。勝負は“その後”にあった

そんな中、地域の金融機関経由で、食品関連バイヤーが集まる商談会への参加を勧められました。
これまで一度も商談会に出たことがなかったこの酒造メーカーの社長は、はじめは不安も感じたそうです。
「うちは営業が得意じゃないし、うまく説明できる自信がない」と。

しかし、支援機関とともに事前の準備を徹底しました。
この準備が、のちの成果につながる大きなポイントとなったのです。

準備内容は以下の通りです:

  • バイヤーの業態別に提案内容を分けた資料の作成
  • パンフレットではなく、「誰にどう売れるか」が伝わる販促設計書
  • 商品特徴と開発背景を、短時間で伝えられるストーリーに整理
  • 商談後24時間以内にお礼メール+個別資料+サンプルを送付する体制づくり

展示会や商談会は「その場」で何かが決まることは少なく、
むしろ「その後のフォロー」が成果を左右するという視点を持つことが、この社長の転機となりました。

成果が出た理由は“相手目線の徹底”だった

商談当日は、3社のバイヤーと15分ずつの面談がありました。
その中で特に反応が良かったのが、ギフト市場を手がける小売チェーンの担当者でした。

この企業では、贈答品としての需要が高まる中で、「ストーリー性のある地域酒」を探していたとのこと。
商談会の場で商品を強く売り込むことはせず、あくまでも「どうやって一緒に売っていけるか」を会話の中で提示したところ、
非常に好意的な印象を持ってもらえたそうです。

商談後の迅速な対応も功を奏しました。

  • 翌日には専用パッケージ案と想定売価シミュレーションを提出
  • サンプル発送時には、バイヤー側の「課題に対する提案」という形式で文書を添付
  • 電話によるフォローアップでは、疑問点に即答できる体制を整備

その結果、約1ヶ月後にはギフトカタログ掲載が決定。
さらに、同じ年の秋には大手通販モール内に専用ページを開設してもらえることになり、
月商はコロナ前の水準を超えるほどまでに回復しました。

販路開拓に必要なのは、“売る”より“整える”という発想

この事例から学べるのは、販路開拓=営業力ではないということです。
重要なのは、バイヤーにとっての「売りやすさ」を設計してあげること。

  • 商品はある
  • 味もいい
  • 実績もある

それでも売れないのは、「売るための整え方」ができていないだけかもしれません。

展示会・商談会をただの“出展イベント”と考えるのではなく、
販路の設計図を整えた上で参加することで、商談は成果につながる場に変わるのです。

まとめ:販路は、きちんと整えた人だけに開ける

東北の酒造メーカーのように、売上が落ち込んだ状態からでも、
きちんと販路を整え、伝え方を工夫し、丁寧に対応すれば結果は変わります。

どんなに良い商品も、誰かに届かなければ意味がありません。
その「届かせ方」にこそ、販路開拓の本質があります。

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