数字では測れない、大切なことが見えてきます
はじめに
読書好きの販路開拓専門家として、日々いろいろな経営書やビジネス本に目を通していますが、
ふと立ち止まりたくなるときに開くのが、サン=テグジュペリの『星の王子さま』です。
これは童話として有名ですが、経営に向き合う社長にこそ深く響く物語だと感じています。
日々の数字や売上、人間関係に追われていると、いつの間にか大切なものを見失ってしまうことがあります。
そんなとき、星の王子さまがそっと語りかけてくれるのです。
いま、なぜ『星の王子さま』なのか?
いま、会社経営はこれまで以上にスピードと合理性を求められています。
DX、人手不足、コスト高…。頭では理解しているけれど、心がついていかない。
すこしのレジ待ちにイライラ。。。
そんな違和感を感じたことはありませんか?
王子さまの言葉は、そんな時代の中で、「見えないものの大切さ」を思い出させてくれます。
信頼、誠意、関係性──どれも数字では表せないものですが、
組織を支えるのは、実はこうした“目に見えない力”です。
キツネの教えから学ぶ、関係性の経営
物語の中で、王子さまは砂漠でキツネと出会います。キツネはこう言います。
飼いならすっていうのは、関係をつくるってことなんだ
これはまさに、社員やお客様との関係づくりそのもの。
売上のために一時的に関わるのではなく、時間をかけて信頼を積み重ねる。
効率よりも「関わる覚悟」を持つ経営。それが、これから求められる姿です。
あなたの会社にとって、長く一緒に歩んできた社員や、ずっと応援してくれる取引先は、
キツネと同じような存在かもしれません。
バラと向き合うこと──自社だけの価値とは?
王子さまが旅の途中でたくさんのバラを見たとき、最初はショックを受けます。
「自分の星にも、ほかと同じようなバラが咲いていたのか」と。
でもキツネとの対話を通じて、こう気づきます。
ぼくのバラは、ぼくが時間をかけて世話をしたから、特別なんだ
これは、自社の事業にも通じる話です。
他社と同じように見える商品でも、社長が苦労して育て、悩み、磨いてきた過程がある。
「自分にとっての意味」を大切にできることが、経営の強さになります。
大人たちの星と、社長が陥りやすい落とし穴
王子さまは旅の途中で、さまざまな“大人”たちに出会います。
命令ばかりの王様、他人の称賛を求める男、理由もわからずお酒を飲み続ける人…。
どの大人も、それぞれに「自分の世界」に閉じこもっています。
そして、王子さまはその姿にどこか違和感を覚えます。
これは、社長自身が無意識のうちに陥る罠を描いているのかもしれません。
立場が上になればなるほど、誰も本音を言ってくれなくなる。
結果だけを追って、気づけば「人と向き合う」ことを忘れてしまう──。
そんなときこそ、星の王子さまのまっすぐな目が、問いかけてくるのです。
あなたは、ちゃんと大切なものを見てますか?
目に見えないものが、経営を支えている
物語のなかでもっとも有名な言葉があります。
本当に大切なものは、目には見えない
これは経営にもそのまま当てはまります。
理念、信頼、誠実さ、誇り。どれも数字にはなりませんが、社員が働き続けたいと思う理由や、
お客様が選び続けてくれる理由は、そこにあります。
目に見えるもの(売上、在庫、評価)だけを見ていると、足元がぐらつきます。
でも、見えないものを信じ、育てる経営には、しなやかな強さがあります。
おわりに──あなたにとっての“星”とは?
経営とは、数字の戦いでも、損得の勝負でもありません。
それは「誰と、何のために、生きていくか」を問い続ける旅なのかもしれません。
王子さまは、自分の星へ帰っていきました。
そして、残された語り手は、毎晩空を見上げて、彼のことを思います。
あなたがこれからも経営という旅を続けていくなら、
どうか心のどこかで、自分にとっての“星”が何かを思い出してほしいのです。
見えないものを信じること──それが、これからの社長に必要な力だと思います。
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