「お米の付加価値を高めたい」「加工品で新しい販路を開拓したい」
もしあなたが今、そう考えているなら、富山県にある従業員3人のお米農家さんの事例が、きっとあなたのヒントになるでしょう。
これまで「お米を売るだけ」では利益が出にくいという状態を抱えていたが、当社の支援を通じて米粉の加工品開発に挑戦。
その結果、首都圏での催事販売を足がかりに、今では定番商品として多くのメディアからも注目されるまでに成長を遂げました。
一体、どのような戦略で、この成功をつかんだのでしょうか?その内容を詳しくご紹介します。
丹精込めたお米が「価格競争」の渦に
富山県で代々お米を育ててきたA農園さん(仮名)。豊かな自然に恵まれた土地で、
少量ながらも丹精込めて高品質なお米を栽培していました。
しかし、直面していたのは、お米という商品の宿命とも言える「価格競争」でした。
「どんなに良いお米を作っても、スーパーでは価格でしか勝負できない。
正直、このままでは先が見えないと感じていました」
そう語るのは、農園の代表を務めるAさんです。大規模農家や海外からの安価な米に押され、
いくら品質を追求しても、収益はなかなか向上しません。
このままでは、従業員3名の生活はもちろん、次世代へのバトンも危うい状況でした。
「なんとかして、このお米にしか出せない価値を形にできないか」
そんな漠然とした思いを抱きながらも、具体的にどうすれば良いのか分からず、日々頭を悩ませていました。
お米の可能性を広げる「米粉」という選択肢
A農園さんからのご相談を受け、まず着目したのは、「お米そのものの品質」でした。味や香りがよく、粘り気もある。
この特性を最大限に活かし、かつ、価格競争から抜け出すための方法としてご提案したのは、
米粉を活用した加工品開発でした。
「米粉ですか?正直、考えたこともありませんでした。」
Aさんは最初、少し戸惑った様子でした。しかし、米粉は小麦粉アレルギーを持つ方でも安心して食べられるという
社会的ニーズが高まっており、グルテンフリー市場の成長も追い風になっていました。
また、A農園さんのお米は加工しても風味が落ちにくく、しっとりとした食感が特徴として活かせる可能性を秘めていました。
単に米粉を製造するだけでなく、どのような加工品にするか、どのようなターゲット層に訴求するかをA農園さんと
綿密に議論しました。
- 商品の選定: 米粉パン、米粉麺、米粉スイーツなど、様々な選択肢の中から、A農園さんの規模で製造が可能で、
かつ市場ニーズが高い「米粉の焼き菓子」に絞り込みました。特に、しっとりとした食感が特徴となる
マフィンやフィナンシェに焦点を当てました。 - コンセプトの明確化: 「お米農家が作る、お米の風味豊かなグルテンフリースイーツ」というコンセプトを設定。
安心・安全な素材へのこだわりと、お米本来の美味しさを前面に出すことにしました。 - 試作と改善の繰り返し: 当社のネットワークを活用し、米粉加工の経験が豊富なパティシエを紹介。
A農園さんの米粉を使った試作を何度も行い、食感、甘さ、風味のバランスを徹底的に追求しました。
特に苦労したのは、米粉特有のパサつきを抑え、しっとり感を出すための配合調整でした。
時には数百回に及ぶ試作を重ね、ようやく納得のいく商品が完成しました。
首都圏での「催事販売」で確かな手応え
商品が完成しても、すぐに売れるわけではありません。
特に知名度のない新規参入者にとって、最初の販路開拓は大きな壁です。そこでご提案したのは、首都圏での催事販売でした。
「いきなり東京ですか?そんな大きな場所で売れるんでしょうか…」
Aさんは不安を口にしましたが、私たちは敢えて首都圏を選びました。
なぜなら、首都圏は流行に敏感な層が多く、グルテンフリーや健康志向のニーズも高いからです。
また、催事販売であれば、お客様に直接商品を試食してもらい、反応を肌で感じることができます。
都心の百貨店や商業施設で開催される食品催事の情報を収集し、A農園さんの商品コンセプトに合うイベントを厳選。
出展交渉からブース設営、販売戦略に至るまで、トータルでサポートしました。
催事初日。Aさんは慣れない接客に戸惑いながらも、試食を提供し、商品の特徴を熱心に説明しました。
すると、徐々に「これ、本当に米粉なんですか?」「しっとりしていて美味しい!」といった
驚きと喜びの声が聞かれるようになりました。特に、アレルギーを持つお子さんを持つ親御さんからは、
「安心して食べさせられるお菓子を探していたんです」と、感謝の言葉も寄せられました。
定番化への道筋とメディアからの注目
催事での手応えは想像以上でした。わずか数日間の催事期間で、用意した商品はほぼ完売。
購入者の多くがリピーターとなり、「いつになったらまた買えますか?」という問い合わせが殺到しました。
この成功を受け、A農園さんの商品をオンラインストアで販売することを提案。
さらに、都内のセレクトショップやカフェへの卸売交渉も開始しました。
現在、A農園さんの米粉加工品は、首都圏の複数の店舗で定番商品として取り扱われています。
催事での実績と、お客様からのポジティブなフィードバックが、小売店側への説得材料となったのです。
そして、この成功はメディアの目にも留まりました。テレビの地方創生番組や女性誌の健康特集などで取り上げられる機会が増え、
一躍A農園さんの米粉加工品は「お取り寄せスイーツ」としても注目されるようになりました。
「まさか、自分たちの作った米粉のお菓子がこんなに多くの方に知ってもらえるなんて。本当に夢のようです。」
Aさんの表情は、以前の不安そうな顔から一転、自信と喜びに満ち溢れています。
売上は支援前のお米単体販売時と比較して約2倍に増加。収益が安定したことで、従業員の待遇改善や、
さらなる商品開発への投資も可能になりました。
地域資源に新たな価値を創造する
A農園さんの事例は、地域に眠る資源に新たな価値を見出し、それを市場に届けることの重要性を示しています。
成功した要因はいくつかあります。
- お米単体では利益が出にくいという状況を正直に受け止め、変化の必要性を認識したこと。
- 「お米をそのまま売る」という固定観念にとらわれず、米粉という新しい可能性に挑戦する決断をしたこと。
- ニーズの高いグルテンフリー市場に焦点を当て、首都圏での催事販売から着実に販路を広げたこと。
- パティシエとの協力により、試作を重ねて最高品質の加工品を開発したこと。
そして、これらを一貫してサポートできたことが、今回の結果に繋がったと確信しています。
あなたの会社にも、まだ見ぬ可能性を秘めた素材や技術があるかもしれません。
もし、現在の販路や商品展開に限界を感じているのであれば、ぜひ一度、ご相談ください。
地域に根ざした素材に新たな価値を加え、全国、そして世界へ広がる販路を共に開拓していきましょう。
ご連絡をお待ちしております。
●顧問契約・セミナー・取材のご相談
食品会社の販路開拓支援、講演・研修のご依頼、マスコミ取材のご相談
👉 [ご相談・お問い合わせフォーム]
●食品会社の社長向けPDF教材の販売
販路開拓成功シリーズを販売中。オンライン無料相談30分付き。
👉 [教材購入はこちら(STORES)]
