社長の覚悟が、会社の未来と販路を拓く道しるべ


「催事に出展しても売上につながらないから、旅費や宿泊費がもったいない」。
そんなふんわりしたお話を聞くことがあります。でも、これは本当に販路開拓を願う社長の言葉でしょうか。

ある社長が教えてくれた、心に響く言葉があります。
「社長ひとり分の出張費も投資できない会社は、もうやめたほうがいい」。

この言葉には、会社を成長させるための深い覚悟が込められているように感じます。そう、催事への出展に限らず、
会社を未来へ導くすべての行動は、社長の「腹が決まっているかどうか」にかかっているのです。

催事へのためらいは、どこからくるのでしょうか?
催事への出展にためらいを感じる社長のお話を聞くと、「売上目標が達成できそうにないから」とか、
「もし赤字になったら困るから」といった理由を耳にします。数字を見れば、たしかにそのお気持ちはよくわかります。

ただ、それはもしかしたら「催事=ただの販売イベント」と捉えているからかもしれません。
催事の本当の価値は、お客様と直接顔を合わせ、言葉を交わせる貴重な機会であること。
そして、自社の商品やサービスへのリアルな反応を肌で感じられる、かけがえのない“マーケティングの場”であることです。

大切な機会を「売上」という短期的な視点だけで判断してしまっているなら、
せっかくの可能性を見落としているのかもしれません。視野を少し広げてみると、催事から得られるものは、
計り知れないほどたくさんあることに気づきます。

社長が動くことで、販路は開かれていきます
これまでたくさんの食品会社様をサポートさせていただきましたが、素晴らしい成果を出している企業様には、
ある共通点があります。それは、社長ご自身が積極的に動いている、ということです。

例えば、

百貨店やスーパーのバイヤーさんに、ご自身の足で会いに行き、商品の魅力を直接伝えられています。
催事や展示会の現場に立ち、お客様の声に耳を傾け、自ら接客されています。
SNSやブログで、社長ご自身の言葉で商品への想いや会社のストーリーを発信されています。

一方で、「うちの良い商品なら、向こうから声がかかるはず」「紹介してくれる人がいないから、販路が広がらないんだ」
「売上が伸びないのは、景気が悪いからだ」といったお話を聞くこともあります。
もしかすると、そういったお言葉の裏には、“腹を決めきれていない”気持ちが隠れているのかもしれません。

経営は、決断の連続です
会社を経営するということは、「やるか、やらないか」の決断を毎日繰り返すことだと感じます。

新しい仲間を迎え入れるのか、今の体制で進むのか。
最新の設備に投資するのか、既存の設備を大切に使うのか。

新たな販路に挑戦するのか、現状維持を選ぶのか。
商品の価格を見直すのか、今の価格を維持するのか。

自社の強みを積極的にアピールするのか、それとも静かに見守るのか。

これらのひとつひとつの判断において、「腹を決めている社長」だけが、迷いなく前に進むことができるのです。
覚悟がなければ、どんな小さな判断でもブレが生じてしまい、結果として会社全体の方向性も曖昧に
なってしまう可能性があります。

「腹を決める」とは、どんなことでしょうか
「腹を決める」と聞くと、とても力強いイメージがあるかもしれませんね。
それはただの“気合い”や“精神論”だけではありません。私が考える「腹を決める」とは、次のような姿勢のことです。

たとえ成功しても、失敗しても、その結果に自分が責任を持つ、という覚悟を持つこと。

何かうまくいかないことがあったとしても、他人や環境のせいにせず、ご自身の行動を振り返ること。
先が見えない状況であっても、臆することなく、ご自身の力で未来を切り拓いていこうとすること。

この前向きな姿勢があるかどうかで、最終的に「販路が広がるか、広がらないか」という結果に
大きな違いが生まれるように感じます。

販路が広がる会社からは“確かな覚悟”がにじみ出ます
私はこれまで、全国でたくさんの食品会社と出会い、サポートさせていただきました。

中には、とても素晴らしい商品をお持ちなのに、なかなか販路が広がらない会社様もいらっしゃいます。
一方で、正直に申し上げて「味は普通かな」と感じるのに、なぜか取引先から面白がられ、
どんどん販路を広げていかれる会社もあります。なぜ?なぜ?

この違いは、商品の品質や価格だけではない、と強く感じます。
それはまさに、「社長の覚悟と、そこからにじみ出る姿勢」ではないでしょうか。

覚悟のある社長からは、自然と次のような魅力が伝わってきます。
商品に込めた熱い想いを、ご自身の言葉でしっかりと伝えられる。

「今はまだ小さな会社だけれど、もっとたくさんの人に届けたい」という情熱が、相手にも伝わる。
会社の未来について、明確なビジョンを描いている。

そうした社長の姿勢は、バイヤーさんや取引先の方々にも確実に届きます。
「この社長を応援したい」「この商品をもっと多くの人に届けたい」と、心から思わせる力になるのです。

社長が覚悟を決めた瞬間、会社は新しい段階へ進むことが出来ます。

私が実際に見てきた中で、特に心に残っている社長がいます。
その社長は以前、新しいことへの一歩を踏み出すことにとても悩んでいらっしゃいました。
「たとえ売上が少なくてもいい。自分の目で見て、耳で聞いて、お客様の生の声を感じてこよう」。

そう言って、ご自身で東京の催事に出展されました。結果として、その催事での売上はトントン。
大きな利益が出たわけではありませんでした。

そこで直接お客様からいただいた生の声が、商品の改良へとつながりました。その改良が実を結び、
3か月後には別の販路で大ヒット。今では、その商品は都内の有名なスーパーでも見かけることができるようになりました。

これは、まさに社長の「腹を決めた」行動が、会社の未来を変えた素敵な事例だと感じています。

まとめ:「覚悟のない社長」に販路は開かれません
催事に出展するのか、展示会に参加するのか、あるいは積極的に営業活動をするのか。
そういった具体的な行動の前に、社長自身が「腹を決めているかどうか」が、すべてを左右すると言えるでしょう。

そして、この「腹が決まっているかどうか」は、日々の小さな判断の積み重ねにも表れます。
商品をより良くするために改良を続けるのか、それとも現状維持を選ぶのか。

伝えたいことをしっかりと発信するのか、それとも波風を立てずにおとなしくやり過ごすのか。
誰かに頼るのを待つのか、それともご自身の足で行動を起こすのか。
このひとつひとつの積み重ねが、やがて“会社の未来”として形になっていくのです。

最後に、社長に考えてほしいことがあります。会社の未来と、心から真剣に向き合えていますか?

その真剣な姿勢は、一緒に働く従業員の方々にも、お取引先の方々にも、そして何よりも大切なひとりひとりのお客様にも、
きっと伝わっています。

腹を決めた社長だけが、新しい販路を切り拓き、確かな信頼を得て、会社の未来を素晴らしいものへと変えていけるのです。

(催事の目的を理解されていない社長へ)


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